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最新の記事 2006/04/04
 
 
どこに住んでいても、
どんな仕事をしていても、
毎日の食事は楽しみのひとつですよね。
さて、南極の食卓には
どのようなものが上るのでしょうか?


土曜日はカレーの日。

南極観測隊の食事は
二人の調理担当の隊員が
毎日、36人分の料理を作ります。
冷凍品、冷蔵品を上手に使い、
隊員たちの食欲を満たしてくれます。

調理師の一人は和食専門です。
もう一人は茶懐石にはじまり、
イタリアン、フレンチの経験の持ち主。
この経歴を見ただけでもわかると思いますが
おいしい料理が出てきます。

二人とも自分の専門にとらわれず、
和洋中、毎日、何でも作ってくれます。
越冬が始まってほぼ二ヶ月ですが、
同じメニューはまだありません。
時には「何か食べたいものある?」
と声を掛けてくれて、
リクエストをすると数日後には食卓に上がります。

快適な基地とは言っても、
外食するわけでもなく、
どこかに遊びに行くことはめったにないので、
毎日メニューの変わる食事は
大きな楽しみのひとつですね。


ある日の夕食。管理棟の三階にある食堂です。

なにしろ本職の人が作りますから、
本当においしくて
毎日満腹状態で周りを見ると、
私もそうですが‥‥、
なんとなく
一回り大きくなっているように思います。

そんなある日の夕食後、
ある隊員があまりにもおいしくて
お腹一杯に食べたあと、
調理の人に
「どうしてくれるんじゃ、
 こんなに腹、出てしもうたがな!」と
お腹をたたきながら切々と訴えてました。

節制しようにも料理を目の前にすると
自制心がなくなります。

また、食材の調理方法は
バラエティに富んでいますが、
メニューにもひと工夫があります。

こちらの日々の仕事は
天候によって左右され、
「あれ? 今日は何曜日だっけ?」
といった会話が聞かれるほど
曜日の感覚がなくなってきます。

そこでメニューのひと工夫が
生きてくるのです。

土曜日の昼はカレーです。
そうすると、週末だなぁ、
と一週間が終わることを実感します。

でもたまたま平日の昼食に
ハヤシライスだったりすると、
「今日は土曜日だったっけ?」
とわけのわからない会話になりますが、
それもまた時にはいいでしょう。


調理が始まる前の静かな厨房です。

2006年4月1日
-20.2℃
晴れ。凛とした朝でした。

昭和基地 斎藤健

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「ほぼ日」にカレー部があるように、
南極でもカレーは存在感を
かもし出しているんですね。
食堂の写真も、
なんだか見覚えがあるような‥‥。

南極でおきていることは
私たちのふだんの生活と
そんなに変わらないのかもしれません。
南極の話を読んで、
ふと感じたことや、浮かんだ質問は
件名を「南極観測隊斎藤さんへ」として
postman@1101.comまで
ぜひメールにてお寄せください。
斎藤さんは、みなさんからのメールを、
いつもとっても喜んでくださっているんですよ。

南極観測について、
さらに知りたいという方は
こちらの「極地研究所」のホームページ
ぜひご覧ください。
 
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