BOXING
私をリングサイドに連れてって。

全仏テニス開幕〜初夏のフランスから


初のフランスへ

今回はリングで争う格闘技とは全く異なりますが、
初夏のフランス、全仏オープンテニスに
なぜかきております。
これまで男の裸(仕事のみです)ばかりだったので
たまには趣向を変えてお届けします。

私には今回が初めてのフランスとなります。
これまでの訪問先は圧倒的にアメリカが多かった上に、
ヨーロッパではオランダ、
ロシア(サンクトペテルブルク)、
イギリス(マンチェスター、スコットランド)と
大都市というよりは、かなり偏った場所にしか
行っていません。

事前のリサーチで我が社のこれまでのテニス担当からは、
グランドスラム大会ではフレンチオープンが最高!
とお墨付きがくるほど良い雰囲気だということでした。

パリはやはりこじんまりとした印象。
セーヌ川沿いのホテルから見下ろす風景には
やはりヨーロッパの歴史の深さを
感じさせるものがあります。
石畳のごつごつした道路にせり出すカフェには人があふれ、
ゆっくりと時間が流れています。
移動の地下鉄車内ではギターとアコーディオンの流しが
車内の空気を和ませてくれます。
そんな初夏の雰囲気の良いフランスで開催されているのが
フレンチオープン(ローラン・ギャロ)です。

赤土のクレーコートとは

解説の丸山薫(※1)さんに聞きました。
土であるクレーコートの特徴はいくつかありました。
まず慣れが必要だそうです。クレーでの試合機会少なくして
世界レベルで戦うのは難しいということ。
またボールの速さは上から順に
芝、ハード、クレーということで、フレンチオープンは
一番球筋が遅い中での戦いということがいえ、
そのためフットワークや攻め方が
通常とは全く異なるということです。
具体的にはフットワークは土の滑りを上手く利用して
より幅を使える選手が有利となり、
攻め方ではドロップボールや球を上げて後方を狙うなど、
前後を意識するのだそうです。
前後左右で相手を揺さぶり、どうペースを取っていくのが
クレーコートの魅力だそうです。

テニスは変化する!

もう一つの興味あるポイントは技術の進歩です。
こちらは解説の柳恵詩郎(※2)さんに
面白い話を聞きました。
ちょっと前まではトップスピンでボールをこすり上げ
遠くに落とすという技術が全盛でしたが、
今のトップ選手たちは直角に近い角度(フラット)にして
なおかつかぶせて速い球を打つそうです。
つまり強い球に同時に回転をかけ、
速く早めに鋭く落とす球が
主流になりつつあるということです。
相手にしてみると反応する時間がより少なくなり、
かなり高度な対応が迫られるということなのです。
それにはまず強く打つ技術とコントロールが最重要になり、
現在女子トップは非常に高いレベルにあり、
進化も早いということです。

あのダバディ氏登場!

トルシエ監督の通訳として派手なパフォーマンスで
一躍有名になった、ダバディ氏。
実は彼はテニスが大好き。
相当な知識と抜群のファッションで
スタッフ一同感心するばかり。
今回は地元フランスでの
大好きなテニスのビックイベントを前に
様々なポイントをたっぷりナビゲートしてくれました。
そのダバディ氏がナビゲートする
全仏オープンテニス特別番組が
6月1日午後2時15分に放送されます。


左からダバディ氏、岩佐アナ、柳氏、
丸山氏、田中アナ


会場内には試合コートが18面。
フランスは現在日没が夜10時前くらいのため
朝11時から夜10時くらいまで
無名選手もスター選手も熱戦を繰り広げています。

大会初日は16位杉山選手が
スペインの47位パスカル選手と対戦。
月曜日朝11時からの第一試合なので
当然観客席はがらがら。
しかし2時間30分に及ぶ試合のヒートアップとともに
最後は超満員で逆転勝ちという絶好なスタートを切り、
さらに粘りもついて2回戦も突破して絶好調です。

これも面白い試合には人が寄ってくるという行動が
人々に染み付いているのでしょう。
大きなイベントということだけではなく
やはり長い間によって形成された風物詩としての
文化を観客が理解し楽しんでいるな、と強く感じました。
また連日のエピソードなど知りたい方は
岩佐アナウンサーのHP、www.toruiwa.tvをぜひ
ごらんください。

WOWOWでは熱戦の模様を連日放送中です。
最後までお楽しみに!!

【追記:5月30日21時、小田さんからのメール】

そしてビッグニュースです。
杉山選手がやってくれています。
大会初日に2時間30分に及ぶ熱戦を征し、
さらに逆転勝ちという絶好なスタートを切りました。
2回戦も突破して、
3回戦もフルセットで突破ベスト16に進出する快挙です。
そして次なる敵は・・・・・、
世界NO1のセレナ・ウィリアムスです。
苦戦が予想されますが、魔物が棲むクレーコート。
大和魂をぜひ期待したいと思います。

※1
毎日選手権優勝、デ杯シングルス出場
25歳で引退後はデ杯コーチ、フェドカップコーチ、
オリンピックコーチ歴任。笑顔が魅力。

※2
66−71年までデ杯選手。日本プロテニス協会理事長、
デ杯監督を歴任。海外見識の宝庫。
HPはwww.k-yanagi.co.jp


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2003-05-31-SAT

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