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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

5月の憂うつだの何だの。その7
きわめて個人的な休みの後は。


ジョージ 仕事での、僕の周りって、
みんな会社の中では
一番とんがった人なわけよ。
だけど、彼らが集まって
酒でも飲みましょうっていう時には、
やっぱり泥酔しちゃうんだよね。
ノリスケ ほお。
ジョージ 酔っ払いはみんな同じだから。
違った酔っ払いっていないでしょ?
それで、情けないでしょ?
つねさん えへへへへ(結局飲んでいる)。
ノリスケ お腹の上にお酒を置いて、
にっこり笑ってる人が横にいるんで
よくわかります(笑)。
ジョージ 幸せそうに‥‥。
つねさん 情けないです。へへっ。
ありがとうございます。
ジョージ それこそガーッと飲んで、
急に気持ち悪くなって
便所行って吐いて戻ってくると
みんなが拍手してくれて、
「よーし、次は俺が行ってくる」
みたいな感じなんだけど、
何にもそこでは解決されてないのよ。
ノリスケ ないねえ。
ジョージ だけど、それこそ100人の人に
100の相談をするよりも、
気持ちは晴れるかもしれないね。
ノリスケ そうなんだよ。
大事なんだよ、その、かっこよく言うと
「コミュニティ」ね(笑)。大事なんだよ。
つねさん ほお。
ノリスケ いくつか持っとくといいですね。
悪い言い方かもしれないけど、
使い分けられるからね。
ジョージ そうやって考えるとさあ、
会社の4月ってみんなでつるんで
酔っぱらってみんな同じだねって、
同じ会社の社員だっていう行事が
一番多いよね。
ノリスケ 多い。
ジョージ それが、4月が終わると
ゴールデンウィークになって、
ゴールデンウィークでみんなが1回
散り散りバラバラになって個人に戻って、
ゴールデンウィーク明けに
会社に戻ってくると、
ものすごいよそよそしいよね。
ノリスケ ああ、だからだ。
ジョージ それで、会社の仲間といる楽しさよりも、
ゴールデンウィークで一緒につるんだ
友達とか恋人の関係の方が、
もう1回楽しいようにリセットされちゃって。
ノリスケ そうだよ。楽しいもん。
ジョージ それで、それがそのまま
続くんじゃないのかなあ。
できればゴールデンウィーク明けかなんかに
もう1回。
つねさん 宴会開くとか?
ジョージ そう。仕事のチームで
宴会するといいかもしんないよ。
ノリスケ いいかも。確かに士気は
下がってるかもしれない。
ジョージ 集団と個人のメリハリが強すぎるもん、
この時期って。
それが夏休みだと違うんだよね。
ノリスケ まあね、違うね。
ジョージ 夏休みはもう、疲れに疲れた体を
どうしても休めないといけない時期だし、
そんな落ち込んでる暇もないように
休みになっちゃうから。
ノリスケ あと、夏休みの共通体験が実はあるからね。
夏の切なさとかノスタルジーを
全部抱えたまま秋が始まるんで、
「夏が終わった、さあ‥‥!」って、
仕事するぞっていう気にはなるんだよね、
やっぱり。
ジョージ そうそう。正月休みは正月休みで
また違うしね。
ノリスケ うんうん。違う。
ジョージ やっぱゴールデンウィークはくせもんだよ。
っていうことは今年はものすごい勢いで
5月病が出てる?
ノリスケ かもよ(笑)。
ところでさ、つねさんが部屋で
飲んでるときって、何かさ、
赤ん坊がさ、チュパチュパしてるみたいな
顔なのね。
つねさん がははは。そうなの。
ノリスケ いまソファにお座りあそばして、
大きなおなかの上にグラスを置いて、
それを両手で抱えた、
ラッコみたいな感じで飲んでるの。
ほんとにうれしそうなんだよね。
つねさん あ、そう? 俺、ヤバいなあ。アル中‥‥?
ジョージ アル中じゃないと思うよ。
だって最近、飲むとね、寝ちゃうの。
つねさん カーっ(いびきのふり)。
ジョージ このまんまで寝るの。
それもね、自分が見たくて録画してる
テレビ番組を見ながら。
ノリスケ あはは。年取ったなと思うんでしょ、
そういうの見ると。
ジョージ 僕は一応そのテレビ、
おつき合いしてるのよ?
だってこの前のアニメなんか。
つねさん うん。
ノリスケ 何?
つねさん ケロロ。
ジョージ ケロロ。見てるんだけど。
横で寝ちゃうのよ。
静かだなあと思って横見たらカーって。
つねさん しゃーないじゃん。いつも最近ダメ。
ほんと弱くなったよ。
ジョージ で、「お父さん、お父さんっ」って言うと、
「おっ」。
ノリスケ 起きてんだ。受験生かよ(笑)。
ジョージ で、またガーって。
つねさん だって気持ちいいじゃん。春眠暁を覚えず。
で、あと夏眠でしょ? 秋眠でしょ?
ノリスケ で、冬眠?
ジョージ 年中寝とんじゃん。
つねさん 風物詩みたいなもんじゃん。
ジョージ 風物詩だって。
ノリスケ 風物詩?
ジョージ ちょっと違うよね。
使い方間違ってるよね。
ノリスケ すごい間違ってると思う(笑)。
つねさん この部屋の風物詩。
ジョージ 風物詩、この部屋の(泣)。
ノリスケ 話もどすわよ!
ジョージ そうね。まあ、基本的には
人間関係っていうやつよね。
友だちを、いろんな人間関係で、
用意できてる人は強いと思うよ。
孤独に。
ノリスケ うん。そう思う。
孤独な暇がない(笑)。
ジョージ 仕事でもね、会社員でもね、
会社の上下関係があって、
会社の同僚関係があって、
仕事上の上下、同僚を越えて、
仲間ってあるじゃん。
でもそういう会社の仲間って、
最近どんどんなくなってない?
ノリスケ あ、そうかもね。
ジョージ 年齢とか社歴とか、そういうの関係なしに。
ちょっと今日は暇だから
昼飯食いに行こうよっていう時に、
「せっかくだからあいつも誘おうよ」
っていうのが気が合う仲間なんだよね。
つねさん うん。
ジョージ 部署が違って、全然違う仕事してるんだけど、
「せっかくだから呼ぼうよ」
っていう仲間も必要だし、
職場を離れて先輩後輩関係があったり、
仲間があったり、
へんてこりんなグループが
あったりとかっていう、
自分がどれだけの人間関係を持ってるかが
大切だよね。
ノリスケ うん。
ジョージ 特に年をとればとるほど
大切なような気がするよね。
ノリスケ 大事。年をとるとね、
友だちだなんて思うような関係が
急に出てこないものね。
だからそういう人に会えたら
ほんとうに大事にしないと。
ジョージ それは大切にしないといけないね。
つねさん うん。大切にしたいよね。

角川書店の『ほがらか2』単行本担当編集者の
T女史がよく言うですよ、
交遊関係の奥深さやだいご味がわかってくることを
「これぞオトナになっただいご味ですよね」と。
さてこのテーマの本題はこれにて終わりですけど
もう1回、余談の回がありますんでお楽しみに!

ジョージさん、つねさん、ノリスケさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「ほがらかな皆さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってくださいね。

2005-05-24-TUE

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