第38回　味写を集めよう！ 〜出張編・ゲストしまおまほさんの巻〜 全国の味写ファンの諸君！　こにゃにゃちわ！ 私がベストジャージニストの味の素博士です！ さて、今週は忘れた頃に（もしくは愛‥‥しりそめし頃） やってくる特別企画、出張味写編じゃ！ 深夜のコンビニで思い立ち、 そのまま盗んだバイク（白バイ）で駆けつけたのは 世田谷某所。 実はここにも味にはうるさい、 ワシのお友達が生息しておる。 玄関前でデタラメなお経を唱えあげること３時間、 突然の訪問に木刀片手にお出迎えしてくれたのは、 永遠の魁！オリーブ少女しまおまほちゃんじゃ！ しまお なによ！ こんな夜中に‥‥アナタは‥‥？ 博士 ワシじゃよ‥‥ あの時の貧しい僧じゃよ‥‥ しまお え！？　あの時の？ ということは アッコさんの誕生日パーティーであった？ 博士 じゃなくて‥‥ しまお じゃあ、 西田ひかるさんの誕生日パーティー？ 博士 いや、そうじゃなくて‥‥ しまお じゃあ、 誰の誕生日パーティーよ！ 博士 なんで芸能人の誕生会に毎回、 貧しい僧が出席するんじゃ！ しまお 知らないわよ！　教えてよ！ 芸能界における 貧しい僧のポジションってヤツを！？ 博士 逆ギレかい！ ワシじゃよ！ プレハブ住まいの味写研究家！ しまお なんだ。博士か。 あまりの貧乏臭さに信じちゃったじゃん。 博士 うっ‥‥ 貧乏人は冗談も言えんのか。 しまお ところで今日はナニ用よ。 博士 おぬしの‥‥ おぬしの味写が見たいんじゃ。 しまお そんな理由でこんな時間に‥‥？ 博士 深夜に若い女性の、スナップ写真をながめるのが 貧しい僧の生き甲斐なんじゃ。 しまお とんでもない変態ね。 博士 後生じゃ‥‥ しまお もう！ また玄関先でお経唱えられても困るから、 見せてあげるわよ！ 博士 かたじけない‥‥ しまお じゃあ、となりの牛舎で待ってて。 いま持ってくるから。 博士 牛舎か。 いや、なにも言うまい。 しまおさんの味写No.001「父と（その１）」 ▲写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。▲ 博士 ほう！ これはまたなんとも愛くるしい！ しまお ２、３歳の頃かしら？ となりはお父さん。 博士 お父さんというと、 あの写真家の？ ※しまおさんのご両親、 島尾伸三さん、潮田登久子さんは プロの写真家であります。 中国の庶民の生活を精力的に撮った作品は 高く評価されており、 また幼い頃のしまおさんをモデルにした 作品集「まほちゃん」は出色の家族写真集として、 こちらも各方面で絶賛されております。 しまお うん。 私はキャビアをほじってる。 博士 鼻クソではなくて？ しまお あの味はキャビアだったわ。 可愛い女の子の鼻からはキャビアが採れるのよ。 ウフフ。 博士 あの味って‥‥じゃあ食べてたのか。 この写真は？ しまおさんの味写No.002「父と（その２）」 ▲写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。▲ しまお その２０年後よ。 お父さんに注目して。 博士 わっ！ 可愛くなってる！ しまお 不思議よね。 娘の成長にともなって父が可愛さを増していく。 これぞ「可愛さ不変の法則」よ！ 博士 なるほど。 娘は成長するにつれ女性らしさは増すものの、 その分子供の可愛さは失われていく。 そしてその可愛さは親が引き受ける。 こうして家族内の 可愛さの量は 常に一定に保たれるというワケか‥‥ って。なんだそりゃ！ しまお この先、お父さんが どこまで可愛くなってしまうのか。 不安だわ。 じゃあコレはどうかしら？ しまおさんの味写No.003「母と」 ▲写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。▲ 博士 こっちはしまおさんが可愛い！ しまお この頃のお母さんには申し訳なく思ってるの。 私が家庭内の可愛さを独り占めした分 お母さんは‥‥ 博士 ええと、口に出すのは忍びないが、 可愛さという面から見ると残念な結果じゃな。 しまお 見てよ、このヘアースタイル。 アフロパーマのてっぺんが潰れてちゃって。 博士 スヌーピーが昼寝できそうな カタチじゃ。 しまお 現在は可愛さを分かち合ってるから、 お母さんもプリティよ。 博士 では、ひと通り 島尾家の人としくみを紹介したところで、 次はしまおさんの青春にスポットを当てるぞい！ しまおさんの味写No.004「シエー！」 ▲写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。▲ 博士 この、お調子モノ！ しまお 小学生時代の私って超目立ちたがり屋だったの。 通学は毎朝アリナミンＶのロケットだったし、 お昼休みはいつもアルタ前だったもん。 博士 見事なはっちゃけぶりじゃな！ しまお 中学生の頃は、 岸谷五朗の熱烈なファンだったわ。 博士 そりゃまたシブい。 しまお 岸谷五朗のレディオ番組 「東京レディオクラブ」が最高だったの！ 博士 中学生とＡＭラジオか。 切り離せん関係じゃな！ しまお ラジオじゃないわよ！　レディオよ！ あの頃の私は ＡＭレディオがすべてだったのよ！ 博士 そんなに怒鳴らんでも‥‥ じゃあ投稿なんかも熱心に？ しまお 番組にハガキ送るだけじゃモノ足りないじゃない？ 米俵に冷凍マグロ、拾った軍手に エアコンの室外機。 思いつくモノはなんだって送ったわ。 博士 また、そんな大暴れを‥‥ しまお そして遂に日本にはいられなくなったの！ ていうか、私に日本は狭すぎたのね。 この頃から毎年夏は イギリスへホームステイに行ってたのよ。 しまおさんの味写No.005「真剣な眼差し」 ▲写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。▲ しまお イギリスに向かう直前の、 空港で撮った写真よ。 博士 写真中央がしまおさんじゃな。 なんて真剣な眼差しなんじゃ。 しまお 頭が山水画のオジサンが、引率の玉山さん。 お世話になりました。 博士 こっちの写真も、 また食い入るような視線で‥‥ しまお 空港での説明会にこれほど全力で臨んだのは、 私がはじめてだったんじゃない？ 博士 出発前からこの意気込み！ どの角度からも本気度百パーセントじゃな。 しまお でもこの気負いが イギリスで悲しい結果を呼ぶことになるのよ。 博士 その悲しい結果が、 この写真たちじゃ！ 博士 ゼ〜ンブ、 指入りっ！！ しまお 帰国後、現像して驚いたわ。 私の海外デビューは このボヤけた肌色で台無しよ！ 博士 親はプロの写真家なのに‥‥ しまお 言いわけさせて！ 写ルンですってはじめてだったの！ 覗いた穴から見える画面が そのまま写るって信じてたの！ 博士 しかしこれではせっかくの思い出が。 しまお この写真のせいで、 イギリスでは目ヤニをとっていた思い出しか 残ってないの。 博士 地味はメモリーじゃな。 そしてお次は高校生時代。 しまお ええ。 まほちゃん暗黒時代の始まりよ。 しまおさんの味写No.006「目覚め」 ▲写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。▲ 博士 こ、これも‥‥ まほちゃん？！ しまお 幼い頃の私と見比べて。 女の人生ってけして平坦なものじゃないのよ。 博士 いったいナニがあったんじゃ？ ひょっとしてあの指入り事件が尾を引いて？ しまお まさか。その程度で落ち込む まほちゃんじゃないわよ。 私がこうして女としての影を身につけたのも、 ある出会いがきっかけだったのよ。 博士 意味深発言じゃな‥‥ して、その出会いとは？ しまお 電気グルーヴの オールナイトニッポンよ。 博士 結局ラジオかい！ しまお レディオだって言ってるでしょ！ パーソナリティの石野卓球さんが言ってた 「身の程を知れ！」ってコトバに感化されて、 すっかりおとなしくなっちゃったの。 博士 多感じゃのお。 しまお いま思えば そういうタイミングだったのかも知れない。 きっかけだったのね。 若い頃の揺り戻しというか、 アレを境にひと足遅れの思春期に突入したのかも。 博士 遅咲きガールというヤツじゃな。 でもいまは復活したんじゃろ？ しまお モチのロンよ！ 現在はまほちゃん第二次黄金期の真っ只中よ！ 見てよ。この元気そうな顔を！ しまおさんの味写No.007「白目」 ▲写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。▲ 博士 わっ！ 目が開いてる！ しまお 元気でしょ。 博士 どこ辺りを根拠に これを元気と‥‥？ しまお 寝てるのに、 目を開けてるのよ。 博士 つまり、いまのまほちゃんには 寝る時間も惜しいと。 しまお そうよ！ 睡眠なんかで、 いちいち目を閉じていられないわよ。 恋に仕事に反戦運動！ 女の子にはやることいっぱいあるんだから！ 博士 うん。 ではそれだけ現在のまほちゃんは 心身共に充実しとるワケじゃな。 しまお うふふ。そういうこと。 アラ？ 博士 なんじゃ？ しまお 牛舎の窓から、 光が‥‥ 博士 おお、もう朝か。 若さあふれる味写の数々に、 時間のたつのも忘れてしまったわい。 満腹じゃ。 今宵はありがたく拝見しましたぞ。 しまお どういたしまして。 じゃあ、さっそく牛舎の掃除始めるわよ！ 博士 いまからかい！ ‥‥う〜ん。元気じゃのお。 さて、今回の出張味写はいかがじゃったかな？ このあとワシは牛舎の掃除に乳搾り、 突然産気づいた牛の出産を手伝ったりと、 田中義剛ばりの充実したいち日を過ごしたぞい。 初の女性ゲストしまおさんは そのキュートな素顔に関わらず、 禁断のブス顔ショットを公開してくれたり、 まさにガチンコ！真剣勝負で取材に協力してくれました。 海より深く感謝じゃぞい。 それでは諸君！ 来週も味な世界でお会いしましょうぞ！ まいうー！ しまおまほ（漫画家） 1978年10月14日東京・お茶の水生まれ。 多摩美術大学芸術学部映像・演劇学科卒。 高校２年の夏、 授業中に配られたプリントの裏に描いた 『女子高生ゴリコ』が学校で話題となり、 表紙を付けた４巻のコピー本を製作。 これが都内の少女達に口コミで広がり反響を呼び、 1997年には扶桑社より出版される。 以後、雑誌『Ｈ』、『猫の手帖』、 『リンカラン』等で活躍中。 著書に『タビリオン』 （ブルース・インターアクションズ）、 『ぼんやり小町』（ソニー・マガジンズ）、 『しまおまほのひとりオリーブ調査隊』 （プチグラパブリッシング）。 2005-10-02-SUN

もどる