9月20日(日)の今日のダーリンより。
・写真家の新井文彦さんと、
「阿寒ネイチャーセンター」の安井さん兄弟に
ガイドされてたのしんできた「キノコ狩り」の旅。
人生の折り返し点をとっくに過ぎてるはずなのに、
生まれたての子どものように、
新しい世界を経験してきました。
「キノコ狩り」という目的があったはずなのですが、
いつのまにか、その意味が変化していたかもしれません。
あとでおいしく食べるために
キノコというものを「狩る」ことよりも、
「紅葉狩り」のように、目で狩るというよろこびが、
想像よりもずっとおもしろかったのです。
むろん、持って帰って食べるためのキノコを、
一所懸命に探すのは、たのしみです。
でも、毒キノコに分類されているキノコや、
毒でもないけれど食べるものじゃないキノコも、
目にはかわいらしいやつらなんです。
そして、キノコが生えている場所の周りの、
苔やら粘菌やら落ち葉やら、
元気な木も、老木も、草も、花も、倒木も、
それぞれに、沈黙のあいさつをしてくれます。
雨が降り、高い木々の上で滴になって落ちてくる。
水滴が地面に近いところの葉を揺らします。
鹿の通り道が、なんとなくできている。
啄木鳥の開けた穴が、大きな樹にいくつもある。
啄木鳥の穴は、モモンガの棲み家になるんだそうです。
ぼくらは足を使って歩いたり、目玉を動かしたり、
あれこれの音を耳で聴いたり、なにかの匂いを嗅いだり、
キノコを触ったりつまんだり、
息をしながらしゃべりながら森ぜんぶを狩ってました。
映画や舞台を観たり、スポーツを観戦するような、
人間の表現を味わうたのしみとはまったく別の、
おもしろさをたっぷり味わってきました。
阿寒は、もうすぐ紅葉らしいです。
ああ、あの景色が赤く色づくのか‥‥。 |