『MOTHER3』は、
もう、ぶっ続けでやって、
けっきょく四日くらいでしたかね。
それでも、途中でプレイをやめてみて、
喫茶店とか行って考えたりとかして、
また戻ってきてやるみたいな感じで(笑)。



ひと言で感想を言うのは難しいんですけど‥‥
まず、ぼくの好きな「エポック」という意味で
ちゃんと『MOTHER』だったのでうれしかったです。
『MOTHER』だなというか、
やっぱり糸井さんだ、というのを感じましたね。

これまでのロードムービー的な展開ではなくて、
ひとつの場所でストーリーが進んでいく展開は
妙に自分とリンクしたんですよ。
ぼくも、江戸川区に生まれ育って、
両親が別れても絶対にそこを離れたくなかったっていうか、
自分を育ててくれた土地なんだから、
「ここが親だ」ぐらいに思って離れないっていうふうに
思って暮らしてたんですね、ずっと。
そういう思いがなんかリンクしたっていうか。
ゲームのなかの島でみんなが暮らしていて、
だんだん人の価値観が変わることで
そこの景色が変わってきてっていうのがちゃんと出てて、
なんか身につまされる思いがして(笑)。



同じ場所で、そこの景色が変わることによって、
軽いところから、深い部分が
見通せるつくりになってたと思うんです。
町の人との軽い会話のなかでも、
なんか深いところがもう透けて見えるっていう感じで。
最終的には、深い部分がすごくたくさんあって、
わかんない人もいるのかもしれないけど、
でも、ちゃんとやれば到達できると思います。
リダの存在とか‥‥深いなあと思うんです。
ぼくはどうしても、結末を見てしまうというか、
それがどこに向かっているかというのがすごく重要なんです。
それを踏まえたうえで、
「過程がいちばん大事」って思っちゃうようなタイプで、
それは自分の作品をつくるときも同じなんですが、
それも『MOTHER』から「イズム」として
継承させてもらったのかもしれないです(笑)。



エンディングも、すごく深い意味が込められているというか
人によっていろんなとらえ方があると思うんですけど、
ぼくはもう、あれは大正解だったと思います。
「あれが『MOTHER』だ!」ってぐらいに僕は思って、
すごい納得して、寝る前にやってたんで、
クリアーしてぐっすり寝ました(笑)。
エンディングも、やっぱりマイナスのつくり方というか、
足し算じゃない考えができるっていうのが
すごいなあと思ったんです。
別にすごい絵をつけるんじゃなくて、マイナスで感じさせる。
そこが糸井さんのことばのすごさだなって思って。
だから、これが必然だ、くらいに感じました。
その意味では、ほんとうに
ゲームボーイアドバンス用ソフトで
よかったってぼくは思いましたね。



細かいところを挙げていくときりがないんですが‥‥
ヒモヘビとか、強力でしたねえ(笑)。
いやー、もう、最高ですよね。
「もう一度チャンスをくれ!」とかね。
ああいうふうに生きてみたいなあと思いますね(笑)。
そもそもあれって意味としてはアイテムですよね。
アイテムにしゃべらせて、
あそこまで広げてしまうという発想がすごい。

酸素補給マシンもすごいっていうか、
ちょっとずるいっていうか(笑)。
行く先々で酸素が足りなくなるから、
絶対必要になってくる機能じゃないですか。
それをあのキャラにしちゃうっていうのが、
いやー、すごいなあと思って。

あと、マジプシー。
もうあの逆説的なすごさっていうのかな。
なんかもう、ほんとうにすごいですよね。
「すごい!」って思いましたもん。
やっぱ「神だ!」って思いましたもんね、なんか(笑)。



普通に「神だ」というふうに神々しく描かれるよりも、
「ああ、すごい人なんだ」っていうふうに思いました。
絵も、ドット絵なのに表現がものすごくて。
あの、脚を組み替えるところとか、
あそこだけに命懸けてるなと思いましたもん。
ほんのちょっとしか出てこないのに(笑)。
ぼくのつくる音楽もそうなんですけど、
でっかい目標というか、向かう先にも命懸けるんですけど、
過程の細かいところにも
やけにマジになっちゃうんですよね(笑)。
ヒモヘビとか、マジプシーの脚の組み替えに
反応しちゃうのも、そういうことかもしれませんけど。

ああいうものを見ると、糸井さんが開発のスタッフに
「酸素補給マシンはこうなんだよ!」って
言ってるときはたのしいんだろうなあって思うんです。
で、それって、たのしいと同時に、
勝負のときでもあるんですよね、きっと。
ぼくも、バンドのメンバーになにかを伝えるときって
そういう感じなんですよ。
「ここで、ピーン! みたいな音」とか(笑)。
「宇宙だよ、宇宙」とか(笑)。
そういうつくり方まで、いっしょなんですよねえ。
いや、継承しちゃったんです、きっと。
もっとテクニック的に伝えられるものなら
伝えたいものなんですよね、こっちとしても。
でも、それで伝えたら終わりっていうものもあるんですよ。
その、可能性を狭めちゃうっていうか。
たぶん、やり方も知ってるんですよ。
こういうふうに伝えれば、こういうものができて、
リスクとメリットがこれだけあって、とか
わかるんですけど、でも、言ってみたいんですよね。
「宇宙だよ、宇宙」って(笑)。
だって、もしかすると、僕が宇宙だって言えば
自分が知らない宇宙が
返ってくるかもしれないっていう期待がありますから。
それが醍醐味なんですよね、人とやるときの。



あとは、そうですね‥‥
ぼくは、音楽をやってる人間なんで、
よけいにそういうふうに思うのかもしれませんけど、
『MOTHER3』は、ひとつのアルバム、
ひとつの音楽だというふうに思いました。

(取材後、現場に糸井重里が乱入し、
 とりとめのない雑談を、おもに糸井がしました。
 こんなような話なんですけど‥‥)



ヒモヘビ、いいですね。
ああ、うれしい。
ぼくもヒモヘビは好きですねえ。
ヒモヘビはパンクですよね。
パンクですね、あれはもう(笑)
いきがっているくせに、
体力的には弱い、みたいな。
「もう一度、チャンスを!」みたいな(笑)。
自分はヒモヘビになるのは
イヤなんですけどね、
でも、ヒモヘビの友だちではいたい(笑)。
ヒモヘビみたいな人に好かれません?
好かれる(笑)!
好かれますよね。
ぼくもすっごい好かれるんですよ。
なんか寄ってくるんですよ。
友だちとしては最高ですよね。
そうなんですよね。
それわかるなあ。精一杯だもんね、ヒモヘビなりに。
そうなんですよ。
すごい愛おしい存在なんですよね(笑)。



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