ほがらかな名言集 vol.1



ぼくがその人のことを
好きになるということは、
ぼくの体の中に
木の種を植えるようなものなの。
木が育つということは、
土の養分を摂って、
土の中に根っこを
張っていくわけでしょ?
土と木は別々のもんなんだけど、
木が大きく育つほど、
抜こうとすると
土を取っていかれるんだよ。
ぼくは「どんどんぼくの
中にいらっしゃい、
実がたわわになるぐらい
育ててくれたらば、
ぼくを離さなくなるから」
っていうふうに、
言ったことがあるの。
どっちがどっちか、
わからなくなるぐらいまで、
その間、ぼくはずーっと
栄養をあげ続けるから、
かわりにぼくもあなたの中に、
種をひとつ入れるからね。
栄養を下さい。
っていうのが、
おつきあいの関係だと思うんだ。



旗がたなびくためには、
風が吹かないといけない。
自分では、たなびけない。
この人には 
「ぼくは、あなたに、
ぼくの旗を 
たなびかせてくれる、
風になってほしい」
って言ったの。


 
つきあう努力を、一生懸命するの。
違って当然なふたりのなかにある 
数少ない共通項を拠り所にして 
一生懸命理解しあわないと 
いけないんだろうなと思う。
異なる部分を、お互い確認しあって 
ひとつひとつ、潰してけばいんだよ。
その人が嫌いで、自分が好きなことを 
その人に好きになってもらわなくても 
構わないから。


──単行本収録の章から抜粋掲載しました──

2003-04-22-TUE

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