TKR
高阪TK剛、じぶんレポート。

----------ROUND.22----------
12月22日の試合に向けて(2)
練習のテーマは“筋持久力”


註)太い文字の部分は、本文の下に、
  TK自身による解説があります。

こんにちわ。
先週は、良い感じで練習ができている、
という話をしましたが、
今週も思いのほかうまく乗り切る事ができました。
では、その話をする前に、
今どんな感じで練習をやっているかを
まず説明しましょう。

今回は“筋持久力”というのをテーマにして
練習をやっています。
これはつまり、筋肉がある程度の仕事量を
長く続けるための力という事なのですが、
これは組み技(特に寝技)には
絶対必要なものです。
特に今回のようなルールのトーナメントにおいては、
はっきり言って“筋持久力”がなければ
勝ち上がって行く事はできないでしょう。

それに、現在のようにある程度、
技のハウ・トゥーができあがっている状況の中で、
1発出した技で勝負が決まるという事も、
もうありえません。
だから、自分の持っている技を、
次々につなげて行く事ができるように
しておかないといけないのです。
しかも、その1つ1つがある程度完成されたものでなければ
相手を倒す事などできませんから、その為にも根本的に
筋肉本体の持久力を高めるという事が
自分には必要だと思ったのです。

ただ、もちろん試合にはスピードも必要ですから、
それも随時確認をしながらやらなければいけません。
だから今回の練習は、持久系がメインで
スピード系は維持のみという感じでやっているのです。

では、具体的にどういう事をやっているのかと言うと、
ランはハイスピード・スプリントや
プライオ・メトリクスなどといった事は今回はせず、
普通のトレッド・ミルで、ある程度速い回転数を
長時間走り続けるというような事をしています。

ウェイト・トレーニングでは、
これも、ヘビー・ウェイトで低回数のセットは
いっさい組まず、ミドル・ウェイトで高回数、
しかもこれらをスーパー・セット
(2つの種目を休まずに行なう事)でやるようにしました。

そしてスピードですが、
これはサーキット・トレーニングを使って
体の反応や動きのスピードを落とさないようにしています。

スパーリングはいつもと同じようにやりますが、
立ち技にしても、寝技にしても、
できるだけ連続技を意識して使うようにしてみました。
先週話した“良い感じで練習できている”というのは、
これらが総合的にうまくかみ合ってくれている
という事なのです。

さて、それでは、先週の最後に
「今週はドヨドヨしてくる時期」と言いましたが、
それはどういう事なんでしょうか?

2週目というのは大体、1週目にやれていた事に対して
躊躇する気持ちが出てきたりして、
どれが本当に正しいのか
分からなくなってしまう時期なんです。

例えば、タックルからガードをパスして押さえ込んで
相手が逃げた逆の方向にまわって十字
という動き
が、ものすごくスムーズにいってたのに、
練習を重ねているうちに、同じようなシチュエーションが
何回もでてきてしまうため、
押さえ込まずに足関を取りにいった方が、
実はいいんじゃないか、とか、
押さえ込んだまま肩固めにいった方が
無難なんじゃないか、などというような事を
動きながら考えてしまうのです。

そういう事が始まると、当然
切り替えのスピードが遅くなり、
今いちパリッとしなくなってしまいます。
ところが、今回はそれがありませんでした。
というか、先週、頭と体がちゃんとつながっている、
というような事を言いましたが、
つまりはそういう事で、体が
「おいしそうなところ」と「まずそうなところ」を
しっかり見分けて動いてくれているらしく、
全く同じような場面でも、ほんのわずかな違いに
体が反応して対応してくれていました。
だから、結果的にはまた“良い練習”が
今週もできたのです。

ただし、体に蓄積している疲労や細かい怪我などは、
正直ギリギリの所です。
これを来週も集中力を維持しながら乗り切れるかどうかで、
試合のできは左右されます。
でも、自分は絶対に来週もやり通しますから、
また来週ここで会いましょう。

高阪“TK”剛


TK解説

プライオ・メトリクス
簡単に言うと瞬発力をつけるためのトレーニング方法で、
1瞬で100%の力を出し切るような事をします。
例えば、ジャンプして着地したと同時に、
またできるだけ早くジャンプしたり、などという感じ。

トレッド・ミル
いわゆるランニングマシ-ン。

サーキット・トレーニング
何種目かのエクササイズを、間に休憩を入れずに
できるだけ速く連続させて行なうトレーニング方法。

タックルからガードをパスして押さえ込んで
相手が逃げた逆の方向にまわって十字という動き


タックルからガードをパスして押さえ込んで

相手を倒しただけだと、相手は足を
こっちの胴や足に絡み付けて
なんとか完全に押さえ込まれないように
しようとしますから、それを自分の手や肘や膝を使って
ほどいて押さえ込みに行きます。
“パス・ガード”とも言います。

逃げた逆の方向にまわって十字

相手を押さえ込むと(この場合マウント・ポジション、
柔道で言う縦四方固め。相手に完全にまたがった状態から
上半身を制する)、相手はそこから逃げようとして、
体を反転させます。すると、例えば、
相手が体を右にひねると左腕が上に浮くので、
さっきの状態から体を相手の上半身の方までずり上げて、
ちょうど座ったまま“左向け左”をするように
体を入れ替えて、腕ひしぎ十字固を極める。

足関
足関節の事。柔道などでは、関節技の事を略して
関と言います。

肩固め
先程の説明にあった“マウント”の状態から、
右腕で相手の首をかかえ、
左腕の上腕二頭筋のあたりを掴み、
そして自分の頭の右側を使って
相手の右腕を相手自身の首に巻き付けるような形にさせて
絞める技。
“固め”となってますが、極め技ではなく、
締め技の1つです。

2000-12-15-FRI

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