坊さん。
57番札所24歳住職7転8起の日々。

第109回 坊さんにも、出張。

ほぼにちは。

ミッセイです。

出張で、高野山に行ってきました。

「坊さんに出張って、あるの?」

と思いましたか。

あるんです。

たしか、
東京での「スピリチュアルケアワーカー」の回でも、
“出張”という言葉を使ったような気がしますが、
あれは、僕が個人の意図で、
「講習会」に参加したんだから、
“出張”には、厳密には、ならないですね。

今回は、ホンモノの出張で、
ちゃんと交通費も本山から、支給されました。

で、どういう時に、
出張が発生するの?


と、思うでしょ?

栄福寺の属する「高野山真言宗」では、
各県で、「青年教師会」という、
若い人の会が、あるんです。
(全部の県であるわけでは、ないですが。)

そして、
それの全国組織として、
「高野山真言宗青年教師会」(長いなぁ。)
というのが、あります。

その会の会長に、
今回、徳島県の人が、
四国では初めて選ばれました。
選挙するんですよ、こういう時。

そういう場合、
“事務局”というのを、
何名かで、構成するんです。

今回は、8名の事務局員が、
任命されて、
僕も、その中の一人になったのです。

大概、会長さんと同じ県から、
選ばれるんですが、

「いろんな人の意見を、吸い上げたい。」

という、会長さんの意見から、
お隣の愛媛県の僕にも、
声が掛かりました。

「いろんな、お坊さんに、会えるだろうし、
 なにか、発見があるかも。」


と思い、話をお受けしました。

結構、軽い気持ちで話を受けたのですが、
結団式みたいなのに、
呼ばれたので行ってみたら、
いきなりホテルのパーティー会場で、
金屏風の前に立たされて、
紹介されてしまいました。

そして、その会の1回目の、
「理事会」と「総会」が、
高野山で行われるので、
密成坊に“出張”が、発生したわけです。

高野山に行くのは、
大阪の難波を経由して行くのですが、
朝、早く着きすぎて、
駅前のスターバックスで、
時間をつぶしていたら、
コーヒーをこぼしてしまい、
スーツが「ラテだらけ」に、なってしまいました。

出張中、ずっとミルク臭かったです。

おまけに、隣のスペイン人っぽい、おっちゃんにも、
かけてしまった。

「アイム ソーリー。」

「ドン ウォーリー。」

“プチ駅前留学”ですね。
すいませんでした。
反省しております。

気を取り直して、ブラブラ歩いていたら、
こんな繁華街に「仏壇屋」がありました。
しかも、ちょっと、カジュアルな感じ。

「リビングに仏壇を。」

なんてコピーが、ベタだけど、そそる。

もちろん、入店。

なんか、
「回りの家具に違和感のない仏壇」というのを、
コンセプトにしている仏壇屋さんみたいでした。

これなんか、けっこう、良くないですか?



開けるとこんな感じ。



でも、坊さんの僕も、知らなかったけど、
仏壇って高いんだねぇ。

たしか、これが40万後半ぐらい、したんじゃないかな。
買い換えも少ないだろうから、
単価が高くなるのは、仕方ないんだろうけどね。

でも、ちょっと、びっくり。

「今回、仏壇をお探しですか?」

お店の人から、声が掛かります。

「いえ、僕、坊さんなので、
 檀家さんから、相談を受けることもあるので、
 勉強しに来たんですよ。」


「そうですか!
 なにかの際は、ぜひ、お声をっ。」


コンマ、何秒かで、名刺が用意されました。

結構、楽しんでいたんですが、
“本職”というのが、バレたら、
なんか、居づらくなったので、
退散して祖山、高野山へ。

前泊して、翌日の会に備えます。

宿坊は当然、お寺なのですが、
部屋にプリンターを持ち込んで、
たくさんの坊さんが、
ノートパソコンを並べて、
PCカードスロットルから、
スマートメディアで、
データを受け渡ししている光景は、
なんか、ギャグ漫画みたいでした。

事務局員同士の情報交換とかも、
メーリングリストを使います。

夜、寝る時に、びっくりしたのは、
 
行火(あんか)が、
まだ、現役で使用されていたことです。

行火っていうのは、
笑い袋みたいな箱に、炭火を入れる暖房器具です。



炭を熱して用意するのも、大変だし、
火の管理も、気を使うだろうなぁ。

と、“住職”の僕は思うけど、
宿泊者としての僕は、とても、うれしい。

一人で、ハイな気分になりました。

あったかかった。

事務局員の人達とも、
じっくり話せてよかったです。

「僕、思うんですけどね。
 阪神大震災の時とかに、
 亡くなったのにお経も、
 あげてもらえずに、
 何日もたって、

 “ウチのとうちゃんに、
  簡単なお経だけでも、あげてほしい”

 みたいな方が、結構、いたんじゃないかなって、
 思うんです。

 そういう時に、宗派を越えて、
 死者と死者の家族の為にお経をあげる、
 坊さん達を、組織できないですかね。」


「あー、白川さん、
 それって、
 陣僧(じんそう)みたいな感じですか?」


「すいません。ジンソウってなんですか?」

「中世の戦の時とかに、いたらしいですよ。
 そういう坊さん達。」


「へー、陣僧かぁ。そう、そう、そんな感じです。」

次の日の理事会、総会は、
予算の承認とか、NPOとの協力とか、
いろーんな事を、話し合いました。

坊さんにも、いろんな世界があるんだなぁ。
と、あらためて、思いました。

機関誌を、まったくデザイン会社を、通さずに、
一人でデザインして、データ入稿をしたという、

「伝説の坊さん」

にも、お会いできました。
マックユーザーで、
元ドラマーという、
すごい、おもしろい、お坊さんでした。
(ほぼ日読者だった。)

まだ、まだ、奥が深そうな世界ですよ。
坊さん。


ミッセイ

2003-05-11-SUN

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