BOXING
私をリングサイドに連れてって。

「WOWOWエキサイトマッチ」
マイク・タイソン1年ぶり
母国アメリカでのファイト
10月21日(土)AM11:40から衛星生中継


日本で世界戦が連続して行なわれました。
10月9日の戸高選手は、
調子が最悪としか思えないほど
相手であるガメス選手の一方的な展開でした。
生涯初のダウンを喫し、下顎骨折の重症。
新チャンピオンのガメス選手は
軽量級初の4階級正式制覇。
レナード、ハーンズ、デュラン、ウィテカー、
デラ・ホーヤに続く世界6人目の快挙です。
もし、戸高選手の体調が良く、前後左右に動き、
後半勝負に持ち込んでいれば
簡単には勝てなかったはずです。
しかし、ガメスの強打は関係者が皆知るところでした。

畑山選手vs坂本選手の試合、
期待を裏切らない展開になりましたね。
ファイター坂本に畑山が付き合い、
壮絶な打ち合いを展開、
10Rまで片時も目を離せない緊迫した試合でした。
結果は畑山選手の右ストレートが決め手となりましたが、
坂本選手はそれまでの壮絶な打ち合いで
ダメージ的には限界でした。
4度目のタイトル挑戦でも悲願の王座獲得は
なりませんでした。しかし、ファンの記憶には残る
偉大な試合だったと思います。
畑山選手は中間距離を避け、時には足を使い、
時にはインサイドでコンビネーション使うなど
非常にクレバーなボクシングをしていました。
坂本選手の左フック対策として右パンチを繰り出し、
そしてガードもしっかりしていました。


では、今回の本題です。
いよいよ海外の主役の登場です。
いまや“お騒がせ男”となったマイク・タイソンが
1年ぶりに母国アメリカで試合を行ないます。

10月21日(土)午前11:40から放映
Tyson Back in USA
「マイク・タイソンvsアンドリュー・ゴロタ」


1年前、1999年10月23日、
ラスベガスMGMグランド・ガーデンで、
オーリン・ノリスと対戦。
1Rゴング終了後に、タイソンがノリスに打撃を加え、
ノーコンテスト裁定に終わってから、初の試合です。
アメリカ、特にネバダ州では、コミッショナーが、
タイソン戦はトラブルが多く、
しばらく様子をみて決めるという決定をしていました。

1年ぶりの試合の舞台は、ミシガン州
オーバーンヒルズ、ザ・パレス。
デトロイトから車で1時間くらいの都市で
NBAのピストンズのホームでもあります。

プロモーターは黄金の中量級の一角を担った
トーマス・ハーンズ。
これまではアメリカプレゼンツが行なっていたのですが
度重なるタイソンのわがままぶりに我慢できず、
変更となりました。

相手はポーランドの悪童アンドリュー・ゴロタ。
13歳でボクシングを始め、
アマで初の国内王座7回獲得。
1988年のソウル五輪では銅メダル獲得し、
1992年にプロデビュー。

ゴロタはWBC世界ヘビー級10位の実力者。
なんといっても1996年の
リディック・ボウとの2戦が
ゴロタの名を世界にアピールしました。
当時最強と目されていたボウ相手に善戦。
しかし度重なるローブローによる2度の失格負けで、
ダーティファイトがゴロタ選手のイメージになり、
ついたあだ名が「The Foul Pole」。

その後レノックス・ルイス相手に、
まさかの95秒TKO負けを喫しましたが、
着実に勝利を伸ばし念願のビッグマッチを迎えました。

現地では「Two Live Fools」や
「Nuts and Butts」と銘打たれたこの試合に
何を期待しているか想像がつく方も多いでしょう。
日本のスポーツ新聞でも「暴走王決定戦」など
強烈な個性と悪いリング癖を持った
「悪対悪」の真っ向勝負という感じです。

今回ばかりは試合の予想は立ちません。
彼ら互いの定石からいえば
長身ゴロタのロングレンジパンチか?
タイソンの踏み込みが優り、強烈なショートが炸裂か?
ということになります。
タイソンはボタ戦(1999年1月)に
5Rで勝利した後の試合では、
1R、2R、1Rで試合が終わっているために、
長いラウンドの経験がありません。
後半までもつれてスタミナ勝負となった場合は
ゴロタ有利となるでしょう。

タイソンは前回6月のサバリース戦
でもそうしたが、リング上で野獣化してしまう
ことがあります。
試合後のインタビューでは
「レノックス・ルイスの子供を食ってやる」
などの暴言もあり、$187,000の罰金。
興奮すると手がつけられないのです。

このような状況のなかで
注目されるのが“レフリー”です。
どちらの選手も、反則行為が特徴? と言われるなか、
そういう試合をどうさばくのか?
非常にプレッシャーがかかります。

「WOWOWエキサイトマッチ」では
1年ぶりとなるタイソン戦の生中継を、
「ガチンコ」で注目の竹原慎二さん、
日本レフリー界の第一人者、森田健さんを
ゲストに迎えて放送します。注目の一戦です。


10月28日(土)午後6時から放映
メキシコの若き帝王モラレス2階級制覇に挑戦!
WBC暫定世界フェザー級王座決定戦
「エリック・モラレスvsケビン・ケリー」


“37戦全勝29KO”と
いまだ土つかずの快進撃を続けているメキシコのスター、
エリック・モラレスが2階級制覇に挑みます。
相手はケビン・ケリ−。
1993年に同タイトルチャンピオンだった
ベテランサウスポーです。

この試合は当初タイトルマッチとして
ルイシト選手を破った親子鷹チャンピオン
グティ・エスパダス・ジュニアが出る予定で、
メキシコ若手対決になるはずでしたが、
エスパダスが怪我のため
暫定王者決定戦となりました。

代打となりますが、ケビン・ケリーはこれまでに、
ゴーヨ・バルガス(1993年)、
ルイシト・エスピノサ(1996年)に勝ち、
クラレンス・アダムスとは引き分ける(1995年)など
輝かしいキャリアを誇ります。
1997年にはハメドと対戦し、ダウンを奪い
スリリングな試合をしましたが、4RにKO負け。
Finishing Flashの異名を持ち、
スピード&パワーのある選手です。

しかし、24歳のモラレスと
33歳のケリーでは身体能力に差があります。
ベテランのスピードが通用するかどうかが鍵でしょう。

IBF世界S.フェザー級タイトルマッチ
「ディエゴ・コラレスvsエンジェル・マンフレディー」


S.フェザー級で旋風となっているコラレス選手、
IBFタイトル3度目の防衛戦です。
183cmから繰り出す打ち下ろしパンチと、
ショートパンチの上手さで
見るものを飽きさせません。

挑戦者のマンフレディーは好戦的なファイターで
かつてはアルツロ・ガッティを8RでKOしたほどの
実力の持ち主。
しかし最近タイトル戦ではメイウエザーや、
ジョンストンに敗れているため、
再起を賭けて世界タイトルへの挑戦です。
打ち合い必至の一戦です。

では、10月21日、28日に放送する
「WOWOWエキサイトマッチ」どうぞお楽しみに!

WOWOW 小田真幹

ご意見はこちらまで Boxnight@aol.com

2000-10-17-TUE

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