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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

おなごの仕事、おじさんの仕事。その3
いなくては困るという存在になろうよ。

ジョージ たとえばコンビニエンスストアの
食品開発は、女の子集めてやるとかって
いうでしょ? あれは、お弁当の消費者が
女性が多いから、とかっていうけど、
大きなウソだよ。
男やおじさんたちは、
新しいことを決めることができないの。
ノリスケ 考えつかない?
ジョージ そう。女の子たちに
決めてもらってるんだよ。
決めてもらってるクセして、男の人たちは、
「彼女たちのアイデアをもとに」
っていうんだよ。
「決めたのは自分たちだ」って。
つねさん ああ、そうだよね! 確かに。
ジョージ それはずるいことだけど、
でも、それを聞いた女性が、
嫌なヤツ、って思うか、
いやぁ、かわいそうな人たち、
って思うのかでね‥‥。
つねさん 変わってくるよね。
ジョージ そう、やっぱり気持ちの持ちようだろうと
思うんだ。でも、中には、どういうのかな、
やっぱり、女性たちは
未来の人間だっていうことを知って、
尊敬してる人たちもいるだろうからね。
そういう人をひとりでも増やすように、
みんな頑張らなきゃダメだよ、
っていう話はした。
ノリスケ はぁ〜〜〜!!
つねさん ほぉ〜〜〜!(笑)はぁ〜、だね。
ノリスケ はぁ〜、なるほどね。
ジョージ さて、頑張るために
どうすればいいでしょう?
ノリスケ 男の人、ひとりでもそういうふうに
増えるようにするためには?
ジョージ そうそうそうそう。
つねさん 啓蒙する?
ノリスケ でも、ストレートに言ってもダメでしょう?
ジョージ そうなんだよね。
あのね、彼女たちはこうも言うんだよ。
男の人たちは、私たちのことを
いいように使ってる、って。
つねさん 逆になればいいっていうこと?
ジョージ うん、逆になれば、っていうかね、
もっともっといいように使ってもらって、
いなくては困る存在になればいい。
つねさん 右腕とか?
ジョージ 右腕というか‥‥
そういう男は、絶対に女性を
右腕なんて思わないわけだから。
つねさん そうか。
ジョージ あのさ、僕、家出した話はしたんだよね?
ノリスケ 家出した話は聞いたけど、
いったいなぜかっていうのは
ちゃんと聞いてないよ。
ジョージ あー、なるほどね。
じゃ、その話からしようかな。
すっごいね、ウチのお父さんとはね、
険悪な関係になったことがあるの。
ノリスケ それ、さっきの話の続きになるの?
ジョージ そう、もう、
あたかも自分が考えたことのように、
人のアイデアを言ったりね。
ノリスケ 親子だから、よけい平気なんだね。
遠慮がないよね。
ジョージ そうそう、平気よ? ぜんぜん平気。
つねさん 子どもの金はワシのもの、
子どものアイデアもワシのもの。
ノリスケ なぜなら、こいつはワシが作ったんだ。
ジョージ そう。それで、どんどん次から次へと
仕事つくるのよ、これが!
ノリスケ ははははは、遠慮なく。
ジョージ できるだろう、みたいな感じで
仕事つくってくるんだけど、
それがまた邪魔臭くってねぇ、
とんでもない仕事ばっかりだったりするの。
で、すんごい嫌になって、
マジ切れ、ブチ切れ。ほぉんとに。
あんた、僕がいないと困るんでしょ、
って思って、
困らせてやろうとは思わなかったんだけど、
もういいや、と思って家出したんだよ。
つねさん もう面倒臭いやって。
金掴んで。
ノリスケ 30? 20代?
ジョージ 32、3だよね。ま、ちょっとお金、
棚からぼたもち、みたいなのがあって、
逃げたの。
ノリスケ それがニューヨークだったのね(笑)。
ジョージ そう。で、確かに困ったらしいよ。
ノリスケ 突然いなくなってやったの?
ジョージ うん。いなくなってやったの、ほんとに。
ノリスケ 書き置きを残して?
ジョージ 書き置きも残さず。
つねさん 行方不明になったの!?
ジョージ そう。
ノリスケ はぁ、ほんとに家出だ。失踪に近い。
ジョージ でも死んだと思われると困るんで、
えっと、家出して3日目か4日目に電話して。
すいません、生きてます。
ご迷惑かけますけど、
これからちょっとしばらく
どっか行ってきます。
でも、父はいなかったんだよな、
父の秘書が出て、
「今どこにいらっしゃるんですか?!」
「‥‥千葉のほうです」
「あ、千葉なのね、それじゃ、近いわね、
 じゃ、また電話してね、連絡してね」
そこでガチャンって切って、
じつはそのとき成田にいたの(笑)。
つねさん わっはっはっはっは!
ジョージ だって千葉のほうじゃなぁ〜い?
つねさん 間違いじゃない。
ジョージ で、ブーンって、NY! そんな感じー。
ノリスケ 直前だ(笑)。
ま、それは、マネしていい
例じゃありませんね。
よっぽどのことだったとは思うけど!
で、困ったって?
ジョージ すっごい困ったって。
何が言いたいかと言うとね、
一生懸命頑張って、
自分の手柄横取りにされてもなにしても、
要は、相手が期待する以上の仕事をすれば、
いなくなると困るんだよ。
つねさん うんうん。
ジョージ だから、彼女たちだって
そういうふうな人になりなさいよ、と。
たまたまね、そのときに、
その会社の社長室にいたら、
彼女のうちのひとりが、
なんかの企画書を持ってきて、
社長に報告してるんだよ。
なに言ってるのかわかんないんだけど、
どう考えても、彼女がいくつかの
間違いをして、
社長の期待通りではないらしいんだよね。
つねさん うんうん。
ノリスケ ふーん。
ジョージ だから、ブーッとして出てくんだよ。
でも、それはダメよ。
今日のあなたは、
社長の期待以下の
仕事しかしなかったんだから、
役にも何にも立ってないって。
あの瞬間、あなたがブーッてしながら、
私もう辞めます、って言っても、
誰も止めないよ? と。
つねさん あぁ。
ジョージ で、あの仕事は
どういうふうなつもりでやったの?
って訊いたらば、
「私じゃなくてもできる仕事だし、
 私も忙しいのに、
 なんで私にさせるんだろう?
 と思ってやったんです」って言うからね、
それは大きな間違いでしょう、と。
私でなくてできる仕事を、
あなたがやり損なったっていうことは、
あなたはこの会社の誰よりも
レベルが低いってうことを
自分で認めたことじゃない? って。
で、誰でもできるかもしれない仕事を
与えられたら、そのときこそ、
誰にもできない仕事にしてやろうと
思いなさい。
で、社長に言われた企画書を作ると同時に、
その企画書を上回るようなアイデアか何かを
いちばん最後につけて、
社長、私ここまで考えてみたんですけど、
の一言もなんで言わないの?
っていうふうに言ったの。
それはやっぱり、女性が女性として
甘える行為だと思うんだ。
ノリスケ はいはいはい。
ジョージ ま、男はもっと甘えん坊だから、
男はもっと卑劣な手段でもって、
手抜きをしたり
自己表現したり
するんだろうと思うんだけど、
女性が戦うというところは、
そういうところで戦うことなんだろうと
思うんだ。今の日本の社会ではね。
でも、日本も、そのアジアの国も
同じなんだぁ、っていうふうに思ったのよ。

自分はどうだろ?
考えちゃいました。
つづきます!

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2004-04-27-TUE

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