自転車思想。
チャリンコは、未来そのものの顔をしている。

第36回
雨と自転車とカフェ


こんにちは。

来た来た来た!
梅雨であります。
今からの1ヶ月間は、ジトジトジメーッとしてて、
自転車乗りには、なんとも辛い季節です。
蒸すから、服は汗でジットリ。
雨が降ってカッパを着たら、さらに状況は悪化。
数時間も走れば、外も中も濡れてしまいます。
でもアジサイがキレイだから許しちゃおう。
って、何のフォローにもなってませんね(笑)。

んー、確かに日本は多湿で雨が多い。
おっしゃー!っと意気込んで自転車に乗っても、
気づいたら雨でビショビショというのもよくある。
それでも、傘差しながら(あぶねー)、
果敢に走ってるツワモノもたくさんいますね。
(余談ですけど、以前読んだ自転車雑誌の記事で、
 とても興味深いものがありました。
 イギリスでは、さまざまなアジア人種の中から、
 日本人を見分けるいい方法があるんですって。
 それは、雨の日に傘さして自転車乗るかどうか。
 どうも、そういうことするのは、
 僕たちだけらしいのです。)

まぁ、傘さしてまで自転車乗っちゃう人も確かにいますが、
なんといっても危ない。
とか言いながら、僕も高校時代は思いっきりやってました。
…、今ここに懺悔。
それに、自転車乗るぞぉ、と気合入れて買った、
いわゆるスポーツバイクには、傘さし運転は似合わない。
圧倒的に似合わないですね。

メッセンジャーとして仕事してる時は、
当然ですが、天気なんて関係ありません。
逆に大雨だと、辛いと同時に不思議な高揚感さえあります。
昨年、東京に100年に1度レベルの豪雨が降って、
クルマもバイクも走れなくなった時なんて、
すれ違うメッセンジャー、みんなゲラゲラ笑ってました。
身動きが取れなくて困っているOLさんたちに、
手を振りながら走ってたメッセンジャーも知ってます。
ま、逆に向こうから「可哀想〜」と言われ、
かえって惨めな思いをしたそうですが(笑)。

でも、普段自転車乗ってる時だったら、
やっぱり僕だって雨に濡れたくはありません。
雨のピークをやり過ごすために、喫茶店に入ったりします。
僕の体はそれでいいんだけど、
自転車は外で濡れっぱなしです。
雨が小止みになり、さあ帰ろうと思い自転車にまたがると、
お尻からジワジワ濡れてきて、何とも不快感。
それでなくっても、雨に濡れれば、鉄でできた部分が、
見事に錆びていきます。これも悲しい。

だから、こういうお店があったらいいなぁ、と思います。
店内に自転車を持ち込める喫茶店、
ちょっと調子に乗ってカフェて呼びましょうか(笑)。
道路に面した1階にあって、担ぐのは辛いから
スロープで自転車を押して入れる構造。
さすがにテーブルにまで持っていくと、
他のお客さんの迷惑ですから、
客席と別個に仕切られた空間に自転車スペース。
スタンドが付いてない自転車でも、
倒れないようにラックがあって、
そこに自転車を置きます。
自転車が新しかったり、
そうでなくてもお気に入りのやつだったら、
ちょっと誇らしい、自慢げな気分です。
もちろん、カフェとしての基本である、
コーヒーのうまさや、落ち着いた雰囲気は絶対必要です。

なんてこと考えてたら、
これはけっこう面白いかも、と1人悦に入っちゃいました。
メリットは雨の日だけじゃありません。
そのカフェにいる間は、自転車を盗まれる心配も無いし、
風に吹かれて自転車が倒れちゃうことも無い。
自転車を大事にしてる人には受けるはずです。
自転車にしろ、何にしろ、
新品のうちは傷1つでも付けたくないですもんね。

それに、繁華街で自転車を安全確実に停められるところって
ありそうでなかなかない。
たいてい、そういうスペースには
すでにたくさん自転車が停められてます。
特に、周囲が住宅地の繁華街、
東京でいうと、吉祥寺や下北沢、
こういうところはホントにやっかいです。

う〜ん、もちろん区なり、市の行政が、
ちゃんと駐輪場作れよ、ってのもあるんですが、
結局、そういうハコは不特定多数で、
匿名な自転車のための空間でしかありません。
それはそれで必要なんだけど、
大切な、“僕”や、”あなた”の、
もしくは、“彼・彼女”の自転車ために、
そんなカフェのような、
ちょっと贅沢な空間があってもいい。
こういうことを想像するのは、とても楽しいことです。
それに、今まで見てきた海外の街でも、
そこまで思いきったお店は見たことがありません。
もしかして、世界初?

うわー、できないかな!?
そんなカフェ。

とりあえず、僕は絶対行く。

Ride safe!

2001-06-26-TUE

BACK
戻る