自転車思想。
チャリンコは、未来そのものの顔をしている。

第39回 自転車を洗おう!

こんにちは。

今回は予告通り、自転車を洗おう! です。
読者のみなさんの中には、
ヒマさえあれば自転車を磨きまくってる人も、
ぜーんぜん、自転車を手入れしない人もいるでしょう。
僕の場合は、チェーン周りの掃除を週に2回くらい。
雨が降ったら、もう少しマメにやってます。

自転車だろうが何だろうが、
手入れしなければ、ドンドン性能が落ちて行くもの。
そいつは、ちょっと悲しい。
だから、梅雨明けも近くなってきたことだし、
ちょっくら愛車のお掃除してみましょう。
晴れた週末に、冷たい麦茶とラジカセでも用意して、
のんびりとお手入れってわけです。

とはいえ、自転車のメンテナンスは本気でやろうと思うと、
けっこう道具も、時間も、もちろん技術も必要なので、
今回は、そういうのはパス。
それでも、ちょっとしたメンテでけっこう変わるものです。
ポイントは、チェーンと、ギアです。



まずは、汚れてもいい服装に着替えてください。
必要なものは、上の写真の通り。
右から、バケツ・台所用洗剤・真ん中手前がオイル
その後ろがパーツクリーナー・シトラスディグリーザー、
で、手前が小さいタッパと使い古しの歯ブラシ、
そしてウエス用にボロキレです。
あと、手が思いっきり汚れるので気になる人はゴム手袋を。

オイルは、粘り気のあるもの、無いものとあります。
雨の日はほとんど自転車に乗らない、という人だったら、
粘り気のあまりない、サラサラしたオイルがいいでしょう。
自転車屋さんで相談すれば、
いいオイルをみつくろってくれると思います。
パーツクリーナー、これはスゴーク便利で、
こびりついた油や泥を一気に落としてくれます。
でも、有機溶剤の一種なので、
盛大に使うのはちょっと心が痛みます。
だから、シトラスディグリーザーの出番なのです。
オレンジの成分が、油汚れを強力に分解、
水に流せて環境にも優しいし、
何よりオレンジの香りがいい感じです。
これらは、ちょっと専門的な自転車屋さんで売ってますので
この機会に揃えちゃいましょう。
どれもおそらく1000円から1500円くらいです。

「近くにそんな自転車屋さんないわよ〜。」

というアナタ、ご心配なく。
オイルは、金物屋さんで売ってるCRC556でOK。
あと、家に使い残しの灯油はありませんか?
それも、かなり強力な洗浄力を発揮してくれます。
でも、匂いがキツイのと、
洗い終わった後の廃油処理が必要になってきますので、
若干、手間がかかります。



洗う前の僕のチェーン、
細かい砂やホコリがこびりついています。
こうなると、ペダルを踏んだ時少し重い感じがして、
すでに十分、洗い頃です。

チェーンが錆びついちゃってる人いますか?
表面にうっすら錆が浮いてるくらいなら問題なしですが、
全体が錆に覆われてるようだったら、
チェーン自体を交換した方がいいかもしれません。
ま、これも自分でできることの1つなんですが、
ここは無理せず、自転車屋さんにお願いしましょう。



まず、シトラスディグリーザーをタッパに注ぎましょう。
だいたい50ccもあればOKです。
それを水で3〜4倍に薄めた状態が上の写真です。
灯油を使う人は、
100〜150ccくらいをタッパに注いでください。



では、おもむろにチェーンを洗いましょう。
タッパで、汚れた洗浄液を受けつつ、
歯ブラシでゴシゴシゴシゴシ。
力は全く要りません。
いやはや、
恐ろしい勢いで、洗浄液が黒くなっていきますねぇ。



MTBやロードのような、多段ギア付きの自転車の場合、
チェーンを一通り洗い終わったら、後輪の変速機に注目。
”プーリー”と呼ばれる小さいギアが2つ付いています。
ここにも汚れがこびり付いているので、
ウエスに洗浄液を浸して、きれいにしましょう。
ギアをウエスでそっと押さえて、
ゆっくりペダルを逆回転させれば、
手早くキレイにできますよ。



お次は、後輪にたくさん付いてるギアのお掃除です。
これもウエスに洗浄液を浸して、
ギアとギアの間に付いた汚れを落としましょう。
ウエスを少し厚めに折ってギア同士の間に入れると、
ギアの回転を利用して上手く掃除できます。



後ろ、ときたら次は前です。
いったんチェーンを外して、
歯磨きの要領で汚れを落としていきます。
表からだけ見るとキレイでも、
裏側から見ると、けっこう汚れが残ってますので、
両方から覗きこみながらやりましょうね。



チェーン、ギアと一通りキレイにしたら、
ディレイラー、つまり変速機の番です。
ここでパーツクリーナー出動!
複雑な構造になってますので、
隙間からノズルを差し込んで、
手の届かないところを一気にキレイにします。
この時、下にウエスを敷いて、
汚れた洗浄液がタイヤのリム(金属部分)に
付かないように気をつけましょう。



ここまで来たら、いったんすすぎをしましょう。
バケツに水をはって台所用洗剤を適当に溶かしてください。
この石鹸水を使って、
今まで掃除した所を歯ブラシでゴシゴシしましょう。
残った油分やシトラスディグリーザーを落としちゃいます。
上の写真、小さいので見にくいかと思いますが、
最初の方の写真と比べると、
格段にキレイになってます、判りますかねぇ〜。



ブレーキゴム(”シュー”と言います)のカスが、
リムに付いてると、ブレーキ性能が落ちてしまいますので、
ウエスを石鹸水に浸して、
タイヤのリム部分を拭いてあげましょう。
(ママチャリや、ビーチクルーザーの場合は、
 リムを押さえつける形式のブレーキを
 採用してない場合があります。
 その時は、この作業は必要ありません。)

一応、洗浄作業はここで終了ですが、
フレームもキレイにしたい人は、
このままフレームもゴシゴシ磨いちゃってOKです。
ただし、力を入れすぎて傷を付けないよ〜に!



バケツの石鹸水を捨てて、水を汲んできましょう。
これまで洗ってきた部分に付いている石鹸水を、
ザバリ、と流してしまいます。
水ですすぎ終わったら、
自転車全体を3センチくらい持ち上げて落とす、
これを数回繰り返せば、だいたいの水切りができます。
風通しの良いところで、自然乾燥させてあげてください。
お茶や、タバコで一服するのも良し、
キレイな自転車を見ながら、
1人でニヤつくのもまた良しです。



十分乾燥させたら、オイルを差していきましょう。
チェーンの場合は上の写真のように、
ウエスで余計な油が飛び散らないように注意が必要です。
特に、タイヤ周りにオイルが付着すると、
せっかくリムの汚れをとった意味が無くなっちゃいます。

オイルがまんべんなく行き渡ったら、
ウエスのまだ汚れていない部分で、
チェーンを押さえながらペダルを逆に回して、
余分なオイルを拭き取ってください。
これをしっかりしておかないと、
すぐに砂やホコリが付着してしまいます。
チェーンの内側にある丸い部分だけが、
少〜しオイルで湿っているくらいでOKです。
今まで、オイル差しっぱなしで、
チェーンをベトベトにしてた人、
いるんじゃないかなぁ?
(僕も昔、自転車屋さんに怒られました。)

チェーンの注油が終わったら、
変速機の可動部分にもほんの少しオイルを差しましょう。
これも、下にウエスを敷いて
余計なオイルが飛び散らないようにしてください。

これで、自転車お掃除は一通り終了です。
ふぅ〜、慣れないとけっこう大変ですよね。
でもでも、掃除した後自転車に乗ってみてください!
なーんか、違うでしょう?
ペダルをこいだ時の感覚が、スムーズになってるはずです。
自転車が新しかった時の、軽〜い感じを思い出しませんか?
この感覚を覚えちゃうと、
自転車の掃除が楽しくなってきます。

もっともっと掃除&メンテしたくなった?

専門的に説明した本
もたくさん売ってますので、
あとはご自由に!

Ride safe!

2001-07-12-THU

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