自転車思想。
チャリンコは、未来そのものの顔をしている。

トウキョウカクメイカ


こんにちは。

前々回の続きですね。
1月中旬、前日までの雨も上がったある夜の午後8時、
日比谷公園の噴水の前で、
僕、yassy、ヤマコーの3人が合流しました。
僕だけ5分くらい遅刻してしまい(いやはや)、
2人はすでに話し込んでいました。

やぁやぁやぁ、という感じで雑談をしながら、
有楽町ガード下の居酒屋に向かいます。
いかにもガード下という感じの
もつ焼き屋さんが何軒もあって、
おいしそうな煙をバンバン上げています。
どの店もけっこうな混み具合で、
スーツ姿のおじさんたちが、
ネクタイを緩めて楽しそうに、
時にはテンション談笑中。
いい感じだねー。

幸いなことに、僕らの目指す居酒屋は空いていました。
お店の前には、マウンテンバイクを改造して、
思いっきりチョッパー状態になった自転車が・・・。
そう、僕はこの自転車を2人に見せたかったのです。
しかし、雨上がりでちょっと寒さが緩んだとはいえ、
やはり寒いことは寒い。
マッドマックスな自転車鑑賞もそこそこに、
そそくさとテーブルについて乾杯をしました。

yassyとヤマコーは初対面。
名刺交換でも始めるのかと思うと、
早速yassyは自転車カフェの資料を取り出しました。
やる気です、この人。
前に彼からもらった、A4判の小冊子ではなくって、
チラシ状になった新たしいバージョンでした。
(内容はここを!)
確かにこの方が、いろんな人に配りやすいですものね。
ヤマコー、ただでさえ飛び出しそうな目を、
さらに広げて見入っています。

「企画はたいてい誉められる」

自転車カフェのことをここで書いた時、
darlingは以前こんなコメントをくれました。
そう、ここからがスタート。
ここから、頭をひねって、
いろんな人たちに興味を持ってもらって、
ようやくアイデアは動き出すものですね。
だから、3人の話し合いも、
自転車カフェそのものより、
それが持つ意味をどう描いていくか、
という方向がメインになってきました。

自転車カフェ自体は、単なる喫茶店の一形態です。
決して自転車乗り専門のカフェではなくって、
何気なく日々自転車に乗って楽しんでいる、
そんな人たちに

「自転車のある生活いいよね」

ということを、もっと感じて欲しい空間だと思っています。

それにプラスして、
”商売になる駐輪場”の1モデルです。
これだけで日本中の駐輪場問題が片付くとは思わないけど、
こういった形である程度収益性が見込めれば、
同じような業態のお店が増えてくる。
そうすれば、政治や行政の問題と別のルートで、
町にあふれる駐輪自転車を
少しでも減らすことができると思うのです。

自分たちが楽しいと思える空間をつくる。
その空間に人が集まり、
人が集まることで、また新しい空間が生まれる。
そして街自体が面白くなっていく。
店舗企画・デザインのプロであるyassyは、
まだまだ駆け出しだった頃に、東京の三宿にある
WEBというクラブの立ち上げ現場を経験してきました。

また、編集者のヤマコーはこんなことを言います。

「おいしそうなにんじんを作る」

自分たちの力だけでは、
自転車にまつわるいろんな問題、
走る空間、停める空間などなどを解決するのは難しい。
難しいから、ついつい「政治」とかの話になってしまう。
それを決して無視する気も無いんですが、
何か違う方法もあるんじゃないかと思うんです。
もっともっと「楽しむ」、とか「デザイン」、とか、
そういう切り口で自転車をめぐる状況を改善してみたい、
甘いかもしれないけど、
まだまだ喜ぶことのできる、「喜び」があって、
デザインされるべき「デザイン」があるはず!

ヤマコーの言う、「にんじん」というのは、
上のような「いろいろ」のことなんじゃないかと思います。

「自転車に乗りましょう」

なんて言わない。
だってもうみんな乗ってるもの。
でも、自転車のある生活をもっと楽しめるような、
自然に自転車で街に出たくなるような、
そんな「にんじん」を作ってみたいんです。

「にんじん」が美味しそうだったら、
馬が走る!
馬が走れば、
風が起きる!

自転車カフェもその「いろいろ」のひとつ。
スゴク素敵なデザインの駐輪スタンドなんかもいいですねぇ。
んー、もちろんそれを『商売になる』レベルで
ちゃんと実践できなくちゃ話になんないし、
面白くもないのは言うまでもありませんけどね。
いやー、ハードル高くて面白そうだなぁ。

とりあえず、
僕たちは、今後知り合うだろう未来の僕らも含めて、
アイデアを出し合いながら
自転車カフェの実現を目指すことにしました。
目標は、2年後。
チーム名は『トウキョウカクメイカ』に決まりました。

Ride Safe!

2002-02-21-THU

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