坊さん。
57番札所24歳住職7転8起の日々。

第214回 善通寺での出開帳本尊・開眼法要


ほぼにちは。

ミッセイです。

四国遍路は、
現在の香川県、善通寺市で生まれた、
弘法大師、空海の聖地巡礼なので、

四国遍路の札所の僧侶達は、
今でも善通寺というお寺に集まって、
よく儀式をしたり、
話し合いをしたりします。

しかも今年は、
善通寺が創建1200年という事で、
チベットのお坊さんが砂マンダラを作ったり、
作家の夢枕漠さんが講演をしたり、
色々な行事・イベントが目白押しでした。

僕達、
四国霊場関係でも、
出開帳本尊という仏様を作ったので、
その開眼法要
(かいげんほうよう、仏様に生命を吹き込む儀式)
に参加してきました。

といっても、
僕達若い人達の仕事は、
朝、出席される千人近い参加者の受付をしたり、
行事が終わった後のマットをひたすら、
巻き続けるという雑務もその中心になります。

ちなみに出開帳(でかいちょう)
というのは、
四国までなかなか足を運べない地域の人のために、
各札所の出開帳本尊を88仏ズラッと並べて、
四国遍路を拝んで頂こうというものです。

主に、
東京、名古屋、大阪などの
都市圏で行われる事が多いようですが、
いつか皆さんが住んでいる街でも、
お会いできるかもしれませんね!

というわけで、
朝の5時に栄福寺を出て、
約1時間20分ほどで善通寺に到着しました。

まずは、
善通寺の遍照閣に安置されている、
出開帳本尊に僕達も手を合わせたり、
記念に撮影をしたります。



想像よりも、
コンパクトなサイズの仏様でしたが、
このぐらいの大きさもいいな、と思いました。



栄福寺の本尊、
阿弥陀如来もしっかりと安置されていました。



お隣の札所、
58番仙遊寺さんの千手観音さんも、
いい感じですね。



この仏像はすべて、
京都の仏師の工房で何年もかけて制作されました。

おお、こんな所に砂マンダラが!



砂マンダラといえば、
作った後に壊すことでも有名ですが、
そうせずに作ったものを固めて、
安置することもあるみたいだねー。
(遍照閣の奥にありましたよ。)

開眼法要が終わって、
僧侶達が次の儀式の行われるお堂に、
移動する時には、
記念の散華(さんげ)が僧侶達の手から、
放たれます。



こういった大きな儀式の時には、
たいがい記念の散華が作られるんです。



そして、
それはすごく御利益があるという信仰もあるし、
まぁ、すごく記念になるので、
なんとか散華を手に入れようと、
必死の人も多いんです。

その混乱の中で、
混乱を見守っていたら(!)、
栄福寺で会ったことのある善通寺の若いお坊さんが、
おられたので立ち話をしていました。

「善通寺でチベットのお坊さんが、
 薬師如来の結縁灌頂
 (けちえんかんじょう、
  仏様との縁結びの儀式。一般の人も参加可能。)
 をされたんですよね、行きたかったなー。」

「よかったですよ、法話もありましたしね。」

「あーそうなんですか、行きたかったな・・・。」

「あっ、いいものあげます。」

「なんですか?」

「じつはこれ、
 来られていたラマ(僧)が皆さんにくださった、
 お加持をしてあるヒモなんです。」

とわざわざ自部屋まで
走って取ってきてくださり、
袈裟色のヒモをくださりました。

「私は首に巻いてるんですよ!」

「わーありがとうございます。」

と、いいものをもらいました。
どういう風に使おうかな。



というわけで、
儀式も一段落したので、
仲のいいお坊さん達で、
善通寺の五重塔に向かいました。



今回の創建1200年記念で、
普段は内部に入ることのできない五重塔に、
入ることができて、
しかも登ることもできるんです。

「ここここ、こわい、怖い!」

と大騒ぎしているのは、
僕ぐらいでしたが、
一重目に登って下を覗くだけでも、
けっこう高さを感じます。



この後、
善通寺市の体育館に会場をうつして、
講演会などが行われました。

僕は坊さん達と、
意外と普段会わないので、
こういう時のバックステージで聞く、
いわば同業同士の会話は、
楽しいし、参考になることが多かったな。

慣れない、
会場撤収などの肉体作業にちょっとバテましたが。

皆さんも、
機会ありましたら、
善通寺を訪れるのも楽しいかもしれません。

駐車場近くにある、

「大師うどん」

ネーミング、味を含めて
賛否両論あるようですが、
僕はけっこう好きです。


ミッセイ


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2006-06-11-SUN
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