坊さん。
57番札所24歳住職7転8起の日々。

第19回 トウバを初めて書きました

ほぼにちは。

密成です。

今日は初めて塔婆(とうば)を書いた時の事を
書こうと思います。

といっても、すごく最近の話です。

トウバって知ってますよね?

法事の時にお坊さんが、持ってくる

木に墨で戒名なんかを書いたアレです。

何を隠そう僕は、字がヘタです。

高校の選択芸術も「美術」でした。
(先生が日本画家で、絵本を作ったり
 U2のビデオクリップを観たり楽しかった!!)

「書道って、芸術(アート)なのに、
 なんで、お手本があんの?」

なーんて、偉そうなことを、ほざいていました。

さすがに、坊さんになって
字を書く機会が多くなるんで
週に1回、書道の先生の個人レッスンを受けています。

始めてみると、なかなか、楽しいです。

じいちゃんは、とても字がうまかったので
檀家さんに、あまりの差にガクゼンとされてはまずい!

と弟子 密成は悩んだんですが、
こればっかりは、悩んで、
字がうまくなるものではありません。

そこで、書道の先生に相談すると

「お手本がある字なら
 白川さん、ある程度きれいに書けるんだから
 うまくなるまで、私がお手本を書いてあげます!」

ああ、先生、ありがとう。助かりました。

「あとね、こういうのも、あるんですよ。」

と、先生が持ってきてくれたのは

「木書液」という木面専用の墨液です。

おぉ、使用用途の一番最初に
「塔婆」って書いてる。

一般の人は「表札」とかに使うみたいです。

けっこう、お坊さんグッズって、豊富にあって
噂によると「副住職」というネーミングの
寺院経営用のパソコンソフトもあるらしいです。

そして
書いて頂いた、戒名のお手本を凝視しながら
一字、一字、ひたすら半紙に練習しました。

ちなみに
塔婆の戒名以外の構成は
お墓の回に書いた梵字
(キャ、カ、ラ、バ、アでしたね。)
を戒名の上に書いて

裏にも梵字で
バン、ハラ、ドボウ、
オンボッケン、シュターン、シリー
って書いて
その下に「南無大師遍照金剛」と
漢字で書きます。
(栄福寺ではね。
 お寺、宗派、地方によって違います。)

ところで
戒名ってなんなの?

って、みんな思うんじゃないかな。

「チクショウ、白川!
 坊さんは付ける名前によって
 お布施が、違うらしいじゃねーか、チクショウ。
 まっ、飲もう!!」

なんて、酔っぱらった友達から
絡まれたことがあります。

戒名ってみんな、すごい興味があるんだよね。

すごく、簡単に言うと

「阿闍梨(あじゃり)から
 仏弟子になった証として授かる名前」です。

だから、僕がお通夜に行くと
(檀家さんが亡くなった時)
剃刀が置いてあって
それを使って、亡くなった人の頭を剃ります。
(観想“かんそ”という“イメージ”でね。
 カミソリは本物がおいてあるけど。)

だから、お坊さんが、葬式の時に
どんな事を、やっているかって、いうと
その人を「仏弟子」にする
儀式を中心にしてるんですよ。

だから
当然といえば、当然ですが
「戒名」は生きていても、授かれますよ。

というか、本来は、そういうものなんだよね。


で、なんとか塔婆も書けました。

2枚書いて、7時30分から11時までかかりました。
(練習いれてね。)

慣れてる人なら
一枚4、5分でサラッと書くんじゃないかな?

まっ
「坊主は一日にして成らず。」

がんばりまっしょい!!

ミッセイ

2002-01-22-TUE

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