BOXING
私をリングサイドに連れてって。

ホープ浅井TKO負け!


飯田、戸高に続く名古屋軽量級
期待の強打の浅井選手が見せ場なく
TKO負けしました。

名古屋までは行けず、CSの生放送観戦しました。
浅井選手には酷ですが、
世界戦レベルとしては全てが足りず
惨敗としか言いようがありませんでした。

というのもチャンピオンの
ポンサクレック・シンワンチャー(タイ)が
本当に素晴らしい選手で
完璧な試合をしたこともあります。
1年前セレス小林選手と引き分けた
フィリピンの強打ツニャカオを
1RKOでマットに沈めた実力は本物でした。
タイの経済事情等で敵地で、さらに初防衛を
行わねばならない厳しい状況で
完璧な勝利を収めました。

素晴らしかったのはバランスです。
連打が売り物と関係者から聞いていましたが、
あのバランスをしてなせる技です。
先日畑山選手に勝ったロルシー選手もそうですが、
バランスが崩れないため
常にいつでもパンチが出せる状態なのです。

さらにパンチは切れがあり、
フライ級ではパワーもありました。
長距離から鋭い踏み込みで左ストレート
接近戦で右アッパー、左右のフックも威力がありました。
4R2度ダウンを奪ったのは
いずれも返しの右フックでした。

23歳同士の対決でしたが、
プロキャリアでは倍の経験をもち、
さらにムエタイ出身ということもあり、
精神面でも非常に落ち着いていました。
地元の浅井選手が自分を全く出せなかったのと
対照的でした。

特に印象的なのは4Rダウン奪った後、
無理に深追いせず様子を見て、5Rに試合を決めた事です。
この憎らしいまでの冷静さは
同じタイの名チャンピオンで辰吉選手を倒した
ウィラポン・ナコンルアンプロモーション選手に
そっくりです。
タイのトップ選手は
幼少の頃からムエタイで鍛えられており、
格闘技における流れを
冷静に判断できる精神的強さを持っています。
(だからこそ辰吉選手が以前に
 チャンピオンのシリモンコンをTKOしたのは
 偉業と私は思っています。
 その後ウィラポンに2度負けましたが・・・)

強打といわれた浅井選手のお株を奪う
鋭いパンチを見舞ったポンサクレック選手は
フライ級で長期政権を築く素質を持っています。

ただ残念なのは浅井選手に左右の動きがなかったことです。
さらに打ち合いを避ける方法を実践できなかったことです。
動きは前後だけの単調な動きとなり、
離れても良し、近づいても良しのポンサクレック選手に
動きを序盤から完全に読み切られていました。

打ち合いを避ける方法は
ジャブで距離をとり足を使うか、ガードを工夫するか
思い切って体を合わせてしまうかいずれかですが、
もちろん戦前は様々な作戦を立てていたに違いありません。
しかしそれができないのが世界戦のリングであり
世界チャンピオンなのです。

浅井選手は若いです。
先輩の飯田、畑山と同じように
世界初挑戦の苦い経験を活かして
再起して欲しいと思います。

先日、9月1日横浜アリーナで行われる
西岡選手の世界戦の相手が変更になりました。

WBC世界バンタム級タイトルマッチ
ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)

西岡利晃(帝拳)


WBAのエディ・モヤ選手が暫定の可能性があるために
WBCのウィラポン・ナコンルアンプロモーション選手に
なりました。
西岡選手としては昨年6月判定負けの
リベンジのチャンスです。
しかしウィラポンは5月に行われた
フランスでの指名防衛戦も
メキシカンのバラハス相手に3RTKO勝ちと
強さに円熟味を増しています。
現状を比較すると厳しい戦いになると思いますが、
西岡選手には頑張って欲しいと思います。

海外では9月16日にはミドル級トーナメント決勝戦
WBA・WBC・IBF統一世界ミドル級タイトルマッチ
バーナード・ホプキンス(アメリカ)

フェリックス・トリニダード(プエルトリコ)

が行われます。
先日プエルトリコでの記者会見ではファンが暴れ
ホプキンス選手が会場から逃げ出すハプニングも起こり
すでにヒートアップしています。
こちらも独占衛星中継しますので
お楽しみに。

WOWOW 小田真幹


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2001-07-17-TUE

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