坊さん。
57番札所24歳住職7転8起の日々。

第141回 京都広告塾に行っています!

ほぼにちは!

ミッセイです。

先日、京都広告塾の授業前に、
以前から行きたかった、
「OTOKINOKO」(音茸)という
いろんな動物の音(おならとか)
が売っている店が定休日だったので、
東山の二年坂をとぼとぼ歩いていたら、

「みっせいさーん。」

と女の人の声が、後ろから聞こえました。
なんで、
京都に僕を知っている人がいるんだろう?

と思って、後ろを振り返って、
キョロキョロしてみたら、
「京都に知り合いの宿をつくろう。」
サカベさんでした。

サカベさんは、広告塾でも、
僕達生徒と講師の先生の間に立って、
ばりばりと、
たまーに、ほよ〜んと
活躍されておられます。

「よく後ろ姿で、わかりますねー。」

と僕が驚いて言うと、

「髪型、髪型。
 違う人だったら、黙って通り過ぎようと思って。」

とのことでした。
京都でお坊さんに声をかけて、
僕である可能性はかなり低いと思うんですが、
もともと人を見分けたり、
覚えたりするのが上手なんでしょうね。
うらやましいなぁ。

というわけで、
「京都広告塾」に行っています!

学校のためだけに京都に行くのは、
あまりにもったいないので、
早めに行ってぶらぶらすることが多いのですが、
正直、時間の使い方がわからいことが、
何度かありました。

でも、
あとになって思い出すのは、
紅葉シーズン前の
人気のない栂尾(とがのお)に登って、
高僧、明恵上人のお墓の横に腰を下ろして、
長い間、時間を過ごした事
とかなのかもしれません。

わからないですが。
元気な同級生や、
すごく素早く親切な、
スタッフの人達かもしれないです。

授業の方はと言うと、
僕はほとんど初めて、

「早く終わればいいのに。」

とまったく思わない、
“学校”の授業を経験している。

というのが、本当の本音です。

いくつか、最近の授業から、
気になった考え方や、
言葉を紹介していこうと思います。

その日の講師の先生は、
坊主頭のCMディレクターの方でした。

「こんな頭で、こんなこと言うと、
 なんか坊さんみたいなんですが、
 これは、ホントに感じてることで、
 むちゃくちゃ大事なことだと思います。

 自分がなにをしたらいいか、わからない時。

 そういうことは、絶対あると思うんです。
 そういう時に、なにをするか。
 
 人のためになることを、してみてください。

 これ、ホントなんです。

 はははは。ホントに坊さんみたいだなぁ。
 でも、そうなんだよなぁ。」

本当にまるで、坊さんみたいです。
(まさか生徒にいるとは、
 思わなかったでしょうね。)
でも、坊さんが言うよりも、
説得力があるように聞こえるのは、
彼が多くの実績を持ち、
また彼が坊さんではないから、
なのかもしれません。

坊さんが、
坊さんとしての役割で、
受け手がいいなぁと思うような働きをこなし、
同時に、
坊さんじゃないようなことをする時、
自分の欲求で、せざるを得ない時、
それが多くの人の、
共感を得られるとしたら、
意外とも思えるほどの、
説得力とインパクトを持つのかもしれません。

ここの「坊さん」に、
あなたの仕事や役割を入れてみたら、
そう思いませんか?

そうですね。
言うのは、簡単ですね。

でも、
僕は、言ったほうがいいと思うんだよ。

「なにをしたらいいか、
 わからない時、どうするのか。」

という問いかけには、
僕にはいくつか、
お気に入りの考えがあります。

その内のひとつは、
ある作家の方がエッセイのような文章で、
書かれていたことだと思うのですが、

「やりたいことが、わからなかったら、
 やりたくないことを、
 リストアップして、やってたらどうですか。」

というのです。
ちょっとヘンな気もしますが、
なんか、いい予感がしませんか?
もちろん、この場合も、
とても個人的な「作り手」としての、
この方への信頼が、
この言葉の「おもしろさ」への、
信頼に繋がってるんですが。

あと
「プランナー」も、
「プロデューサー」も、
いる中で、
なぜ「ディレクター」が必要なのか?

という疑問に対して、

「“時間”をディレクションするため。」

と明確に答えられていたのは、
印象的だったなぁ。

「時間」というものに対して、
もっと“繊細”に考えることだとか、
“大切”に考えることとかは、
重要な何かを含んでるかもしれない、
と思いました。

そして、これは、
別のCMプランナーの方が、
言われていた事ですが、

「具体例からコンセプトに戻ることで、
 他の具体例が生まれる。」

という考え方も好きでした。

例えば、僕は結構、
“具体例”って、出すの好きなんです。

最近考えてるのは、
BBSトイレという、
どでかい壁面を持ったトイレです。
(新しいトイレを待っている、
 皆様、どうもすいません。
 はっきり言って、遅れております。)

お寺の掲示板って、なんか、
吉田戦車さんの「エハイクの世界」
でもありましたが、
なんか、固まってる、イメージがあります。

そこで多くの人が通るトイレの壁面を、
とっても大きな掲示板にして、
そこで、
いろんな企画をやってみたらどうだろう。

例えば
「100僧阿字展」
という100人の坊さんが、
「あ」という梵字を書いたものを、
ばーっと展示して、
密教のアイデアの一端に触れてもらう。
だとか、

子供たちにお母さんの絵を描いてもらった、

「I LOVE MOM,WE LOVE PEACE.
  (平和を望まぬ親子がいるかい?)」

とかだって、
いいかもしれない。
(たとえばだよ。)

そういうものをしたかと思えば、
ぱっと、
アーティストの個展をやったりね。

最終的に
「弘法大師のことば」とか
「仏典からのことば」の
でっかい展示に落ち着いたとしても、
見せ方ひとつで、全然、違うと思うんだよ。
「おてんとうさまに生かされている」
とかだと、まぁ、アレかもしれないけど、
「わが命の仮なること夢幻の如し」(教王経開題)
とかね。どうかな?

まぁ、こういうアイデアのほとんどは、
消えてゆくわけですが、
(これに関しては、
 完全に捨てたわけではないけれど。)
お寺というのは、
そんなにバンバン、アイデアが、
実現してゆく場所でもないので、
(また、そこが“いいとこ”でもあるので。)
ほとんどが、そこで、止まってしまうんです。

そんな時、そこで止まらずに、
この具体例から、
僕がどんなコンセプトを求めていたんだろう?
ということを、
きちんと考えてなかったなぁ。
と気付くんです。

「ゆったりとした時間とは
 まったく別物の、
 素早く動けるメディア。」

が欲しかったのかもしれないし、

「住職がもっとメッセンジャー」

でなければならない。

と考えたのかもしれないよね。

そういう風に考えると、
もっと早く動けるのは、
公式ウェブサイトじゃないか、とか、
それって
掲示板のでっかいのだけ
作ってもいいんじゃないか?
って話にも、繋がると思うんです。
(いま書いていて、気づいたな。)

そういう意味で、
大切にしたい言葉です。
「具体例からコンセプトに戻れ。」
というのは。

もっと書きたいことが、
たくさんあるのですが、
とにかくおもしろいです!広告塾!!
いろんな仕事の人に通って欲しいなぁ。
坊さんだって行ってるわけだから、
もう、恐いものなしだよ。

最後に気に入ってるエピソードを、
もう一個だけ、言わせてね。

僕もなんとなくいいなと思っていた、
高校生が制服のまま学校で、
一心不乱にダンスする。
というテレビCMがあるんですが、
(言葉にすると妙ですね。)

その出演者のオーディションをした方の、
言葉が心に残っています。

「最初は、
 ダンスが上手な人を選んで作ったんだけど、
 ぜんぜん、ダメだった。
 で、もう一回オーディションをして、
 “いちばん踊りたいヤツ”
 を、選んだんです。 

 すると、できた。」

この言葉は、
実生活や仕事でそのまま受け取ると、
間違うことが、多いかもしれない。

でも、「踊りたいヤツ」で、ありたい。

と、僕は思った!!


ミッセイ


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2003-11-28-FRI

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