MAEDA
高阪TK剛、じぶんレポート。

----------ROUND.19----------
体のしくみ その2


と、いう訳で少し脱線してしまいましたが、
また本題に戻りたいと思います。

前回の”体のしくみ”では、
今回の怪我の原因についてはなしましたが、
結果的にはそのせいで4月に入るまでの約4ヶ月間、
練習らしい練習はほとんど
なにもできなくなってしまいました。
そうなると自分の体はどうなるか。
簡単にいうと、普通の人以下になってしまいました。

自分達ファイタ-はたった2、30分の試合のために
3週間から5週間の時間を練習の為に費やします。
そして、たとえそれが終わって
ダメ-ジを回復させるために休んでいても、
しばらくするとまた体がムズムズし出すんです。
いわゆる(練習に対する)禁断症状ですね。
で、自分の場合それはオフに入ってから
1週間以内に必ずやって来ます。
今回もそうでした。
ところが、いつもならここで体を動かして
少し楽になるのですが、今回はそうはいきません。
何をやっても痛みによるストレスが生じるからです。
なので、中途半端にやるくらいならと思い、
一切のトレ-ニングを今回中止していました。

自分は22才頃から現在の様な形で
トレ-ニングをやり始めたのですが、
その頃から考えても10日以上何もしないで
いられたという事はなかった。
それぐらい自分は”トレ-ニング中毒”に
かかっていたのです。
ところが今回その中毒を解消するための
トレ-ニングができない。
それはもう、はっきりいってジャンキ-状態でしたね。

何をやろうとしても集中できない。
夜眠れない。
頭がボ-ッとして物忘れが激しい。
わけもなくイライラするなど、
とにかく今までに味わった事のない感情が出てきました。
ただ、それはそれで自分は「こんな風になるんや」って
楽しんでいたんでいいんですけど、問題はその後です。
身体が思う様に反応してくれなくなってしまったのです。
体力が落ちたとかそう言うんじゃないんです。
そんなものは予測済みですから。
なんていうんでしょう、
鈍くなったとでもいうのでしょうか。
何をやってももう1歩届かなくなってしまったのです。
これは説明するの難しいですね。
例えば車に乗ろうとして
ドアの取っ手を握ったつもりだったのに、
もうちょっと距離が足りなかったとか、
そういう事がしょっちゅうおこる様になったのですよ。
リズムが狂ってしまうんです。
これにはまいりましたね。
もしこのまま試合をやったりしたら、
なんて思うとぞっとしました。
前に”スピ-ドは自信から来て、自信は身体から来る”
って言う話をしましたが、距離感っていうものも
やっぱり身体のどこかでコントロ-ルしているんだなって
今回思いました。
つまり、自分が気付いていないだけで、
トレ-ニングを積んで行ってる間にそういうものも
自然と標準が合う様になっていたんですね。
これは新しい発見でした。

そして今、復帰戦に向けて
やっと練習を開始する事ができる様になりました。
今回、失くしてみて初めてわかるものを
いくつか手に入れる事ができたので、
そういうものも念頭に入れてやっています。
だから、今までと同じ事をやっていても
感触がすごく新鮮なんです。
おもしろいですね。
なので、今度の試合も楽しんでやってこようと思ってます。
またよかったら応援しててください。
それでわ。

2000-06-18-SUN

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