APPLE
新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

愛し続けるということ。その4
燃えるような愛が過ぎたあとに。

ジョージ でも、それはそれで、
ノリスケくんちも、
けっこう初めてな物語は
いっぱいあるでしょ?
ノリスケ 未だにね、知らないことが多いのよ。
今日初めて知ったのが、
料理した熱いトマトが
嫌いだったっていう(笑)。
つねさん へへへへへへ!
ノリスケ 知らなかった〜!(笑)
ジョージ あ、そうなんだ!
トマトは生で食べるもんか、
あるいはソースにしたものか
どっちかなんだ。
美味しいのに、グリルトマト。
ノリスケ そうそうそうそう。
グリルトマトとチーズで
オムレツにしてもおいしいしね。
ジョージ 甘くって美味しいよね。
ノリスケ でね、好きだとばっかり
思ってたのよ(笑)。
ジョージ 嫌いって言われたの?
ノリスケ うん、今日ね、レストランでご飯食べてて、
残してるから、
酸っぱいものが苦手なのは知ってるんで、
食べなよ、って言ったら、
ほんとは嫌いだって(笑)。
ジョージ ほんとは嫌いだって言われたんだ!
つねさん はっはっはっは!
ノリスケ で、じゃあちょうだい、って言ったら、
すごい嬉しそうにくれたの。
ジョージ 今まで我慢してたんだ。
ノリスケ そうみたい。
ジョージ わぁ〜!
つねさん 愛だね、それって。
ノリスケ そんなことね、多いよ。
つねさん おぉ〜。
ノリスケ だからね、たぶんまだ知らないこと
いっぱいあるんだろうなって思うと、
楽しいね。
今度の旅行でも、いろいろ
「初めて」のことあった?
ジョージ 初めてふたりでもって
マウンテンサイクリングツアーをしたよね。
つねさん うん。楽しかったな。
考えたらさ、40過ぎのオヤジがさ、
キャーキャーはしゃいで
やってたんだもんね。
ジョージ 楽しいもん。
つねさん 俺、ノド痛かったもん、終わったあと。
ノリスケ それは叫び過ぎて?
つねさん 叫び過ぎて。
ノリスケ ばっかねぇ‥‥。
ジョージ あ、でもね、最初はそういう
つねさんのノリが苦手だったんだけど、
知らないうちにそれが‥‥。
つねさん できるようになった?
ジョージ めちゃくちゃ好きなんじゃないけど、
わかるようになることってあるのよね。
この人と付き合い始めたとき?
この人の家に行くと‥‥。
つねさん そう。わかる?(笑)
ジョージ あのね、おそろしいほどの
AV機器がいっぱいあるのよ。
レーザーディスクがあったり
DVDがあったり
ビデオがあったりなんかして。
ノリスケ だって、DVDが再生できる機械が
何台あるって言ってたっけ?
つねさん ウチ? えー、1、2、3、4‥‥。
ノリスケ もういいっ(笑)。
ジョージ そんな感じ。
つねさん ‥‥5、6台。
ジョージ それでね、それでね、行くでしょ?
そうすると、とりあえずなんか‥‥。
つねさん 観させるの。
ジョージ うん、何か見せてくれるの。
ノリスケ 嬉しそうにね。
ジョージ ガンダムだとかね。
つねさん ガンダムはウチでは見せなかったもん。
パトレーバーだもん。
ノリスケ 僕、遊びに行ったら
『鉄人28号』かなんか観たことある。
ジョージ そ、『鉄人28号』。
つねさん 違うよ、『ジャイアントロボ』だよ。
ノリスケ だからね、われわれには、
どっちでもいいくらいのものなのよ。
ジョージ 『ビッグO』だとかね、
なんかわけのわかんないのが
次から次へと出てくんの。
で、最初はね‥‥。
ノリスケ 困ったなと(笑)。
ジョージ 何だろう? これは、って。
僕の頭の中で、
こういうアニメっていうのはさ、
まっとうなおとなが観るもんじゃないのよ。
でも、愛はあるわけよ。
とくに始まったばっかりだから、
燃えるような愛はあるわけよね。
燃えるような愛はあるんだけど、
なんか、違うぞ、って。
どうなんだろう? って。
ノリスケ それ、いちおうつねさんの
おもてなしだったわけね。
ジョージ そう、おもてなし。
ノリスケ 遊びに来てくれたから、
いちばんゴージャスなご馳走を?
つねさん いや、ゴージャスじゃなくて、
僕のお気に入りはこれですよって、
伝えたかった。
ノリスケ 知って欲しいし?
つねさん そうそうそうそう。
ノリスケ 楽しいはずだし?
共有できたら嬉しいなと。
つねさん 「はず」っていうのはなかったね。

うちは、どうかなあ?
知ってるつもりになってるんだろうか。
つづきます。

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2004-06-18-FRI

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