| つねさん |
ノリスケくん、こっち来たら？
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| ノリスケ |
（座る場所を移動して）
ここらへんに、こうだね。よいしょ。
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| つねさん |
「よいしょ」で、ハアハアいってる（笑）。
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| ノリスケ |
お腹一杯なのよん！
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| つねさん |
はい。確かに。
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| ジョージ |
今日はふぐを食べました！
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| つねさん |
美味しかったです！
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| ジョージ |
うん、もうまったりです。
この前、大学の同級生と
メシ食ったときにね、
ん〜、あの、えっと‥‥。
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| ノリスケ |
それって、男子チアリーディング部？
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| ジョージ |
男子チアリーディング部じゃなくって、
僕、けっこういっぱい、
根っ子はってたわけよ。
所属はしてなかったけど。
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| ノリスケ |
触手を伸ばすって感じ？
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| ジョージ |
ほら、あんまり歳がわかっちゃうと、
あれなんだけど、
僕が大学生時代って、
1980年前後？ ね？
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| ノリスケ |
ま、ぼやけて言うとね。
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| ジョージ |
んで、『ベストヒットＵＳＡ』？
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| つねさん |
はいはい。『ポッパーズＭＴＶ』とか。
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| ジョージ |
が、始まったぐらい。
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| ノリスケ |
小林克也が世に出だした頃よね。
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| ジョージ |
そう！
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| ノリスケ |
ちなみに、『ポッパーズＭＴＶ』は
ピーター・バラカンでした。
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| ジョージ |
そう。あの、湯川れい子とかもバリバリで。
思い出すと懐かしい、あの、
『ブルータス』創刊の時代。
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| ノリスケ |
わはははは！
やだわ、なんで思い出モードに入ってるのよ。
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| ジョージ |
なんだか今日はそんな気分なの。
東京の私大といえば、アメリカ。ね？
んで‥‥。
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| ノリスケ |
『ポパイ』は、もうちょっと前？
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| ジョージ |
『ポパイ』はもうちょっと前。
西海岸が好きになるか、
東海岸が好きになるか、みたいな感じで。
「洋楽」って懐かしい言葉でしょう？
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| ノリスケ |
洋楽ね〜。
今、洋楽って、あんまり言わないね。
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| ジョージ |
そう。あの、ＡＯＲとか、
ブラコンとか、
ウエストコーストサウンドとか。
で、『ベストヒットＵＳＡ』よ。
大学でね、洋楽系が
好きな子ばっかりが集まって、
サークルでもなんでもない、
自主的にいろんなことやってたのね。
日本橋の丸善までビルボードを‥‥。
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| ノリスケ |
買いに！
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| ジョージ |
そう、買いに行って。毎週毎週。
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| ノリスケ |
タブロイドでしょ？
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| ジョージ |
そう、タブロイドだよ。
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| つねさん |
あの、オリコンみたいなもんだ。
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| ジョージ |
そう、まだね、パソコンなんてないのよ。
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| ノリスケ |
ないないない！
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| ジョージ |
で、情報処理研究所っていうのがあって。
ウチの学校に。で、そこにも入ってたの。
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| ノリスケ |
はぁ、さすが東京の私大、のなかでも
坊ちゃん学校ナンバーワンね。
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| ジョージ |
でも当時パンチカードよ？
パンチカード！
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| つねさん |
あの、パタパタパタパタ‥‥
（紙が出力されるジェスチャー）。
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| ジョージ |
フォートランとかコボルとかで、
プログラムを組んで、
パンチカードにぜんぶ入れて。
汎用コンピューターに、
ダーッと読み込ませて、
プログラムを作るのね。
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| つねさん |
わっかんねぇ〜！
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| ジョージ |
統計学の授業とかって、
あ、ちなみにあのワタクシ、
経済学部なんで、統計学を取ると、
何かをテーマに統計的な研究をしなさい、
っていう宿題があるわけよ。
それで、よし、ビルボードの、
今年１年の、統計を取ろう！
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| ノリスケ |
わぁー、趣味と実益を兼ねてるね。
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| ジョージ |
すごいでしょう？
で、もうほんっとにみんなで必死になって
ビルボードを毎週毎週買って、
プログラムを組んで、
それでメシを食ってたんだよ。
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| つねさん |
ん？ メシ食った（笑）？
商売にまでしてたの？
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| ノリスケ |
さすがだわ‥‥。
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| ジョージ |
５人でやってたんだけど、
それを、メインでやってた子、今も、
レコード屋さんやってるもの。
当時、ビルボードをそれだけ
追っかけてた人たちって、
日本にもあんまりいなくって。
けっこう、注目はされていたの。
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| ノリスケ |
で‥‥その仲間と、最近会ったわけね？
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| ジョージ |
そう。そしたらね、言われたの！
「そういえばおまえって、
クイーンが大好きだったよね」。
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| つねさん |
ははははははは！
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| ノリスケ |
わはははははは！
今さら言われると、
ちょっと恥ずかしいような。
今、リバイバルで流行ってるよね。
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| ジョージ |
そう。いまはも一回流行ってるけど、
『プライド』が始まる前の会食だったから、
「おまえってほんとに
変わった趣味持ってたよね」
って言われたの。
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| ノリスケ |
みんなはクイーンを認めていなかったの？
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| ジョージ |
そうなのよ。
「なんでおまえは、
ああいうのにはまったの？」
って言われて、
「ん〜、なんか‥‥」
って口ごもってたら、もうひとりの子が、
「おまえ、フレディ様の
人生が好きだったんだろう？」。
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| つねさん |
うへへぇ（笑）。
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