TKR
高阪TK剛、じぶんレポート。

----------ROUND.26----------
サラバキャピタルヒル



みなさん、こんにちわ。
大変御無沙汰してました。
って、毎度の事ですね。

自分がシアトルに引っ越して
もうすぐ3年がたとうとしています。
そこで、自分はある決心をしました。
まー、結論から言ってしまうと、
日本に帰る事にしたんですよ。
本当の本音を言うと、シアトルにはまだいたいし、
まだまだアメリカでガシガシやっても行きたい。
でも、この辺でもう1回
自分自身をかき回す必要があると思ったんです。

アメリカでの生活はここにきて
だいぶ充実してきてました。
モ-リス.ジムでの練習、AMCでの練習、
そして他の州にあるジムや道場、選手との交流。
おかげで、自分はアメリカのどこに行っても練習できるし、
不自由する事はなくなってきていました。
でも、そうこうしているうちに、
ある疑問が自分の頭の中をよぎる様になったのです。
「オレはこのままアメリカ人になろうとしているのか?」

自分がアメリカに来たのはアメリカに勝つ為なのです。
だから、たとえばジムでのスパ-リングにしても、
「オレが今まで日本でやってきた事を考えたら、
 オマエらなんかに絶対負けるわけがない。」
という気持ちを絶えず持ってやってきていました。
ところが、そうですねー、
おととしの11月にUFC.Jで
ペドロと試合した時くらいからですかね。
いろんなアメリカ人ファイターやプロモーター、
そして自分のまわりにいた
アメリカ人達が徐々に自分に無償で力を貸してくれたり、
励ましてくれたりする様になってきていたのです。
ただ、この時の自分はと言えば、
試合に対する考えがものすごく不安定で、
モチベーションも上がり切らない状態でした。
で、試合には負け、
そしてその翌月にあったリングスKOKトーナメントも
全く良い所なく終わってしまいました。
その後、怪我の為半年間リハビリ生活を送っていたのは、
承知の通りです。

その後、試合のやり方にも手を入れ、
やりにくい思いをしながら試合をしたりするなど、
自分自身かなり危ないかけを試合の中でやってきました。
そして、そのおかげでポロポロとですが、
新たな戦略も体に刻む事ができてきていました。
ただ、そうした中で、
この時は全くわかっていませんでしたが、
自分自身他人に対して甘えが出て来ていたんです。
そう、自分自身の事ばかり考えていたので、
いろんな人が自分に歩み寄って来ていた事に
気が付かなかったんです。

自分が今まで格闘技をやってこれたのは
「今に見てろよ」と言う気持ちが
いつも根本にあったからです。
それが、ある程度アメリカでも名前を覚えられ、
「TK、TK」と呼ばれているうちに、
そう言う気持ちが薄れて来ていたのでしょう。
なんでしょうか、
こう、ギラギラしたものが無くなって来ていたのです。
本気で格闘技を続けて行く以上、
常に自分に厳しくなくてはいけません。
常に”攻撃の気持ち”を持ち続けなければいけないんです。

このままではダメです。
どうにかしないとただの1ファイターになってしまう。
そこで出た答えが、できるだけ大きな変化を
もう1度自分自身に与えて
リスタートしてやろうというものだったわけです。

日本に帰る理由はもう1つあります。
それは、自分の理想の
”格闘技をする場所”を作っていく為です。
これも結論からいってしまうと
今秋オ-プン予定のケビンさんのジムの中に
”格闘技をする場所”を設けてもらう事に

なったので、自分はそこで教室をやったり、
集まってくれたみんなとゴロゴロ
(寝技の事ですよ。ちなみに英語では”Roll”と言います)
したりしたいと思っています。
ちなみに、自分の理想の場所と言うのは、
格闘技って言うのは自分みたいに
本気の本気でやっている人もいれば、
本気で大好きでやりたい(やっている)人もいるだろうし、
本気で興味があってやりたい人もいるだろうし、
本気で誰かをブッ倒したくてやりたい人もいるだろうし、
と言う様ないろんな本気があると思うんですよ。
そんな人達が同じ場所でゴロゴロしたり、
ダベったり、研究したり、一緒に喜んだり、
励ましあったりする事ができ

たらいいじゃないですか。
それが自分の理想の場所なんです。

これは、本当は将来アメリカやろうと思ってたんですけど、
アメリカでやるよりも日本でやる事の方が
意味があると思う様になったので、そうする事にしました。
と、言うのも、アメリカにはすでにあるんです。
と言うか、殆どのアメリカのジムは
自然とそう言う風になってしまうんですよね。
で、そう言う中からとてつもなく強い選手が育ったり、
普通思い浮かばない様なテクニックが
ポコッて生まれたりしてるんです。
実際、今表には出て来ていないけど、
とんでもなく強い選手がアメリカにはいくらでもいます。
でも、そう言う選手の殆どは、
ただ面白いから練習にきてるだけなんだとか、
健康になるからやってるんだとか言って
別に試合をやるわけでもなく、
ひっそりと生活してるんですよ。
自分はこう言う現実をいっぱい見て来ました。
だから、それが日本でできたらええなーって
思う様になったんです。

とまー、そう言うわけで、
自分は今年の10月頃には完全帰国して、
新たな生活を始めます。
ただ、日本に帰って来ても、
もちろんアメリカにはこれからも挑戦し続けます。
それも、これからは
いろんな意味での挑戦になるんでしょうけどね。
とにかくがんばりますんで、
これを読んでるみなさんもよかったら
その”場所”にも足を運んでみて下さい。

それでわ。

2001-08-11-SAT

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