坊さん。
57番札所24歳住職7転8起の日々。

第117回 仏前結婚式への反響が、すごかった!

ほぼにちは。

ミッセイです。

いやー、びっくりしました。

なにって、
「第113回 仏前結婚式!」
への反響メールです。

ドドドーっと、
たくさんのメールが到着しました。

本当に、ありがとうございます!

「量」も、かなり多いんですが、
それより、なんか、
「熱気」みたいなものを、感じるんですよ。

やっぱり、
結婚式って、
みんなのすごい関心事なんですね。

「結婚式」への、
みんなの感じ方を読んでいると、
いろんな人の
社会とか習俗への、
距離感とか愛情、めんどくささ、
みたいなのが、かなりリアルに感じられて、
たんなる「感想メール」を越えて、
かなり、おもしろかったです。

「人って、いろいろ、いるよなぁ。」

と思いましたよ。

読後感としては、
地下鉄サリン事件の
被害者インタビューを集めた、
村上春樹さんの
『アンダーグラウンド』や、

作家、埴谷雄高(はにやゆたか)さん
について、
いろーんなタイプの27人が語った、
木村俊介さんの(メリーさんです。)
『奇抜の人』
に、なんとなく似た感覚を受けとりました。

なんか、読んでるウチに、
「テーマ」であるはずの事を越えて、
「語っている人、自体」が、
おもしろくなってくるのです。

そして、とても、うれしくなったのが、
若い人を中心とする、
多くの人が、思いのほか、

「仏教って、なんか、大切にしたい。」

って、漠然と(時に、とても明確に)
考えていることです。

もちろん、
ポジティブなイメージを、
感じた人、感じている人が、
中心となって、メールをくれたのは、
理解していますが、
そういう人達の、

「直(じか)の声」

って、実は、なかなか、(いや、ほとんど)
直接、聞くことができないんです。

それこそ、
京都や高野山に何百回、
参拝しても、
受け取ることのできないタイプの、
ストレートな仏教、宗教への感情を、
「結婚式」という話を通じて、
聞くことができました。

ほんっとに、ありがとね。

これからも、じゃんじゃん、
感想、よろしければ、お願いします。

話題が話題だけに、
個人的な内容もあったので、
ハッピーなメールを中心に、
いくつか引用で紹介します。

「それにしても、
 どうして気づかなかったんだろう。
 仏前式。
 中学生の頃から、お坊さんに憧れていたのに。
 尼さんになろうとまで考えてたのに。」


おっ、尼さんになろうと考えていた人。
そういう人って、
やっぱ、仏前にも憧れるんだろうなぁ。

「今日は、ミッセイさんの文を読んだ後に
 あたまがボーッとしちゃいました。
 心臓もドキドキ。
 わたしも結婚式はお寺で挙げたかった!
 1年前に戻れたらな〜。
 中途半端にドレスなんて着ないで、
 ビシっと数珠の交換すればよかったー。」


すごい惚れ込みですね。
“中途半端にドレス”
って、そんな・・・。

「お墓が近くなら、みんなでお墓参りもできますしね。」

ホントだ。そうですね。
いいと思います。

「主人とは籍を入れただけで、
 式は挙げておりません。
 理由は、当時、
 帰依できるお寺さんが見つからなかったからです。」


したくても、
できなかった人もいるんだね。

「お寺での結婚式ですが
 外面かっこつけ、
 人と違う事をちょこっと早くやるのが大好きな
 カッコツケマンな僕は大賛成です。」


いよっ、カッコツケマン!
しかし、同意見、かなり多数でした。
カッコツケマンは仏教が大好き!
ゆけ!カッコツケマンッ!!

次の方は、結婚から離れて、
ご自身の「男性の好きなタイプ」を激白。

「私は坊主(短髪も含めて)が大好きなんです。
 サッカ−の高原選手のような。
 最高です!」


つまり、坊主フェチですね。

「ちなみにおすもうさんの髷も好きですが。 
 まぁあまりこだわりがないのかな?」


話が違うーー、じゃないですか!
しかも、まげって。
もしかして、かなり、こだわってませんか?
トラディショナルなスタイルに。

 話がそれてきましたので ここらで

はい。かなり、それております。

「仏前式はいいと思います!!!!!!!!」

よかった。 

「キリスト教の結婚式は、
 神様と契約
 (私はこの人を死ぬまで伴侶としますを)
 するのですが、
 お寺の場合はどうなんですか?
 先祖代々の人々に認めてもらう
 (この人を伴侶にすることを)
 感じなのでしょうか。
 そのあたりも教えてください。」


次第(しだい)を見たことがないので、
個人として、の考えになりますが、
時間のこもった、
聖なる存在、賢者、聖者、本尊、土着の神様、
に対して、結婚を
「ご報告」するって、
考えるのが自然なんじゃないかな。
それに、ご先祖様も加わるというのが、
僕のイメージです。

「ミッセイさん、ぜひとも広めてください。
 わたしは純白のドレスはこっぱずかしくて
 着れそうもないです。」


こちらも、同意見、多数でした。
結婚年齢が上昇しているのも、
関係してるのでしょうか?

続いては、お坊さんの娘さんも登場!

「うちの父は、以前からいっていますが坊さんです。
 だから、うちの父と母も仏前結婚でした。」


何度か、メールをくださった方です。
どうも、お世話になっております。

「当時の写真をみると、なかなか立派なんですよ。
 しかも、お金があまりかかっていないっていうか、
 なにせ自分のところでやっているから。
 豪華絢爛なのに、
 あまりお金がかからなかったって
 ところがイイみたいです。」


うん、うん、いいじゃないですか。

「私も仏前結婚!それもオヤジにやってもらえば
 もしや凄く安くすむ!?
 などと思っていた私に、父が一言。」


オヤジ!なんか、久しぶり聞きました。
和尚のオヤジが、一体、なにを?

「うち(はバスもよくはいってこれないような山寺)
 のところへ、わざわざ結婚式にくる人は、
 かわいそうだなあ。
 なんか面倒なことになりそうだから、
 お前、絶対に、仏前結婚せずに、
 レストランでパーティー程度で済ませておきなさい


 ガーン・・・。いいっすよ、いいっすよ。
 教会でやってやるっすよ・・・心の中でつぶやきました。」


ピンチですよ、和尚っー!

「そうしたら、
 “あ、寺の娘が教会で結婚式やるっていうのは、
 格好悪いというか、変だからそれもやめろよな“
 すかさず言われてしまいました。
 こうなったら、沖縄とかアジアとか、
 奇抜な挙式を目指します。」


奇抜だったら、いいんですか?
お父さんに、
涙ながらに、お願いしましょう。
“パパが初恋だったから”
ぐらい、言いましょうか、この際。

「坊さんの新郎ってかっこいいです。
 まじで!
 不謹慎ですけど、
 スキンヘッドに極彩色(イメージ)の袈裟。
 キッチュでゴージャスでストイック!
 (不謹慎ですみません)
 なんていうか・・・ いけてます!」


こうちゃん(新郎)、いけてます!
よかったねー。

「善光寺(長野県)で
 実は結婚式が出来るんですよ!
 国宝なのに!」


こちらの情報も多数寄せられました。
宗派は問わないようなので、
気になった方は要チェックです。

「私も自分のときには、
 ぜひぜひお寺であげたいと思いました。
 ただ、問題は、私はとても色黒なので、
 白無垢が似合わないと思うのです。」


かわいいメールですね。
僕は赤ん坊の頃から、色黒ですが、
白無垢が似合うと言われたこともないので、
励ますことはできません。

「憧れの白無垢で、
 これから一生毎年お参りに行くであろう
 神社かお寺で式をしようと
 思っています。」


女の子って、
白無垢に憧れるんだね。
なんか、しみじみします。
そうだね、ずっと行けるもんね。

「仏式で、友人でも近所の人でも、
 呼びたい人を呼べるなら、
 それはとても素敵なことだと思います。
 そこをメインにアピールしてみては、
 いかがでしょうか?」

神前でしたいけど、
友達が呼べないのが・・・、
って、パターン多いみたいですね。
(呼べるところも、あるみたいですが)
同じ指摘が多かったです。
寺院の皆様方も、ぜひ、参考に!

「私たちは仏前結婚式でした。
 京都の知恩院で行いました。」


経験者は語る。
知恩院さんで挙式されたという方、
何人か、いらっしゃいました。

「きっかけは古いところまで
 遡るのですが、
 中学高校と、
 浄土宗系の学校だったことです。
 当時は
“ブッキョーなんてダッセー”
 だったのですが、
 卒業して10年以上も経ってみると、
 心の奥底に
 しっかり仏教的なる
 何かが横たわっていたのです」


あー、今になってわかる、と。
そういうことって、
たくさんあるんでしょうね、みんな。
もちろん僕も。

「満足しましたし、
 今でも“仏前でやったんだよ”って、
 少々自慢げに話すこともしばしばです。」


そうかー、自慢するほど、
よかったんだろうな。

「わたし お寺でしようかな 結婚式。
 そうだ 本堂には 
 昔ひいばあさんが寄贈した
 太鼓もおいてあることだし
 ご先祖様も きっとよろこんでくれる
 そうだ そうしよう。」


決定してしまいましたね、この人は。
女の人は、決めると、早い!

「お寺での結婚式大賛成です!
 わたしはニュージーランドに住んでいて、
 パートナーはニュージーランド人です。
 結婚の予定はありませんが、
 もしそういうことになるのなら、
 お寺での結婚式を一緒に
 楽しんでくれると思います。」


楽しむって、いいですね。
日本人が、教会でやる感覚かな。

「はじめまして、
 雨降りニューヨークから送っています。」


続いて海外からのお便り。

「お寺で結婚式、
 私の知人もやりました。
 ニューヨーク、マンハッタンにあるお寺で
 タイ人の奥さんとアメリカ人の旦那さんでした。

 畳に正座して、指輪交換、
 花嫁にキス、もしてました。」


栄福寺では、キス禁止です。
帰ってしなさい、帰って。

「私の彼も“お坊さん”です。」

そうですか。
ちなみに、僕もそうです。

「これからのお寺は、
 ハッピーが多めであることに賛成です。」


僕もです。
宗教って、
ハッピーを考えることだって、
最近、よく考えます。


と、いうわけで、
ごく一部を、紹介させていただきました。

なんか、
お寺を預かる身としては、
ワクワクするようなメールの連続でした。

“結婚式”に限定した話ではなくて、
伝統的に受け継いだものを、
大切にしながら、
お寺が気楽に、そして時にキリッと、
ハッピーを模索できる場所でありたいなー、
と思いました。

それでは!

3分前に、

「お寺ですか?
 寝れないんですけど、どうしましょう?」


という電話のかかってきた、
深夜0時の栄福寺から、
26歳に今、なった、
弟子、密成がお伝えしました。

ではねい。

ミッセイ

2003-06-29-SUN

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