OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.25
- tax oriented standards -


ぼんじゅーる。さば?

というわけで、今日はヨーロピアーンの香りでいきます。

おしゃれで奇抜なおフランスが、やっぱり情報技術政策でも
おもしろい動きをしている、という話。

「官公庁のサービスで用いるソフトウェアは
 Free Softwareに限るとの大胆な法案」
(注1)
を提出したっていうんです。

これはどういうことかというと
「フランスの政府とか地方自治体のような公的機関とかでは、
 そのサービス等において、ソースが公開されて、
 かつ改変自由な、Free Software しか使用してはいけません」
という法律を作ろうという動きなんです。

これはちょっとすごいコトです!

フランス第1球を投げましたっ!という感じよ、もう。

「大企業の既得権養護を阻止しまっせ。
 税金をかけてつくったもの(国の研究によって作った
 ソフトウエア等)は公開すべきでしょう、もちろん。
 そーしないソフトは使わないよ。
 改変も自由とします。あたしにだって儲けさせて!
 せめて、チャンスをちょうだい!
 だって税金払ってんだから、当然でしょう?」
そんな声が聞こえる大胆な提案。

こちらの国の自治体でもひとつありましたよね。
「銀行さんにばっかりなぜ税金を投入するのよ。
 小さいとこも困ってるのよ。お金貸してくださいよー。
 だから、銀行さん、税金もっと払ってくださいよー」
(なんかあたし最近、しりあがり寿さん化しちゃうのね。
それを踏まえて読んでいただくと、ムードでるかも。)
という声を含む提案。サポーター多し。

だって税金の行方って気になる。いや、気にすべき、よね。
納税者なんだから。いっぱい払えないけど、
けっこうとられると苦しいんだから。
今月も赤字。とほほ。(関係ないか)

ここで、とつぜん、天の声。
え? 君の解説じゃわからない?
誰、だれ、あなた?

あらららら。
とりあえず、マイク渡します。

フランスも日本同様、コンピュータは
アメリカに牛耳られているんだって。

ソフトウエアもアメリカ系の会社が作っているものが
多いんだけど、ソフトって作った後も、改良とか拡張とか
メンテにけっこうお金かかっていい商売になるわけよ。

最初に作った会社が著作権を抱え込んで、ソースプログラムを
公開しないから、その会社がずう〜っとうまいシルを
吸っちゃって、新しい会社は途中からそのサービスを
受注しようとしてもできないわけだ。

今回のフランスの提案は、公共サービスに限るわけだけど
この“ソースの公開”が改変を自由にして、新しい会社も
サービス商売へ食い込めるようにしたいわけさ。

多分、ソフトを最初に買った会社は
アメリカ系の会社が多いから
アメリカの会社の独占を排除して、
フランスの会社を参入させようというのが
本当の狙いでしょう。

アメリカの会社を追い出して
フランスの会社へ切り換えようという法律を
作りたかったということなんじゃないの?

やはり、フランスはすごいよね。
日本だったら、アメリカに一喝されたらそれっきり。
もしかすると一喝を恐れて、
ケンカもふっかけられないかもしれないかもね。
腰抜けといわれてもしょうがないよね。
日本はそれほどアメリカ系の会社に牛耳られてないけど
ほとんどをいくつかの大会社が独占していて、
新しくできた会社は入れない。
競争が無いから、高いカネとられて、
税金が無駄に使われてしまっている。

という事情があるんだよね。

なるほど、なるほど。

あ、初登場の方、逃げないで。
あ、行っちゃった。なんか偉い人だったような。
司令塔だったような…。

まあ、とにかく
そんな意味がこもってるフランスの動きとみてるのね。
多分、フランスの第1投目は、ボールでしょう。
でも顔面スレスレ。あわやデッドボール、くらいの威力。
どうも第2、第3球も持ってるらしい…。むむむ。

それに気になるのは、フランスの憲法には
オープンソースで改変自由のソフトウエアの使用を
政府管理者に使用を強制させることができる条文が
あるらしい…、というではないか。
そこらへん、もし、フランス憲法に詳しい方がいらしたら
教えてください。まだ未確認です。


でも
日本、どうする?


フランスの関係者の方に聞いてみたら

「この法案は”宣伝目的”っていうデザインで
 EU の指針と一致しないところがあるから
 実施となると難しいだろう」って。

「それでももうひとつの
 法案は可能性があるかも…。」
あ、やっぱり2球目。

それはオープンスタンダードで、
ソースコードへのアクセスに基づく法律だそうです。

ところで、「宣伝目的」なんていうことは
「フランスは Free Software 精神に基づく
 健全な競争力のあるマーケットを作ろうとしているんだよ」
という、プロパガンダ的においを含むわけですね。

そういう意味では、日本もこのフランスの勢いに
がーんと刺激されて
マーケットの改革がどどどーっと進むといいですねー。
いや、進めるべきなんでしょう。

今日は刺激的なニュースが入ったので
ほかほかのやきたて焼きいも状態でお届けしました。

この動き、どうなるのでしょうか。
今、当の法案を翻訳中ですので
できたらセンタンホームページに載せる
予定です。そちらもお楽しみに。

(注1)Free Software というのは
vol.12vol.13 で gN くんと一緒に紹介した
Linux に代表されるようなソースが公開されてて
改良もフリーな、タダというフリーじゃなくて
事実上フリーなソフトウエアのことです。
そちらもまた読んでみてくださいね。

めるしーぼくー。


marsha with U.

2000-02-21-MON

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