坊さん。
57番札所24歳住職7転8起の日々。

第161回 お接待と尼さん候補。

ほぼにちは。

ミッセイです。

僕の住んでいる四国の
四国遍路には、
「お接待(おせったい)」という、
風習というか習慣みたいなものが、
けっこう残っていています。

それは、巡拝している
お遍路さんに、
食べ物とかお金を「あげる」という風習です。

お参りしているお遍路さんに、
施すことで、
自分も御利益にあやかれるようにとか、

若い人とか老人が腹を減らせて、
歩いているので、
なんとなくあげちゃう人とか、

理由はいろいろですが、
まだ結構、
そういう気分が残っています。

僕の友達の女の子は、
大学をやめた時に、
歩き遍路をしたのですが、
今でも車に、
「あめちゃん」(そう言っていた。飴です。)
を常備しておいて、
歩き遍路さんに道路であったら、
車を止めて、あげると言っていました。
(そういう人はたぶん、すごく珍しいです。)

栄福寺でも、

「お遍路さんに、おせったいしたい。」

という料理の得意なおばさんが、
何ヶ月か前から毎週、
手作りのお弁当を、
歩き遍路さんに差し上げています。

「すごいなぁ。」

と僕は、
思っていたのですが、
その人が、
ここ最近、週に何度も来られているんです。
ここ何日かは毎日です。

「なんだか、はまってしまって。」

と、おばさんは笑っておられましたが、

自分のできる、
自分のしたいことで、
人が感謝してくれることに
気付いた人は、
体が動くんだなぁ。

とかって考えました。


パソコンが壊れて以来、
白い紙に手書きで
「リスト」や「アイデアの図」を、
よく書くようになったのですが、
(なかなかいいですよ。
 パソコンが使えるようになってからも、
 よくします。)

そこに、

「10万円でできる、10のこと。」

「100万円、自由に使えたらしたい10のこと。」

なんかのリストを作って、
栄福寺のことを考えたりするのですが、
その中で、

「タダでもしたい10のこと。」

を考えるのって、おもしろかったですよ。
自分がしたいことって、
ちゃんと考えないと、
けっこうわかなくなる時が、あるのかもね。


そういえば、先日、
高校生が栄福寺に遠足で来ました。
(僕は不在だったのですが。)

それから、2、3日して、
女子高生が夕方に二人だけでお寺に来て、
納経所に座っている僕に、

「ここに書いてある、
 お寺の御詠歌ってどういう意味なんですか?」

「あの足の仏像(仏足石)に、
 彫ってる魚ってどういう意味なんですか?」

と話しかけてくれました。
(魚については、わからなかったです。ゴメン!)

遠足で来たお寺に、
もう一回行こうなんて、
少なくても、
僕が高校生の時は思わなかったので、
学校帰りに制服のままで、
再訪してくれたことが、
なんだかうれしかったです。

たくさん質問するし、
ものすごく熱心に聞いているので、

「尼さんになったら?」

と冗談で言ったら、

「なんか、なりたいかも!」

とすごく可笑しそうにして、
笑っていました。


ミッセイ


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2004-05-09-MON

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