YOSUI
井上陽水・
ゴールデンバッド対談。

井上陽水のB面は、一筋縄ではいかないぞ。

第14回 “イノウエ more than イトイ”ですから

糸井 井上さんは、つきあいの場を
とっても上手に使ってますよね。
安全で、のんびりできて……みたいな。
「いや、楽しかったです」というような。
井上 (笑)そうだよねぇ……。
糸井 無理してないよね、ぜんぜん。
まずパーティーには出ないよね?
井上 んまあ……たまーには出るよ。
糸井さんは、出ない?
糸井 もし出るとしたら、
よほど用事があるタイプのパーティーですよね。
でも、基本的には出ないです。
たとえば、南伸坊の集まりとかだと、
「居る」って感じで出ますよね。
でも、そういうのは少ないから。
井上陽水のパーティーって、
今までに1回もなかったような気がするけど。
あっ、井上陽水のパーティーはあったわ。
俺、それ、出た。
あれは、面白かった!
“集い”って感じで、楽しかったなあ。
井上 ……役者もよかったし(笑)。
糸井 特に、僕がいたテーブルは楽しかった。
井上 タモリさんがいて、
玉置浩二がいて、
ムッシュがいたんだっけ?
糸井 そうそう、あと、クマさん(笑)。
井上 あと、武満徹さん。
糸井 で、そういうときに、
やっぱり、世に知られてる人って面白いな、
って思い直す機会になりますよね。
それは商品価値にしたら、すごく高いってことが
わかりますよねえ。
みんなが欲しがる……、つまり、
バーキンのバッグが欲しいって言うように、
欲しがるのは当り前だよねえ。
でも、そこは切符がいるんだよねえ。
自分もなにか与えないと、
切符くれないんだよね。
いやぁ、あれは楽しかったなあ。
でも、あんなことは一度しかないよね。
“井上パーティー”ってあれぐらいでしょ?
井上 10年くらい前かなぁ。
いや、もっと前だっけ?
……13年前か。
糸井 13年前!(笑)
あれ、無理やりさせられたんだよね?
井上 そう。
「座ってるだけでいいから」って(笑)。
糸井 でも、やってみたら、
意外と主役にとっても楽しかったでしょ。
井上 そういえばタモリさんて、
「タモリさんを囲む」というパーティーが
あっても不思議はないのに、きれいにない。
糸井 自分ではやらなくても、
呼ばれて行ってたら、無限にあるんだろうね。
井上 そうだろうねえ。
糸井 そうか、そういう部分では、
僕は井上さんと共通しているところがあるなぁ。
井上 ああ、そうだねぇ。
糸井さんは、パーティーとか、
気楽に出てるイメージがあるけどね。
僕なんか、見るからに出ないというか、
レッテル貼ってるんだ、自分に(笑)。
糸井 ひどいときは、10分で帰ったりして……。
その場が楽しくありたいじゃないですか。
で、予感として、楽しくない場合は、
それは相手のせいではないんですよ。
でも、そこに不愉快にいたら、誰に対しても悪いから、
記帳だけして、誰か知りあいを1人見つけて、
「よおっ!」って話しかけて、
俺がいたというアリバイ作っちゃう(笑)。
それで、トイレに行くように帰る。
で、不愉快だったという印象を、
与えないことだけが僕の願い。
「すっごい楽しいかもしれないんだけど、
 あの人はいなくなる人だ」
っていう噂になってればいいんです(笑)。
井上 そういうふうには見えないけどね。
糸井 そーですか。
それはそれで、なんとかしてる感じしますか?
井上 “社会性の糸井”といって、もう……。
糸井 そりゃ、アナタに比べればね(笑)。
“イノウエ more than イトイ”ですから。
井上 ……(笑)。
糸井 だから、僕はいつも言ってますけど、
この組み合わせ(井上&糸井)では
僕はいつもリーダーみたいな役をさせられるんですよ。
でも、別の組み合わせなら
もうちょっと甘えられるんですよ、きっと。
あっ、でもそんなでもないな、
やっぱり、社会性寄りだな。
広告代理店の人がいるときとかね、これ楽。
仕事ですから、って(笑)。
あっ、それはある。
でも、そういうつきあいも
そんなにしてないですからね。

(つづく)

2000-08-19-SAT

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