HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
台湾のまど 青木由香の台湾一人観光局 ほぼ日支所
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馬祖
絵になるワケ。

馬祖の景色の特徴は建物です。
強風と離島で物資の供給の問題もあってか、石造りばかり。
前にも書きましたが、屋根の瓦にも防風対策で
パターンのように重し石が乗っています。


ご丁寧に同じサイズの石です。

きっちり建てられた民家は、
壁の石の積み方で「人」と「丁」の字を表しています。
「丁」は、安定の「定」とか「釘」と同じ発音なので
「人がそこに留まるように」とか、「定住できるように」という
意味が込められているそう。


入口の両脇には、口を開いた二匹の魚のレリーフが施されていて
ガバッと深く開いた口の中から、雨水が出るようになっています。
雨樋(あまどい)もないのに集められた雨水。
それが、分厚い石壁の中に見えないように作られたルートを通って
ピューっと出るとは、
優雅に見える白鳥が水中で足をバタつかせている、
何かそんな苦労がニオイました。

昔の人は手間暇を惜しまなかった。
壁に積まれた石を四角にするのも、一個一個手で作りです。
掃除機のような文明の利器を持っていながら、
さらにルンバを買おうと企んでいる自分はどうなんだ。


ブーゲンビリアが青い海や空をバックに寄り添って咲いているので
地中海のどこかにも見えてしまう。

外壁には、所々もっこり文字で作った漢字のスローガン。
これも戦地任務の名残りです。


中の梁や柱は、皮を向いただけの福州杉の丸太で組んだログハウス風。
中華な漢字とログハウスの洋風の掛け合わせも
色のトーンのせいか、ミスマッチではありません。
シックリしています。
塩バターラーメンみたいなもんです。


閩東建物の民宿もあります。14年前に泊まった所の写真。

そして、屋根が「m」みたいな建物も多い。


こんな感じ。

馬祖にマクドナルドができるとしたら、この壁でやればいい。

実は、これは、封火山牆(フォンホーシャンチャン)と言って
火災時に火が回らないようにした防火壁みたいなもの。
屋根より高く造られた壁の形が「m」の形。 
ルンルンした形もあって何とも可愛らしいのだけど
中国ルーツの自然思想である、
五行思想の木・火・土・金・水からきているそうです。


五行とは、全てのものは5種類の元素からなるという説。
写真は、王さんの手書き説明。おしりみたいなのが水型。
ツンと尖った山は金型。Mは、火で彭湖島でも見られるとか。
土型は学校に使われるとか書いてあるけど、
封火山牆を防火牆と書き間違えているので、信じるにはちょっと怪しい。

この壁を一番よく目にするのは、廟(びょう:寺)。
民家に対して廟が多い馬祖だから
景色は必然的に個性的になる。


石の色が多いから、冬の枯れた草むらも
アンドリュー・ワイエスの絵の世界のよう。

原色の看板がある中華街的な派手なところはありません。
馬祖は、人々がひっそり暮らしてきた島。
変に手が加わってないから絵になるのです。


古い灯台もステキ。

灯台からみた景色。

馬祖インフォ。

各島の建物見学が楽しめるところ。

<南竿>
津沙聚落(津沙集落)

<北竿>
芹壁聚落(芹壁集落)
馬祖の観光宣伝によく使われる写真で
写っているところ。

<莒光>
福正聚落(福正集落)

大浦聚落(大浦集落)
東莒島灯台もしくは、東犬灯台(東莒島燈塔)

<東引>
東湧灯台(東湧燈塔)

もちろん他にもあります。



2018-04-18-WED