| ノリスケ |
…将来さ、こないだ言ってたさ、
彼とじゃないかも知れない、
彼だけと、じゃないかも知れないけど、
コーポラティブ・ハウスみたいなのを
作るっていうのは、どのくらい、
どういうふうに考えてるの？
ケアつき分譲集合住宅を丸ごとつくって、
仲間だけで住もう、っていうお話。 |
| ジョージ |
んーとね、色んな意味があってね、
例えば、ウチのような会社でも、
結婚をしないということは不安定で、
一人前じゃないと思われるのよ。 |
| ノリスケ |
取締役がカミングアウトしてる会社が！ |
| ジョージ |
そうなの。
で、なんで一人前じゃないと
思われるかっていうと、
将来に対する不安を残していると、
今の仕事がおろそかになるんじゃないかっていう、
固い考え方を持つ人たち、いっぱいいるんだよ。
そうしたら、結婚してね、
嫁さんが例えばピンサロ勤めをして、
息子が暴走族に入って
娘は援交でもって捕まりました、っていう人も、
それじゃ、結婚してるから一人前で
安定した生活をしてるのか？
っていうことになっちゃうんだけどね。 |
| つねさん |
家庭内暴力あったりとかね。 |
| ジョージ |
そう。だけど世の中の人は、
独身だっていうだけでもって、
不安定だと思うもん。 |
| ノリスケ |
カードが作れないとかね。 |
| つねさん |
ねっ。 |
| ジョージ |
そう。それで、そんなんじゃないでしょ？ って。
その、結婚してなくっても、
みんなでもって支え合って、
楽しい老後が来るんだよー、
来ようと思えばできるんだよー、
っていうことを言い続けると、
独身の人が楽しく仕事ができるんだよ。 |
| つねさん |
あ〜。 |
| ジョージ |
で、何より、その、独身の人たちや、
……これ、数の理論だからね。
独身の人たちが手をつなぐことによって、
独身じゃない人たちに対する
プレゼンスになるんだよね。
あんたたちは結婚して安心かも知んないけど、
結婚っていうのは二人なんだよ、って。
で、子供たちが独立すると二人なんだよ、って。 |
| ノリスケ |
うん。 |
| ジョージ |
僕たちは、子供はいない代わりに、
１０人集まったら１０人いるのに
２対１０ってどっちがいいの？ って、
言うようなぐらいのつもりで、
会うたんびに、酒飲むと、
「もう少し料理上手にならないと入れてやらない」
とかって、言い合うの。 |
| ノリスケ |
アハハハ。老後のために。 |
| つねさん |
そういうのがあるんだ。へー。 |
| ジョージ |
あとは、やっぱり、年を取って大切なのは、
自分そのものの価値が大切なのであって、
会社の中でどんなに偉そうに仕事ができていても、
会社を辞めて老人ホームに入ったら… |
| つねさん |
普通の個人でしかない？ |
| ジョージ |
うん、例えば、誰よりも歌が上手とか、
誰よりも上手にピアノが弾けるとか、
誰よりも洗濯好きとか、っていう方が… |
| つねさん |
人気者だよね。 |
| ジョージ |
人気者なんだよね。 |
| ノリスケ |
うん。 |
| つねさん |
気配りができるとかね。 |
| ジョージ |
そう。で、そういう部分を、
みんなで育てようよ、っていう気持ちもあり。
で、あとやっぱりお金が必要だからね。 |
| つねさん |
ちゃんと… |
| ジョージ |
うん、みんなでもって一生懸命稼いで、
節約する必要はないけれども、
他の人に恥ずかしくないぐらいの
貯えを持っときましょうよ、って。
勇気づけだね、お互いにね。 |
| ノリスケ |
なるほどね。 |
| ジョージ |
で、そういうのを、
独身の人たちで集まって、盛り上がってると、
妻帯者もやって来て、羨ましいなー、
僕も入れて下さい、とかって言うの。
いやだよ〜って。
ひとりじゃないと入れないから、って。 |
| つねさん |
じゃ、離婚します、とかって？（笑） |
| ジョージ |
どうせ僕、離婚されますから、って。 |
| ノリスケ |
ああ、される、か。する、じゃなくって（笑）。 |
| ジョージ |
で、そういうのって大切だよ。
僕たちは、どゆんかな？ やっぱり、
人間はひとりじゃ弱いけども、
何人か集まったら、
ひとりよりも強くなれるからね。 |
| ノリスケ |
うん。…そっかー。…貯金始めよっかなー？（笑） |
| つねさん |
貯金ねー。 |
| ジョージ |
でもね、あのー、テレビ番組なんかで、
切り詰めて切り詰めて爪に灯をともして
５年で２千万貯めましたとかっていうの、
出てくるでしょう？ |
| つねさん |
あーっ。あれ嫌い。 |
| ジョージ |
あれは嫌い。 |
| ノリスケ |
あれはねー。 |
| つねさん |
だって、本末転倒だと思うんだな。 |
| ジョージ |
あれは嫌いだよ、だって、じゃあその人が、
貯めた２千万を何かに使ってしまったら、
その人は何にも残んないんだよ。ね。
だけど、５年間で、
５００万しか貯まらなかったとするでしょ？
２千万貯める余力のある人が、
余力というか必死になれば２千万貯まる人が、
５００万しか貯めなかったら、
その人は１千５００万円分の
思い出を作ってるんだよね。
だけど２千万の人には、
思い出はゼロなんだよ、たぶん。 |
| ノリスケ |
うん。 |
| ジョージ |
何の思い出があるかっていうと、
マズイものを我慢して食ったり、
節約をしたという思い出しかないんだよね。 |
| ノリスケ |
お風呂の水を取り換える回数を減らしたり（笑）。 |
| つねさん |
そうそうそう。 |
| ジョージ |
で、それが楽しい生活とか老後に繋がるか？
っていうと、楽しい生活や楽しい老後は、
浪費の中にあるわけであって、
節約の思いでは、そういうのには繋がらないの。 |
| ノリスケ |
いらないよね。うん。 |
| つねさん |
だから、身の丈くらいの節約をしつつ、
身の丈くらいの貯金をする。 |
| ノリスケ |
でも、月２５万は貯まらないよ〜（笑）。
|
（つづきます）
