OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.7
- continuation(ケイゾク)-

こんにちは。

「先端」のレイアウトチェンジ記念に
マリーゴールドを植えました。(3/9/99)
育つかなぁ。発芽はしたのよ。(3/15/99)
マリーゴールド
これから育ちぐあいをちょくちょく
お知らせすることにします。

話変わりますが
先日、同じ芝居を2度観ました。
ふだんはそんな余裕はなくて
1つの芝居につき1回観るので
精いっぱいなのですが
今回はちょっと思い入れが強く
初日と3日目と2度観たのです。

3日目の芝居では役者が強烈に変化している
ことがすぐに伝わってきました。

初日には胸にドカーンとこなかったものが
3日目の芝居はもう身体が後ろにのけぞる
くらいに、役者の「気」が押し寄せてきました。

役者たちは人知れず毎日血のにじむ努力を
積み重ねているのだろうと想像できるとともに
やっぱり「継続することの力」は感動をよぶのだ
と思いました。

毎日同じ芝居を続けるのはきっと苦痛もあるでしょう。
でも「続けることで得られるものは必ずある」
そういうことを教えてもらった気がします。

おし、続けようー。何をだろ。
とりあえず、 マリーゴールド育成ケイゾク。

そうそう
「先端」にもちゃーんと4年間続けてきたものが
あったんですよ。
「委託研究」プロジェクトです。
これは「競争原理」というものを
採り入れたR&Dシステムの一環です。

「公募」という方式で研究テーマを広く募り
研究として価値があり、また将来性が望める
研究に対してファンディングを行なうという
ものです。

研究者と1年から2年のプロジェクト契約を結び
2年の研究プロジェクトには1年毎に
継続価値があるかどうかの査定を行ないます。

このような公募型「委託研究」方式は
すでにいろんな研究機関で採用されています。
このシステムになるとさらに強く
研究者側のモチベーションと
採用側の選択眼や評価能力が問われるわけです。

「競争よ!
甘い企画とかコネとかあてにしたずぼらな研究じゃ
お金出ないわよ。見直しもびしばしやるわよ」。
ってことなんだね。

また、評価が的確であるほど研究のクオリティは
上がるので、評価能力はとても大切であることは
いうまでもありません。

しかし、日本はこの部分が不足しがちで
vol.3で出て来たような
「プログラムマネージャー」ほしいねと
いう話になるんですね。

ま、その話は今もいろいろ進展中なので
のちのち触れることにして。

そうやって「先端」があっためて育ててきた
「委託研究」がどれだけ実りがあったかな
これからどれだけ伸びるんだろうかを審査する
年に1度の「ワークショップ」があります。
会議
今年も芝のとあるホテルで
19件の研究プロジェクトの研究グループが
全国の大学とアメリカ、イギリス、オーストリアから
集まってその成果を発表しあいました。
詳しいプロジェクト内容はここを見て下さい。

オーディエンスは、審査委員と研究者たち
学生のみなさん。メーカの人々。
前に紹介したklic開発者たち。
教授

使う言語によってやはり世界がだいたい決まるのですね。
並列処理プログラミング言語を使うコミュニティ
というのがあって、このワークショップで
年に1度顔を合わせて生存と活躍を
確かめているようなほのぼのした雰囲気もあります。

毎日メールで議論している相手でも、やはり
実際に顔を合わせてコーヒー飲みながら話ができる
というのはいいものなんですね。
だから、みんななんだかうれしそうです。

研究テーマはそれぞれ超専門的で
なかなか私におもしろみが分かるという
レベルの話じゃないのですが
その中でもいちばん魅力のあったプロジェクトは
プログラミングをビジュアル化しようというもの。

イトイさんが「現実のすべてのものごとを
図解するとどうなるか」みたいなことを
考えてると前におっしゃっていましたが
このプロジェクトは
「思考フローをビジュアル化によって支援する」
画期的なものです。アイコンや図を使って
プログラミングができ、結果はKL1へ変換されて
出て来るというものです。

これだったら数字や記号を眺めて頭がぐるぐるになる
ことなく、何がどうなってこうなるから
そうなるのねと目で見て理解ができるという
素晴らしい研究です。

他のテーマの中にもきっと掘り出しものがあると思います。
ソースはすべてオープンとなっていますから
自分のところで研究改良をすることができます。
みなさんもチャレンジしてみて下さいね。

発表は概ね日本語で行なわれましたが
アメリカから発表に来てくれたインド系の
研究者は2日間ずっと言葉がわからないなりにも
座って聞いていてくれました。
貪欲な吸収力を発揮していたのでしょう。
あ、でも使用プログラミング言語は同じだから
わかるのね。
すごいなぁ。

この「委託研究」プロジェクトは
今年度で終了ですが
「KLIC協会」という新しい組織で
ケイゾク研究されていきますので
これからもよろしくお願いします。
そのホームページも出来たらお知らせします。

さて、KLICのアナドレンコフ博士はまだまだ忙しく
続編は届いていません。

博士ー、よろしくねー。継続は力なりよ。

(前の回で「教授」と呼んでしまったら、うれしくも
もっと世界で有名な「教授」と間違えてくれた
楽しい読者の方がいらっしゃいました。
なのでアナドレンコフは「博士」と呼びましょう。
元祖「教授」、失礼致しました。)

このあと今もっともホットなLinuxの話
も予定しています。

そうそう、私も「先端」にしばらくケイゾクで居ます。
ではまた。


福嶋(まーしゃ)真砂代

1999-03-25-THU

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