9月19日(土)の今日のダーリンより。

・今日はキノコ狩りというよりは、
ガイドとの森歩きでした。
五感すべてを目覚めさせるような時間は、
こういう場所で得られるものなんだなぁ。
日が落ちる前に宿に戻って露天の温泉につかる。
なんじゃこの贅沢は。

ガイドをやってくれるのは
「阿寒ネイチャーセンター」の安井さん兄弟と、
昨年知りあいになった写真家の新井文彦さん。
この人たちが、実にね、
自然というものの見せ方がうまいんです。
おしつけがましくなく、古代からそこにある森と、
東京から飛行機でやってきたばかりのぼくらを、
一体化させてしまうんです。
「すばらしいでしょう」なんてひと言も言わないのに、
森をぼくらに呼吸させる。
そして、たぶん森にぼくらを紹介するんでしょうね。

目的はいちおうキノコ狩りなんだけれど、
キノコよりもいいものを、まず見つけてしまった。
そんな気分なんです。
川にかかる小さな橋の眺めに、
どういうわけか、ぼくは涙をにじませてしまったもの。
キノコは、たくさん見たけれど、まずは見ただけ。
採ったり食べたりは明日の予定になってます。

宿にもどって、温泉につかって、
いまはひとりの部屋で、これを書いてます。
いい気持ちで眠くなってます。

・なんでもないトドマツの葉っぱを、
ちょっとつぶして匂いをかぐと、
深い安心感のある香りが、肺の奥まで届きます。
人間の生活のなかで利用されてるハーブって、
極小の森を持ち込んだってことなのかもね。
そんなことも思って、
しばらく指先の匂いをかいでいました。