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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

愛着と執着 その6
会話ができない男の子。


ジョージ これ、やっぱり、
対人関係とかに向かってくと嫌だけどね。
まあ、個人の範疇で済んでるぶんには。
つねさん 人に迷惑をかけなくって(笑)。
ノリスケ 恋人だけじゃなくって、お友だちとか、
そういう中でも、作りたがったり。
だから会社にいくと派閥になるよね、
執着が。
つねさん ああ、友だちでも派閥あるよねぇ。
ノリスケ あるある。
ジョージ あと、あの、自分の仕事に執着する人。
つねさん はぁ。
ジョージ で、自分が今までしてきた結果とか、
職歴に執着する人?
これはね〜、イヤ!
ノリスケ できることはもう、いいじゃないね。
ジョージ そう。
ノリスケ できないことを
できるようになることが、
お仕事ってものよ。
ジョージ そうそうそうそう。
それで、それを自慢する人。
いいじゃん、それは
「できた」って話でしょ? って。
そんなことよりも、あなた、
これからどういうこと
しようとしてるの?
って、思うんだけどね。
ノリスケ 自分への反省も込めてね、思うよね(笑)。
思う思う、ほんっとに。
まあ、ラクしたいからね。
これやっとけば、
確実にポイントはかせげるし、
お給料に見合ったことを
会社に対してできるっていうことが、
どんどん楽にできるようになるから、
楽なんだけど、それじゃあ、駄目なわけね。
ジョージ でも、あれでしょ?
ノリさんなんかは、
すごく自分の仕事に対して
愛着を持ってるんでしょ?
ノリスケ 愛着あるのよ、うん。
ジョージ ね。
ノリスケ ただ、いちばん愛着のある部分だけで
ご飯は食べらんないので、やっぱり。
つねさん うん、ウチの仕事もあれだね、
執着してたら終わんないんで、
どっかで手放さなくちゃ
いけないっていうことがあるよ。
ジョージ うん、そう、アニメとかの人たちが、
あの、公開日間際になっても、
ある1パートが完成しないからって、
順延したりするのって
仕事に対する執着だろうね。
つねさん 単に人材不足とかもあるかもよ。
ジョージ たとえば、今の日本の政治家の世界で
政治という世界に
愛着をもってるんであれば、
もうとっくの昔に引退してるであろう
人たちが‥‥。
つねさん あ〜、我が物顔で。
ジョージ 自分のこの議席と名誉というものに
執着しているがあまりに
引退できない姿とかね。
つねさん なんか、そうね、
見極め間違うってやつ?
ジョージ 部下に対する愛着とかってある?
ノリスケ ある。部下はいないんですけど、
あの、チームなんで、
年下の後輩はいっぱいいるんで、
愛着あります。
でも、逆に、上下がないんで、
執着はしないで済んでるのね。
ほら、「ウチの部的にはさあ」
とかじゃないから。
ジョージさんは経営者じゃないの。
どうなの?
ジョージ 会社に対する愛着はあるけど、
執着はないね。
会社、ん〜、なんか、
僕の思い通りにならない部分もあったり、
僕が嫌な部分もあったりとかするけれど、
じゃあそれを力ずくで
僕の好きなようにしたり、
僕の思い通りにしたり
してしまったとして、
果たしてそういう会社にも、
今とおんなじような愛着心を
もてるかっていうと、
そうじゃないとわかってるから、
ほったらかしにしたり見過ごしたりする
部分はけっこうあるかな。
うん、どんどんどんどん
僕の会社ではなくなっていくような
感じはするんだけど‥‥。
ノリスケ 大きくなっていくとね。
ジョージ そう。それはそれでいいかなって、
思ったりしてさ。
なんか、子どもがひとり、
おとなになって巣立ってくみたいな感じ。
そうすると楽させてくれるってことが
わかってるんだけどね。
だけど、なかなかそうはできないのよ!
つねさん それはべつに、うん、でもじゅうぶん、
なんか、距離感保ってるじゃん、
そのへんに関しては。
ジョージ うん、で、部下もけっこう
よくわかってるからね。
これはやっぱり、
上手な上司の使い方っていうのにも
なるのかもしれないんだけど、
ウチの若い子たちっていうのは、
平気で、こう言うの。
「こういうふうにしたいと思うんですけど、
 たぶん上司としては嫌だと思うんですけど、
 しばらく目をつぶって下さい」って。
つねさん 言ってくれるんだ。
ノリスケ 偉い。
ジョージ うん。
「そうすると、絶対会社のために
 なりますから。損はさせないから
 私たちに任せて下さい」
って、言うからね。そうすると、
僕は彼らがこれからしようとしてる、
その仕事に対しては、
愛着はもてないかもしれないけれども、
そういうことを敢えてしてくれている
彼らに対して愛着を持っているから。
で、やっぱり、人間が注ぐべき、
愛情の対象物っていうのは、
物よりも人であるべきだろうしね。
で、会社が扱っている商品よりも、
会社を構成している
社員という組織であったり、
会社そのものであったりとかに対して、
愛情を注ぎたいわけだから。
だから、この商品を信じて下さいとか、
この仕事を信じて下さいって言われると、
僕はけっこう意固地になっちゃうけど、
私を信じて下さい、って言われたら、
あー、信じなきゃいけないんだぁーって
思っちゃう。
つねさん 信じてあげよう、とか。
ジョージ そうそうそう。まあ、まあ、
4つにひとつぐらいは、
ああ、バカだった、
って思うことあるけどね。
でも、それはそれで良しよ。
でも今、やっぱり、ね?
日本をうれいても
仕方がないのかもしれないんだけど‥‥。
ノリスケ どうしたの?
急に大きな話になって(笑)。
ジョージ でも、ねっ?
なんなんだろう?
はぁ〜。
ノリスケ 日本をうれうって、
さっき、おおたうにちゃんに
若い男の子、どう?
って訊いたら、若い男の子、
会話ができないって言ってた。
つねさん そうなの?(笑)
ノリスケ 彼女がいう最近の男の子ってことは、
20代ぐらいだと思うんだけど、
会話が成り立たないんだって。
会話が成り立たない理由っていうのがね、
男の子は男の子で、
自分が喋りたいことしか喋らないんだって。
それがかっこいいと思ってるらしい。
つねさん 自己完結するんだ。
ジョージ 女の子が、たとえば、
「この前、こんなふうな映画を観たの、
 すごく面白かったわ」っていったら、
普通だったらば、
「どう面白かったの?」
って、訊くでしょ!?
ノリスケ それを糸口にするよね。
つねさん うん、それで会話を膨らましてって。
ノリスケ あの映画といえば、とかね。
ジョージ 今の男の子たちっていうのは、
「あ、そう。僕はね、こういう映画を見た。
 すっごい面白かったよ」って。
つねさん そっちにいっちゃうんだ。
ジョージ いっちゃうんだ。で、そうすると、
いちばん最初に話題ふった女の子は、
「あ、そうなの?」
で終わっちゃうんだよね。
つねさん うんうん。
ジョージ で、そうなの? って終わったうえに、
ちょっとサービスでニコッと笑うと、
男の子のほうが、たとえば、それが
アクション映画だとしよう、
ずーっとその話を
10分も20分もするんだって。
ノリスケ しょうがねーなー(笑)。
ジョージ で、熱く語れば語るほど、
自分ってものすごく情熱のある男で
女の子にモテるだろ〜! と思って、
熱く語るんだって。これ、大きな間違いね。
人間関係の前提がわかってない。
つねさん オタクぽいってこと?
ノリスケ でもさ、彼らはさ、
知識があって、そこを出したいって
気持ちがあるから、
そうなっちゃうんであって。
このばあいは、大したことないんだと思う。
せいぜい雑誌の読みかじりでしょ?
自分の考えたことを聞いて欲しいっていう
アピールじゃないと思う。


そうですな。
つづきます!

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2003-10-29-WED
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