| ノリスケ |
今日はジョージさんの妹さんをお呼びして、
「不幸なオンナとは何か？」について、
深く語りたいと思います。
|
| ジョージ |
妹のベスを紹介しま〜す。ベス〜！
|
| ベス |
はぁ〜い、ベスで〜す。
|
| ジョージ |
はい、よくできました。
|
| ベス |
姉がいつもお世話になっております〜。
|
| つねさん |
ワハハハハハハハ！
|
| ベス |
これから暴露したいと思います、はい。
|
| ジョージ |
いやいや、そうじゃなくって。
|
| ノリスケ |
あんたの話をして、役に立って欲しいわけよ。
|
| ジョージ |
いままで３人で完結していたわけなんですけど、
なんでこの期に及んで
妹を連れてきたかといいますとね、
ほら、私たちがお話しをすると、
どうしても、幸せな話に
なっちゃうじゃないですかぁー。
|
| ベス |
……あんたたちだって、
先はわかんないじゃない。
|
| ジョージ |
いいの、いま、幸せだから！
んで、ウチの妹というのがですね、
不幸癖のついたオカマ。
わかります？ わかります？
まずデブ。デブということで、もう、不幸。
オカマということで、不幸。
なのに、プラス、不幸を愛するオンナ。ね？
|
| ノリスケ |
不幸が好きなの？
|
| つねさん |
しかもいま不幸。
|
| ノリスケ |
不幸が好きなベスは、
じゃあ、いま、幸せなわけね？
|
| ベス |
うん、じゅうぶん幸せ。
お金では買えない幸せなの……。
|
| ジョージ |
いま幸せなんだ？
|
| ベス |
うん。
|
| ノリスケ |
どんなふうに？
|
| ベス |
逆戻りしたの。
|
| ノリスケ |
逆戻り？ よりが戻った？
|
| ベス |
そ・う。
|
| つねさん |
解説しないとわかんないね、
だから、つきあってた人がいて、
でもそれが、すごく合わなくて、
別れたい別れたいって、
ずーーーっと、何年間？
|
| ジョージ |
幸せの青い鳥物語って感じ。
|
| ノリスケ |
青い鳥はお家にいました？
|
| ジョージ |
この子は、彼がいながら、ずーっと、
どっかに自分を待っている人がいるに違いない、
って、「いい日旅立ち」だったの。
|
| つねさん |
白馬に乗った王子様を……
|
| ジョージ |
探してたわけだ。
だけど、寂しいわけだよね。
だから、“本理想”はいないんだけど……
|
| ノリスケ |
その言葉、ふつうの人にはわかんないわよ。
|
| つねさん |
“本理想”？ そうかも。
つまり、理想の相手っていうのは、
けっこういたりするのよ（笑）。
でも、そのさらに上をいく「本当の理想」は、
なかなか、見つからないんですー。
|
| ノリスケ |
だから僕たち、彼は理想の相手なのって言いながら、
さらに上を探して……まあ、ボクは、ちがうけど！
|
| つねさん |
ぼくもちがうけど！
|
| ジョージ |
とりあえず、まあ、心のスキマじゃなくて
体のスキマを埋めてくれる人はキープしといて。
|
| ノリスケ |
あら酷い言い方……
|
| ジョージ |
よくあるじゃないですか、
オカマの世界でなくっても、
メッシー、アッシーとかって、
一昔前、みたいな。ね？
で、そういうのをキープした上で、ベスは、
いろいろ営業活動しておりました。
|
| ベス |
姉、あんたはどうよ？
|
| ジョージ |
あぁっ！（赤面）
・・・そういう過去もあったりなんかして。
|
| ノリスケ |
よどまない、よどまない（笑）。
|
| ジョージ |
んでね、どうもね、どうもなかなかこれは、
というのが見つからない、というんで、
占い師に見てもらったんだよね。
さあベス、結果は？
|
| ベス |
「やめなさい」って言われたの。
|
| ノリスケ |
それは、何を？ 探すのをやめなさいと？
|
| ベス |
違うの、今つきあってるのを、やめなさい。
|
| ジョージ |
手相見せたら、
今つきあってるのがいますね、と。
それと、別れなさいって言われたのよね。
|
| ベス |
あなたが不幸になりますから、ってね……
ところが、結局は、
その占い師と彼がグルだったの！！！
|
| つねさん |
えっ！？ そーなのっ！？
|
| ベス |
うん。
|
| ノリスケ |
いきなり、すごいわぁ（笑）。
つまり、あんたと別れたい彼の方が
占い師に、そう言わせたってことでしょう？
|
| ベス |
そーなのよー（淡々）。
占い料を取りながら、
結局はウラでは、グルだったの……。
|
| ジョージ |
でも、占いしてもらってるときは
わからなかったわけね？
|
| ベス |
そう、やめなさい、って言って。
で、僕も、あ、じゃあ、
やめなくっちゃいけないんだ、と思って、
やめようと思ったんだけど。
でも、彼とその占い師と３人で会ったんだけど
……。
|
| ノリスケ |
え？ ３人で会ったの？
|
| ベス |
そう。彼が紹介してくれたんだもの。
|
| ノリスケ |
それ、最初から怪しいよ！！！
|
| ベス |
だって。
けっこう当たるっていうんだもの。
でも、占い料払いながら、
なーんか、へんだなーって。
|
| ジョージ |
不幸が好きな女は、不幸になるよと言われると、
そっちの方に走って行くのねえ。
|
| ノリスケ |
なんだか話が遠回りしたけど、
その彼と、よりが戻って、わけね？
なにがいいのかしら。
|
| ジョージ |
ベスのハニーは、料理が上手。
しかもね、家庭料理がものすごく上手で、
それこそね、今日は肉ジャガが食べたいぞ、
と思って帰っていくと、肉ジャガができてる！
|
| ノリスケ |
すばらすぃ〜。
以心伝心のイは胃袋のイね。
|
| ベス |
でもね、だめなの！
それはボクの好きな肉ジャガじゃないの。
|
| ノリスケ |
へっ！？
|
| ベス |
今どきのカフェ的な肉ジャガなのーっ。
|
| つねさん |
カフェ・ジャガ。
|
| ノリスケ |
いいじゃん別に……そのくらい、
おいしくいただけばいいじゃないの。
そういうとこで文句言うから不幸なのよ！
|
| つねさん |
だからこの子はそういうのが好きなんだってば。
|
| ノリスケ |
あーっ、理解できない！
|
| ジョージ |
あとね、まあ、ちょっと
体のスキマは埋まりやすい・・・。
|
| ノリスケ |
そういう肉体的特性がある？
水も漏らさぬ、みたいな？
|
| ジョージ |
そう、そこが一番良かったかな？
みたいな、感じもあるんだが。
あとは？ どこが、イヤなの？
|
| ベス |
縛られるのがイヤなの。
|
| つねさん |
やん、ＳＭ？
|
| ジョージ |
ちがうわよ、ストーカー系なのよ。
|
| ベス |
精神的なものです。
２６時間つきっきりよ！
|
| ジョージ |
昨日の夜はどこにいたの？
どうして外に出たの？
僕は今日お休みで寂しいのに、
なんで、来てくれなかったの？
どうして？ どこにいたの？
ん、ん？
……最初はそれが可愛かったんでしょ？
|
| ベス |
そう。
|
| つねさん |
でも、その後だんだん、
「いまあなたの部屋にいるけど、
どうして帰ってこないの？」
に変わってきたのか。
|
| ノリスケ |
怖い、部屋にいるんだ（笑）。
|
| ベス |
なぜかいるのよ！
いつ帰ってくるの？ とかってね（笑）。
|
| ジョージ |
何度も何度もベスから別れようとしたし、
別れるきっかけもあったわけ。
あのね、いちばん感動的な物語がね、
ひゅるりひゅるりら、哀しみ本線日本海、
上野でね・・・。
|
| ベス |
よっく憶えてんな・・・。
|
| ジョージ |
ベスのハニーが別れ話をしよう、と。
でも、ふつう別れ話を
わざわざ上野なんかでしないでしょう？
そこからしてお互い不幸好きよね。
でね、上野に行ったらね、
涙を溜めた、ベスのハニーがいるわけよ。
「分かった、こんなに嫌われてるんだったら、
いっしょにいても仕方がないから別れよう。
だけど、最期の思い出に、
旅行にいっしょに行って！」って、
手にはJRの旅行パンフレットを
握りしめていたのよ。ね？
|
| ベス |
その通りです……。
|
| ジョージ |
ところが。
彼はね、そんなにお金のある子じゃなくって・・・。
|
| ベス |
てゆーか、ぜんぜん無かったのっ！
|
| ジョージ |
で、バカなこの子は、
わざわざ自分でお金を出して
切符を買って旅行に行ったの！！！
|
| ベス |
ふたりっきりで行ったことがなかったから、
最初で最期のハネムーンをしたいっていうんで、
じゃ、どこへ行きたい？ って。
それで始まったの。
それで越冬ツバメになっちゃったの。
|
| つねさん |
それで、スキマが埋まって、またまた。
|
| ノリスケ |
それで戻っちゃったの？（笑）
|
| ベス |
そうなの……。
|
（つ、つづきます）
