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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

愛し続けるということ。その7
戻ってきてほしいから、お見送りをするの。

ジョージ 料理はけっこう、いろいろ分担するよね。
つねさん 料理はね、一緒に作るよね、けっこう。
ジョージ うん、一緒に作る。
ただ、一緒には作るけど、
今日は僕の日だけど、
なんかこの前はつねさんの日だったね、
みたいな感じはあるよね。
つねさん 主導権っていうかね。
ジョージ そうそうそうそう。
つねさん で、けっこう朝ご飯は作ってくれるし。
ジョージ 朝ご飯作るよ。朝、早起き得意だから。
年とると朝早く目覚めるし。
つねさん ボクは早起きがダメなんだな。
ノリスケ ルールにするのはよくないんだな。
つねさん でもね、なんかすごい嬉しいのが、
たとえばね、週末一緒にいるじゃん。
で、たまに僕がテニスの試合とかで
朝早く起きなくちゃいけないでしょ。
ノリスケ (ひそひそ)
べつにテニスだけ
がんばんなくてもさ(笑)。
ジョージ (ひそひそ)
べつにね、起きなくても
いいんだろうけどね、
起きるの、そういうときだけは(笑)。
つねさん 一緒に起きてくれるのよ。
起きてご飯作ってくれるの。
ノリスケ あ、すごぉい!
つねさん すごいでしょう? 涙出てくるよ。
ジョージ 涙? 食ってるじゃない、バクバク。
つねさん そうそう、あー、うめぇ、とかいって。
んじゃ、行ってくるわ! カーッ、
みたいな(笑)。
ノリスケ で、やっと安心して眠れるんでしょ?(笑)
ジョージさん、よく起きるわよね。
ジョージ ふつう起きるでしょ? 起きない?
だって、お見送りのチュウは
しないとダメじゃん。
ノリスケ あ〜。お見送り。
ジョージ ね。でもそれってね、すごい嬉しいよ。
お見送りは。
一緒に生活してるというより、
好きな人に対する礼儀だよね。
つねさん うん。
ジョージ お出かけは大切だから。
だって、戻ってきて欲しいから、
お見送りをするの。
ノリスケ はははははは、戻ってきて欲しいからかぁ。
ジョージ 僕、あの、これが当たり前かどうか
わかんないけど、よくテレビとか観てると、
サラリーマンがね、朝ひとりで起きて、
ひとりでシャワー浴びて、
朝ご飯、誰も作ってくれなくって?
誰からも見送られないで出かけてって、
駅のホームでパンと牛乳とか‥‥。
ノリスケ よっぽど仕事に燃えてりゃ別だろうけどね。
そうもいかないよね。
ジョージ ね。僕、見送られないようなウチには
帰る義務はないと思うもの。
ノリスケ へぇ‥‥。
ジョージ だって、ウチなんて、そう、
父親が出かけるときに、
必ずみんな表に出て
「いってらっしゃい」だったよ?
それしないと、
ウチのオヤジ出なかったもん。
ノリスケ 家族ふたつあるくせに(笑)。
ジョージ そういうとこだけはうるさいの。
たぶん「いってらっしゃい」も
「おかえりなさい」も、
1日2回ずつしてもらってると思うけど。
それがたぶん男の甲斐性だと思って
一生懸命頑張ってるからだと思うんだよね。
だからそういう、規則じゃないけど、
礼儀というか‥‥。
ノリスケ 帰ってきて欲しいから見送るのよね。
そりゃあそうよ、そうよ。
ジョージ うん、そう思う。だから一応起きるの。
ノリスケ 世の中の見送らない方は、
帰ってきて欲しくないのかなぁ。
ジョージ 帰ってこなくてもいいんでしょ、たぶん。
貯金通帳にしっかり
振り込まれてればいいんじゃないの?
ノリスケ そっかぁ。
ジョージ それじゃ、つまんないよね。
ノリスケ つまんないねぇ。
ジョージ そういう人が、なんか知んないけど
テレビの中で、ペ・ヨンジュン様の
純愛のドラマを四の五の言うのよ。
いちばん身近な、
一度は好きになった人のことを
見送りもしないような人を、
ペ・ヨンジュン様は
好きにならないと思うわ。
朝、その人のために起きるのも
面倒臭いような人と一緒にいるんだったら
別れてしまいなさい、と思うよね。
しっかり慰謝料ふんだくって。
そういう亭主に限って
慰謝料ふんだくれないんだ、
あーっ、悔しいっ!!
なんて不幸な出来事なの? これは!
‥‥と思うよ。ね。
でも、規則は作らないけど、
暗黙の了解っていうのは大切にするよね。
それは相手がどういうふうに、
今して欲しいのかな、っていうことを
考えることだから。
ノリスケ うん、うん。
寝るときは、電話とかメールとかするの?
ジョージ するよ。
つねさん おお。
ノリスケ するよね。
つねさん 必ずね。
ノリスケ 愚問でした。
ジョージ あの、んーと、ヘロヘロになって
酔っぱらって帰ってきて、
電話かけてすぐ寝ることもあるけどね。
つねさん でも来るよね。
ノリスケ とりあえず一報入れるよね。
ジョージ たいていこっちが電話かけて、
今ウチに帰ったから、っていうのを言って、
寝る前にもう1回電話入れて。
だいたい僕が先に寝て、この人が後だから。
宵っぱりの仕事だから。
たまに電話かけていないことが
あったりする(ブツブツ‥‥)。
つねさん あ、ワシが?
ジョージ そう。
つねさん あ、すんません。ちょっと‥‥。
ジョージ あのね、どっかで浮気してるかな、とかは
ぜっんぜん思わないけど。
死んだんじゃないのとか‥‥。
ノリスケ 太り過ぎて呼吸困難にでもなって
電話に出れないとか(笑)。
ジョージ そう、出れないんじゃないかとか。
マジよ?!
ノリスケ デブが好きだと苦労するわね(笑)。
ジョージ そういうときに限って、
「ごめん、呑みにいってたぁ」
とかっていうのがあるんだよね。
なんだぁ‥‥とか思って。
あと、風呂行ってたりとかね。
ノリスケ 銭湯?
つねさん そうそうそう、銭湯たまに行きますよ。
ジョージ 銭湯好きなのよ、この人。
つねさん あの、けっこうほら、それこそ木曜日
ダブルヘッダーやるわけじゃん、テニス。
ノリスケ 知るか!(笑)
つねさん やるですよ!
ノリスケ あんた、いまほんとうにテニスしか
頭にないのねえ。
ジョージ フガッ。
つねさん 朝から3時間半ほどやって、
夕方1時間半ほど、またやるのよ。
筋肉痛コワイから、
たまに銭湯に入りに行くの。うん。
広くて足が伸ばせるし。
ノリスケ なんだか言い訳っぽいわねえ‥‥
別の目的があるんじゃなーい?
「景色最高!」とかさあ。
ジョージ ‥‥つねさんって、
しあわせな生活でしょう?
今回の旅行で泊まったホテルって、
籐のカゴが部屋の備品にあって、
ゲストは持って帰ってもいいのね。
で、それ見てね、何て言ったと思う?
「これ、僕もらってっていいかな?」
「いいよ、持ってけるやつだから」
って言ったら‥‥。
ノリスケ わかった、
小さな石鹸カタカタ鳴らせて(笑)。
ジョージ そ!
「これ風呂屋に持っていくから」って!
ノリスケ で、もらってきたの?
つねさん そう。
ノリスケ はははははは!
ジョージ さっそく持って帰ったよね。
で、ゴージャス?
って言いながら‥‥。
ノリスケ 銭湯行くの?
ジョージ そう、銭湯行くのっ!
まったく‥‥話がそれたわ。
銭湯に行ってる時間もあるけど、
電話はかける、メールもよこすって話よね。

戻ってきてほしいから、お見送りをするのかあ。
そうだよなあ。そのとおりだよなあ。
つづきます。

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2004-06-24-THU

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