11人もいる!
テレビ朝日系●金曜日午後11時15分
あやや つぎは、これでどうでしょう。
宮藤官九郎さん脚本の『11人もいる!』。
荒井 『11人もいる!』?
『11人いる!』じゃなくて?
あやや ん?
── 『11人いる!』という
萩尾望都さんの名作マンガがあるんです。
荒井 それと関係あるんですか?
森下 そういうわけじゃないみたいですね。
少なくとも、原作とか、
そういうことではなさそう。
荒井 なるほど。
あやや あの、言っていいですか?
このドラマの個人的な
注目ポイントを言っていいですか?
── 言うんでしょ?
荒井 言うんでしょ?
森下 言うんでしょ?
あやや むろん、言います!
この『11人もいる!』、なんと!
宮藤官九郎作品であるにもかかわらず!
星野源さん以外、いつもの
いわゆるクドカンファミリーが出てないんです!
ほら、阿部サダヲさんとか、
荒川良々さんとか、猫背椿さんとか。
── へーー。
荒井 ああ、そうなんですね。
あやや いつも宮藤さんの作品って、
豪華なゲストはありつつも、
肝心な部分ではお馴染みの人たちが
軸になってるというか、
笑い取ったりするじゃないですか。
最後は絶対この人がもっていくから
鉄板! みたいな。
ところが、今回、それがない感じなんですよね。
── あー、なるほど、つまり、
「怪演」する人が見あたらないんだね。
あやや そうそうそうそう。
ま、実際にはどなたか
出られるのかもしれませんが、
いまのところは。
森下 あ、でも、田辺誠一さんって、
大人計画関係の舞台に出てた気がする。
この人が軸だったりして。
あやや えっ、田辺さんが持ってくんですか!
荒井 田辺さんが「怪演」を‥‥。
森下 それはそれでおもしろそう(笑)。
荒井 そもそも、新しい人が多いですね。
クドカン作品に限らず、
はじめて見る名前が多い。
あやや 子役が多いからでしょうかね。
気がついたら、加藤清史郎くんもすっかり、
子役の中における先輩みたいな。
森下 なんか大きくなったね。
あやや あ、清史郎くんといえば、
最近、わたし、あれ観たんだ、
『忍たま忍太郎』。
── え? なに? なに観たって?
あやや え? 『忍たま忍太郎』。
── 「にんたま」‥‥なに?
あやや 「にんたろう」。
「にんたまにんたろう」。
森下 どうして「にん」を続けるの?
あやや どういうこと?
荒井 『忍たま乱太郎』ですよ。
あやや あっ、それそれ、それです、
『らんたろう』?
『にんたまにんたろう』? 
あれ? 『らんたろう』?
『らんたまらんたろう』?
森下 どうして「らん」を続けるの?
あやや 『らんたまにんたろう』。
荒井 逆。
── 逆。
あやや 『忍たま乱太郎』です!
── そういえば、あやちゃんはね、
このあいだまで、イルカの英名を
「ドロフィン」だと思い込んでたんですよ。
森下 え。
荒井 どういうことですか。
── 「ドルフィン」を「ドロフィン」って
ずーーーっと発音してきたらしいんです。
森下 うそー。
荒井 ある意味、発音よすぎ?
あやや だって、いままで、
だーれも、指摘しないんですもん。
荒井 まぁ、ぱっと聞いただけじゃ、
わからないですけどね。
あやや ドロフィンでいいじゃないですか!
── ていうか、あやちゃん、
それ、カタカナだからね。
カタカナ読みまつがえてるってことだからね。
あやや ドロフィン。にんたまにんたろう。
森下 で、なんの話でしたっけ?
荒井 『11人もいる!』です。
あやや 主演は神木隆之介くん。
この人は、かつて子役だったことを
忘れそうになるくらい成長されてますが。
── ぼくは急に大きくなった感じで驚いてます。
久々に会った甥っ子感覚です。
森下 大きくなったよねぇ。
いまや18歳ですからね。
荒井 身長も伸びましたよね。
かっこいいというより、
まだかわいいという感じも残ってるけど。
あやや ええと、内容を見ていくと、
これ、基本はホームドラマ。
ひとりひとりの家族が個性的で
掛け合いとかがおもしろいんでしょうね。
森下 きっと、おもしろいと思いますよー。
あやや 宮藤さんの家族ものって
『タイガー&ドラゴン』とかでも、
西田敏行さんとか、落語家の一家のやり取りが、
毎回、すっごいおもしろかったじゃないですか。
森下 おもしろかった、おもしろかった!
── おもしろかったー!
荒井 お、めずらしく永田さんがドラマの感想を。
── ぼくも『タイガー&ドラゴン』くらいは観てますよ。
あやや ていうか、ソレ、仕事だったから。
── しーーーーっ。
森下 だから、逆にいうと、
いつものクドカンファミリーが
いない家族モノっていうのもたのしみですよ。
あやや ああ、なるほどね。
ホームドラマでコメディっていう
ある意味、鉄板のジャンルだからこそ
そこでメンバーが新鮮なほうが。
森下 そうそう、あらたなおもしろさが。
あやや そういえば、あれも、そういう感じでしたよね。
斉藤由貴ちゃんがやってた
宮藤さんのお昼のドラマ。
森下 あぁー、大好きだった!
あれでしょ、『吾輩は主婦である』。
あやや そうそうそう。
あのクドカンが昼メロをやるっていうんで
どうなるんだろうと思ってたら
すっごいおもしろかったじゃないですか。
あれも、ホームドラマでしたね。
── ちなみにその昼ドラも笑えたの?
あやや 笑えた、笑えた!
すっごいおもしろかったですよね。
だから、宮藤さんって、基本的に
役者さんを使うのがすごい上手なんですよね。
つねにその人の個性が活きるというか。
森下 うん、ご本人も役者やるし、演出もやるから。
「活かし方」みたいなものが
両方の側からわかるんでしょうね。
だから、役者さんがすごい生き生きする。
── なるほど、なるほど。
荒井 しかし、深夜11時15分からのドラマだから
しょうがないのかもしれないけど、
出てる女優さんが知らない人ばっかりですね。
あやや あ、でも、こっちの資料によると
広末涼子さんが出ますよ。
荒井 あ、そうなんですか?
あやや 死んじゃった奥さんの役です。
だから幽霊なんですけど、
死ぬ前の役としては、ストリッパー。
スペシャルなキャスティングですよ、これ。
荒井 幽霊の役。で、ストリッパー。
あやや ストリッパーなんですよ。
ってことは脱ぐ? 脱ぐかも?
深夜11時15分に、広末さんが。
森下 脱ぐ必要ないでしょ。
── あっさり(笑)。
森下 夜11時15分に、
ひっそり脱いでどうするんですか。
あやや でも、そこで脱いだら話題になりますよー。
荒井 そりゃそうだけど。
森下 そんな脱ぎ方しないですよ。
わたしが広末涼子だったら、
夜11時15分に脱がない!
一同 (笑)
あやや 脱がないのかぁ。
11時15分に脱がないかぁー。
荒井 脱がないと思いますよ(笑)。
森下 でも、ストリッパーの衣装着て、
それっぽいことくらいは
やってくれるかもしれないですよね。
木更津キャッツアイのローズ姉さんみたいに。
あやや あっ、そうですね。
荒井 ちなみに、ほかの出演者は、
みなさんご存じですか?
あやや ええと、有村架純ちゃんは知ってます。
すっごいかわいいですよ、この子。
あれに出てました『ハガネの女』。
ちょっとね、ぷくぷくしてる感じの、かわいさ。
いまどきの子にしては、
がりがりにダイエットしてない感じで、
かわいいーーんですよー。
あと、映画で観たことありますけど、
平岡拓真くんもいいですよね。
森下 個性ありますよね、この人。
あやや それから、知ってるわけじゃないんですけど、
この五月(さつき)ちゃん役の子が、
いい味出すんじゃないですかね。
「大食漢」って書いてあるのが気になる。
森下 これ、名前に数字がついてるんですね。
一男、ニ子、三子、四郎、五月、六助、七男‥‥。
あやや あ、ほんとだ、ほんとだ。
で、末っ子が清史郎くんで‥‥
あれ? 清史郎の役は数字がついてない。
荒井 末っ子だから「才悟(サイゴ)」なんでしょう。
あやや ああー、サイゴ!
森下 もう打ち止めってことだね。
あやや 総勢、11人? それ以上?
やっぱり、おもしろそうですね、コレ。
森下 観ますよね。
あやや ふむふむ‥‥(資料を読みながら)
えっ! 「向田邦子賞を受賞した宮藤官九郎」?
森下 そうなんですよ。
あやや すいません、知りませんでした。
え、どのドラマで受賞したんですか?
森下 『うぬぼれ刑事』。
荒井 へーー、あれかぁ。
あやや ああー、そうなんだ!
森下 『木更津キャッツアイ』とか
『タイガー&ドラゴン』で受賞しても
おかしくなさそうですけど、
受賞作品は『うぬぼれ刑事』。
あやや 『うぬぼれ刑事』は観てるときの
満足度が毎回毎回高かったですよね。
すっごい、おもしろかった。
森下 わたし、いまだに好きですよ。
あやや わたしも『うぬぼれ刑事』の最終回、
消せないですもん、ハードディスクから。
「これは名作だ!」と思って。
── え、そういう「消せない回」があるの?
あやや ありますよーーーー。
でも、まぁ、たいていの名作は
こころのハードディスクに
永久保存されてますけど。
なんなら、いますぐ解凍しますけど。
── またの機会にお願いします。
荒井 しかしこれ、謎が多いドラマですよね。
けっこうストーリーを重視してるのか、
それとも、とことんコメディーなのか。
遅い時間帯で、若手俳優でっていうんだと、
思いっきり飛ばしそうな気もしますけど、
広末涼子さんが出るとなると、
ちゃんと組み上げてきそうな気もする。
あやや うーん、どうですかねぇ、
コメディーに走りそうな感じもするけど。
森下 なんていうか、観る側の気持ちとしては、
走りすぎるのもちょっと、
という感じもあるんですよね。
宮藤さんって、
ドラマへの愛があふれすぎるときって、
こう、暴走するときがあるから。
それも「らしい」っちゃあ「らしい」んだけど。
荒井 わかります、わかります。
ストッパーが効かなくなってる感じのときが。
あやや シュールすぎるときって、ありますよね。
でもわたし『未来講師めぐる』とかも
けっこう好きだったけど(笑)。
荒井 まぁ、バランスでしょうね。
世間一般的な評価も大事だからなぁ。
その意味では、演出スタッフ陣が
バランスを取るといいんでしょうね、きっと。
あやや 『11人もいる!』の宮藤さんは、
暴走するのか? しないのか?
見守りつつ、期待しましょう。
あと、広末さんは11時15分に、
脱ぐのか? 脱がないのか?
森下 だから、脱がないってば。
家政婦のミタ
日本テレビ系●水曜日午後10時
── 荒井先生、ひとつ、挙げてもらえますか。
荒井 じゃ、『家政婦のミタ』、いきましょうか。
あやや 『家政婦のミタ』‥‥。
森下 この秋のドラマって、タイトルが
パロディーになってるものが多いですね。
『11人もいる!』もそうだし、
『家政婦のミタ』って、これはもう。
あやや いわずとしれた、市原悦子さんの
『家政婦は見た』のパロディー。
荒井 主演の松嶋菜々子さんの役が
「家政婦の三田さん」なんですね。
で、「家政婦の三田」‥‥『家政婦のミタ』。
内容は似てるんですかね、やっぱり。
あやや どうなんだろう。
「ミステリアスな家政婦、三田が、
 家庭が抱える問題を見抜き、
 完璧な家事スキルでそれを解決する」。 
森下 狙いとしては『ハケンの品格』とか、
そういう路線なのかなあ。
不愛想なんだけどスキル完璧っていう主人公が
周りの難題を解いてまわるっていう‥‥。
あやや あーー、なるほど、なるほど。
森下 不愛想でスキルが高い女性が
活躍するドラマって、
最近、すっかり定着した感じですね。
あやや そうですねー。
日テレの『曲げられない女』とか。
あっ、脚本家は同じ方ですね、遊川和彦さん。
森下 『女王の教室』なんかもそうですよね。
あやや ああ、そうだ、そうだ。
森下 で、観るとやっぱりおもしろい。
とくに日テレの得意分野になってますよね。
荒井 そういえば、
松嶋菜々子さんが日テレの連ドラに出るの、
はじめてじゃないですか?
あやや あ、そうですね。
荒井 そもそも、松嶋菜々子さんの
主演ドラマ自体が久しぶりですけど。
『救命病棟』シリーズ以来じゃないかなぁ。
あやや あー、そうかも。
森下 ほかの出演者でいうと、
わたしの注目は長谷川博己さんなんですが、
個人的に、とっても気にしているのは、
彼がメガネをかけるかどうか!
あやや あーー、『セカンドバージン』、
『鈴木先生』、ときて。
森下 そうそうそうそうそう。
荒井 つまり、メガネかけてほしいんですか?
森下 かけてほしいんです!
わたしね『セカンドバージン』はね、
なぜコウくんのことを、みんなそんなに好き?
って感じで、特に意識したことなかったんだけど、
『鈴木先生』のメガネは‥‥よかった。
この人ほど、この人ほど、
メガネと相性のいい人はいない気がする!
(机をドンと叩く)
荒井 ‥‥‥‥。
── ‥‥‥‥。
あやや わかります、わかります、
あの、加瀬亮さんとか、
もともとメガネ男子を好きだった女の子が、
いま、長谷川さんに注目してますよね。
森下 ええ、いま、ここが最高峰です!
ああー、この写真に描きたいもん、メガネ。
あやや たしかに、たしかに!
── 荒井先生、メガネ男子について
どう思われますか。
荒井 かけてるかどうかでそこまで大きな差がある
というのがわかんないですね。
俳優がメガネをかけていようがかけていまいが
どっちでもいいです。
── おっしゃるとおりです。
あやや だまらっしゃい!
森下 (聞いてない)
あのね、わたしはね、
アンケートをとって欲しいくらいですよ。
メガネを取った長谷川さんと、
メガネを取らない長谷川さん、
「どっちが好きですか?」っていう。
あやや とりましょう、とりましょう!
アンケート!
── 選択肢に「どちらでもかまわない」を
追加してほしいですね。
荒井 もっというと「どうでもいい」と答えたいです。
女ふたり どうでもよくない!
男ふたり ひぃ。
あやや ちなみに長谷川さんは
松嶋菜々子さんの相手役ということですかね。
荒井 うーん、どうでしょうね。
簡単に恋に発展するような
ドラマじゃなさそうですけど。
あやや 結城家と阿須田家があって‥‥
ああ、なるほど、
長谷川さんの奥さんが亡くなって、
松島さんの演じる家政婦さんが来るんですね。
森下 あ、相武紗季ちゃん扮する義理の妹が
コウくんのこと好きっていうのはどうですか?
義理の妹が、義理の兄を好きっていうパターン。
荒井 ここでは「コウくん」じゃないけど、
なるほど、それは、あったらおもしろそう。
脚本家っぽい読みですねー。
あやや ほかの出演者で言うと、忽那汐里さん。
この人、いいですよ、実は。
森下 かわいいですよね。
あやや かわいいし、ちゃんとした役をお渡しすると、
じつは、ちゃんとした演技をなさるっていう。
『BECK』っていう映画のヒロイン役ですよ。
荒井 ポッキーのCMでテキパキ踊ってた人ですね。
あやや そういう元気なキャラクターがありつつも、
じつは女優さんタイプなんじゃないかと。
森下 ああ、そうですんぇ。
派手なタイプの顔じゃないもんね。
荒井 たしかオスカーですよね。
上戸彩ちゃんの後輩。
── みなさん、ほんとによくご存じで。
あやや たぶん、忽那さんは、将来的に、
アイドル的なものじゃなくて、
演技を追求される方なんじゃないでしょうか。
森下 ‥‥どうでもいいけど、あやや、
なんでそんな敬語なの?
いつも女優さんを語るとき、
友だちのことのようにしゃべってるのに。
あやや 「忽那さん」に対しては、そうですね。
ちょっと尊敬してるんです。
森下 へぇー。
あやや ほら、友だちとテレビの話してても、
松雪泰子さんって、呼び捨てじゃなくて
「松雪さん」って言うじゃないですか。
森下 あああ、たしかに、たしかに。
女優さんって、必ず「さん」ってつく人と
そうじゃない人がいるよねぇ。
あれは、なんなんだろうねぇ。
あやや わたし、忽那さんは、若手だけど、
「さん」をつけて呼ぶんです。
荒井 尊敬してるんだ(笑)。
あやや ところで『家政婦のミタ』、
ドラマとしての期待感はどうですか。
荒井 番宣の無表情なミタの写真を見ると、
変なおもしろさがあるような気がしますよ。
森下 うん。
あやや 松嶋菜々子さんの魅力と
タイトルがキャッチーなところで、
初回の視聴率は取れると思うんですけど、
そのあとのストーリーで
どう引きつけていくのかっていうのが
重要だと思いますけど。
森下 『女王の教室』みたいに
凝ってくれるとうれしいですね。
たんなるいい話じゃなくて、
家の中を引っ掻き回してくれると、
おもしろいかもしれないですねぇ。
あやや うん、そうですね。
森下 よし、期待しよう。
師匠だし、遊川和彦さん。
あやや ああ、そうでしたね。
たしか、はじめて書いた脚本を
監修してくださったという。
森下 そうそうそう。
『平成夫婦茶碗』の
企画プロデューサーなんです。
あやや 遊川さんって、コメディーもできるし、
おもしろいですよね。
森下 ご本人もめちゃめちゃおもしろいです。
あやや 松嶋菜々子さんと遊川さんって過去には?
森下 『魔女の条件』とか『GTO』とか
けっこう長いつき合いですよ。
あやや あーー、そうか、そうか。
荒井 コンビネーションとしてはいいですね。
あやや そっか、そっか。
なんか、すごい期待が持てますね。
『家政婦のミタ』、たのしみになってきました。
うーん、やっぱ、この企画、ためになるなぁ。
荒井 はははははは。
森下 自画自賛(笑)。


(つづきます)

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2011-10-31-MON