ほがらかな名言集 vol.8



玉の輿はゴージャスよぉ!
ゴージャスって言葉は男より
女にふさわしい言葉であって、
男はゴージャスじゃなくたって
権力があればいいわけでしょ?
でも、女の権力はゴージャスなんだから。
で、男の中で唯一「ゴージャス」という言葉を
使うのを許されているのが私たちなのよ。


ゲイバーのカウンターの中から外を見ると、
ほんとにかわいい子がやってきて、
かわいさを消費するだけ消費して
帰っていくんだよ。
かわいさをね、誰が消費してるのかっていうと、
本人なんだよ。
愛想笑いして、誘われたらイヤと言わずに、
いろんなとこついていって…。
かわいさっていうのは
ほんとにそれを使いたいと思う人に
使ってもらわなきゃいけないのに、
自分で勝手に使っちゃうの。
誰にも迎合しない自分、
自分にとっていちばん大切な、
自分をかわいいと思ってくれる人にだけ
そのかわいさを売ってあげればいいの。



うちの会社に女の管理職がいるんだよ。
大変なの。ちょっとした失敗を
「男だったらこんな失敗はしない」って
言われたりするの。
でも周りの男はどうしたって“どうせ女のくせに”
って思う。そう思う男には
“男のくせになんで私にできるような仕事も
 できないの?”って思いなさい。
それと同時に一生懸命仕事をすれば
“あいつは女のくせにがんばってる。
 女にしておくには惜しい”って思ってくれるよ。
そんときうに「いや、私は男になるには
もったいないですから」って言い返せ、って。
そんときのために、一生懸命がんばってるの。


相手のためになることを考えて、
してあげようとするのが
好きなんだけど、
それが得意じゃない
人っているよね。
だけど他人のことを
口汚くののしったり、
わがままに振る舞う自分は
嫌いで仕方がないんだけど
ものすごく得意な人もいる。
いちばんいけないのは、
本来の自分と違う、
嫌いだけど得意な部分と、
ギャップがほんとは
あるはずなんだっていうことに、
気づかないで、
何十年もずーっと
恋愛し続けること。
そうすると得意で
いやらしい部分だけが残る、
変なお化けができあがるんだよ。




ぼくね、大事なお客さんを集めて、
(ゲイだということを)告白したときにね、
自分はゲイだということを今言うことによって、
免罪符を得ようとも、
みんなから認めてもらおうとも思わない。
だけど、あいつはオカマのくせして
男のオレもできないような頑張りしてる、
べつにオカマでもいいじゃないか、
人間として素晴らしいと認めてやろうと、
思ってもらうように努力しますから、
って言ったの。




勇気を出して、取引先の人たちの前で言ったの。
「世の中には人とは違う人がいるんです。
 そしてその人とは違う部分を
 ただただ無駄に浪費している人もいれば、
 一生懸命、他人の役に立てようと
 思っている人もいる。
 でも、そうした人を見て、あいつは変だ、
 みんなと一緒じゃないとダメだ、
 と言って潰していく人がいっぱいいる。
 だからぼくはは今日、この瞬間から、
 小さな違いを大切にしながら一生懸命、
 役立とうと思って生きていきます。
 全ての人達の為にカミングアウトしつつも
 頑張ります」
でも最後に棄て台詞も言っちゃった。
「これからみなさん、女みたいな男である
 僕から、あの人は女の腐ったみたいな男だって
 言われないように頑張ってくださいねっ」って。

──単行本収録の章から抜粋掲載しました──

2003-04-29-TUE

このウインドウを閉じる