BOXING
私をリングサイドに連れてって。

「WOWOWエキサイトマッチ」
ヘビー級最強の男ルイス、
南洋のKOキングを迎える!
WBC・IBF世界ヘビー級タイトルマッチ
「レノックス・ルイス 対 デビッド・トゥア」
11月12日(日)AM11:00〜 独占衛星生中継


10月21日のタイソンの試合は残念な結果となりました。
タイソンは頭を振り
貪欲にKO狙いのボクシングに徹しました。
ゴロタは恐怖を覚えたに違いありません。
1Rダウンから立ち直り、頑張っただけに
ゴロタの試合放棄は本当に残念でした。
ゴロタの正式なコメントは以下のようなものです。

「タイソンを恐れたわけではない。
 ダウンしたパンチを受ける直前、
 左眼にバッティングを受け、
 激しい痛みと視界のぼやけに襲われた。
 レフリーがタイソンに何も注意しなかったので混乱し、
 その直後のパンチだったので
 ガードもしっかりしていなかった。
 
 ダウンは効いたというよりはバランスを崩したものだ。
 だからすぐに立ち上がることができた。
 ラウンド間に目と頭痛はさらに激しくなったが、
 試合続行を決意した。

 しかし2R再びバッティングを受け
 混乱し危機を迎えた。
 何がどうなったのか自分でもわからなかった。
 本能と15年のキャリアで凌いだ。
 7週間もっとも厳しいトレーニングを行なった。
 私は棄権野郎ではない!
 金のために逃げる道を探したのではない。

 もう一つ。
 タイソン戦ではクリーンファイターにならなければ
 という強いプレッシャーがあった。
 だからヘッドバットに対してもルールを守った。
 私は野蛮でないボクシングを望んでいた。
 多分、多分だが、以前の“悪”の私だったら
 タイソンに勝っていただろう」

しかし、プロボクサーにとって
リング上は命を賭ける場所です。
リングサイド席のために
$2500(約27万円)を払ったお客さんに対しても
失礼な行為でしかありません。
今後ゴロタは一線級のリングに上がることはないでしょう。
しかし、タイソンの試合は必ず何か起こります。
私の願いはひとつです。
もうちょっと長く、リング上のタイソンが見たい、
それだけです。


11月12日(日)には、プロボクシング界にとって、
もうひとつの注目の試合が行なわれます。
ヘビー級最強の男、レノックス・ルイスの防衛戦です。
(WOWOWでの放映は11/12 午前11時〜)

今回の相手は強敵、
デビッド・トゥア(27歳、NZ/サモア)です。
バルセロナ五輪のヘビー級銅メダリスト。
トゥアの武器は何といってもその攻撃的スタイル。
身長178cmと、ヘビー級にしては小柄ながら
鋭い踏み込みで相手の懐に入り、
ショートパンチの連打でKOの山を築き上げています。
1998年3月から、8試合連続でKO勝ち。
満を持してタイトル戦に挑むのです。

トゥアの戦績は37勝1敗(32KO)。
唯一の敗戦は「怪人」アイク・イベアブチに
判定で敗れたものです。
イベアブチはレイプの罪で投獄されており、
順調ならばヘビー級の台風となっていたはずの
実力派選手でした。

挑戦者トゥアを迎え撃つチャンピオン、
レノックス・ルイス(35歳、英国)は
ソウル五輪のS.ヘビー級金メダリスト。
35歳にして完成されたボクシングスタイルを誇り、
敵なしと見られています。
身長195cmから繰り出される1・2(ワンツー)パンチ。
そして近づいて繰り出される強烈な右アッパー。
最近では前後のステップもさらに進化し、
エマニュエル・スチュアードから教わった
基本的なボクシングとナチュラルパワーで
磐石の強さを誇ります。

勝敗予想はルイス有利と考えざるを得ません。
長い距離ではジャブを突き、必殺の右ストレート。
懐に入ってきたら右アッパー。
そして相手の攻撃をかわす前後のステップ。

挑戦者トゥアは、相手の懐に入るしか勝機はありません。
スピードと踏み込みでルイスの懐に入り、
右アッパーをかわすことができて
初めて勝機が見えてくるでしょう。
もし可能ならば、フック連打で
ルイスが沈む場面もあるでしょう。

ソウル金メダリストのルイスか?
バルセロナ銅メダリストのトゥアか?
“勢い”対“円熟”の戦いです。
どちらにしてもKOで決着することは
間違いありません。


そして、試合日程が前後しますが、
11月5日(日)には
東京・後楽園ホールで注目の興行が行なわれます。
日本フェザー級タイトルマッチ
「木村鋭景(チャンピオン) 対 カズ有沢(1位)」

西岡利晃再起戦
「西岡利晃(WBC世界バンタム級9位) 対
 ヘラルド・マルチネス(WBC世界バンタム級7位)」

現在、日本で最も層の厚いのがフェザー級です。
1R連続KOの日本記録を持つ
注目のユウジ・ゴメスを筆頭に、
越本隆志、州鎌栄一、奥田春彦、パワフル本望など
群雄割拠の階級です。

その頂点に立つチャンピオン木村選手が
3回連続の指名挑戦試合を行ないます。
相手はコウジ有沢の兄であり、
兄弟日本チャンピオンを狙うカズ有沢。
世界をみると、ハメド、モラレス、
エスパダス、ゲイナー、ノーウッドなど
強豪がひしめく階級だけに注目です。

もうひとつの試合、
西岡利晃選手は2000年6月に
王者ウィラポン選手に判定負けして、
世界タイトル獲得に失敗して以来の再起を賭けます。
練習の場を、東京の帝拳に移籍、世界戦の経験が豊富な
葛西トレーナーとコンビを組み、
再び世界を目指します。

しかし今回は単なる再起戦というわけではありません。
相手はバリバリの世界ランカーで、ランクは上です。
けっして簡単な相手ではありません。
通常ではない本当に厳しいマッチメークです。
しかし、世界を狙うという
西岡選手の意思ははっきり伝わってきます。

注目の日本フェザー級タイトル防衛戦と、
世界バンタム級ランカー同士の激突、
WOWOWでは11月25日(土)午後5時10分から
デジタル放送開始直前スペシャルの
無料放送でお送りします。

お楽しみに。

WOWOW 小田真幹

ご意見はこちらまで Boxnight@aol.com

2000-10-31-TUE

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