OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.12
- Linux movement No.1 -

「自由と安全のためだよ。
それは誰かが、与えてくれるものじゃない。
自分自身で守るものさ。」

Xくんが去り
そいで Windows ユーザが繁殖してしまったオフィスで
どんな理由をつけて Linux を自分の OS として
導入しようかなと悩んでいたとき
こんなかっこいい言葉をくれたのは
『gNくん』(初登場!!パチパチパチ)。

ちょっと変な名前だけれど(ごめん)
"g" は彼にとって命です。
「先端」の前身の頃から、開発者として
ここ(正確には引っ越す前の、のっぽビル)で
生息していた流浪(?)のプログラマです。

「gNくん、詩人みたいなこと言うねぇ。
ところでさ、 Linux のことだけど、テレビ見たよー!
NHKの『クローズアップ現代』(4月7日放送)。
gNくんったら、ちょっと斜めに構えて
かっちょ良く語ってたね。」

そうなんです。
gNくんは最近めっきり露出が多くなってきたのです。

Linux のせいで・・・・・・。

さて、 Linux(リナックス、あるいは、リヌックス)は
もうかなりポピュラーになってきたし
そのあらましは今さら語るまでもないと思うけれど
知らなーい、という方もいらっしゃるかもしれないので
ちょっとだけ紹介してみましょう。

Linux は、オリジナルを
フィンランドの Linus Torvalds さんによって作成された
Unix 系のオペレーティングシステム(OS)のカーネルです。
(オペレーティングシステム全体を-あまり適切ではなく-Linux
と呼ぶ場合があるけど、 Linux というのはその一部です。
車で言えば、 エンジンといったところです--by gNくん)


完全なる「フリーソフトウェア」であり
オリジナルのプログラムソースが
Torvalds さんによって公開されると、その後は
世界中の「ハッカー」(挑戦好きなプログラマ)たちによって
どんどん改良が加えられ、今も進化し続けています。

*ユーザは増えつづけ
現在では世界で約800万人、日本で約50万人が
使っているといわれます。
今後、世界でもっとも速く、もっとも安いコンピュータも
Linux では夢じゃないかもしれないと期待されています。
(*:上記『クローズアップ現代』より)

Linux の特徴をまとめると、こんな感じ。
  1. フリーソフトウェアであること
  2. ユーザーによって、ユーザーのために書かれていること
      (それは市場に左右されていないという意味をこめて)
  3. *多くのアーキテクチャに対応していること
(*Intel の CPU だけでなく、 MIPS、 DEC の Alpha、Sun の Sparc
Motrola の 68k、 ARM... と多くの異なるアーキテクチャ
をサポートしています。)

それから、gNくんいわく
「すばらしい性能を持っていること」
が大きな特徴だそうです。
なんだか、ワクワクしてきます。未来に対して。

もっとくわしく知るにはここが便利です。

私は、Linux はインターネットの威力のものすごさを
たのもしく具現しているソフトウェアといえると思っています。

Linuxお勉強キット
(Linux お勉強キット)

ところで、最近『オープンソース』という言葉を聞くことが
よくあるのですが、Linux との関係を考えていたら
gNくんから、「ちょーーっと待ったー!」がかかりました。

gNくんによると

「オープンソース」と言えば
O'Reilly の "Open Sources" っていう本は必読の書だ。
Stallman も Linus も寄稿しているとても面白い本です。
Linux の開発当初の debate も載ってるよ。

「オープンソース」というのは、Linux の開発活動を分析して書かれた
EricS. Raymond さんの"Cathedral and Bazaar"
という論文で提唱された言葉です。
それで、去年 Netscape の source code を open にする
というので有名な動きが始まったけど、
実は必ずしもうまくいっていない。

「フリーソフトウェア」という表現の方が僕は好きです。
Open Source というのは、「フリーソフトウェア」という表現だと
フリーソフトウェアファウンデーション (FSF) の影響力が強過ぎるから
という理由で始まった話の面がある。
だけど、とくに最近綻びが目についてきたように僕は感じている。

Open Source Initiative という団体ができたけど、
そこの Board の一人であった Bruce Parens さんは辞任してしまった。

       「Free Software という方が良い。(Freedom という趣旨をはき違えた)
         Zero price という誤解があるにせよ。」
というようなことを書いていたと思う。

あるいは、Netscape の開発の中心であった、
Jamie W. Zawinski さんが、Netscape を 3/31 で去った。
ここでも Open Source の失敗が語られている。
彼のページ http://www.jwz.org/ を見てみて下さい。


ということで、ちょっと難しいのですが
どうも、『オープンソース』という言葉を
使うときは注意が必要のようです。

最近、「先端」でのかなりの話題は、
『知的所有権』(財産権)のことです。
朝から晩までみんなで『ちてき、ちてき』
『しょゆう、しょゆう』と調べているのですが
これがなかなかはっきりした形がつかめず難しい。

つまり、ネットワークという新しい世界の中の
新たな「価値」に対して、どう考えたら、あるいは
扱えばいいのかを、世界中が探してる状況みたいです。
そして現在の状況は、「バラバラじゃん?」
っていう感じで、国や、組織やプロジェクトによって
足並みが揃っていません。
もちろんさまざまな理由によって、です。
(これについては、もう少しあとで改めて
話してみたいとは思っていますが・・・。)

Linux を語るというのは、そういうことにも
大きく関係してくるようです。

さぁ、次回からは
『フリーソフトウェア』の海に潜ることになりそうです。
先生は、Linux 開発に深くかかわるgNくん。

どんな海なんでしょう?
どうも長旅になりそうです。
みなさんも、アブラミ・ブラザースのように
体力作って待っててくださーい。

マリーの日記は今日はお休みします。
ではまた。


福嶋(まーしゃ)真砂代

1999-05-22-SAT

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