本読む馬鹿が、私は好きよ。
その2:池波正太郎を読む人々。

まずは、シリーズものから。

ほぼにちわ。丁髷乙女もぎであります。
わたしの正月は、丁髷三昧といってもよかった正月です。
darlingから、おすすめ本をおせえてもらったんです。
(これも、順次とりあげていきますね。)

みなさまのおすすめの、
池波正太郎であります。

さて。前置きはいいのじゃ。
先にすすもうではないか。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

こんにちは。おれが書かずに誰が書く、
な池波ファンでございます。
たくさんの著書がおありになる池波さんですが、
やはり代表作は

『鬼平犯科帳』
(文春文庫)
『剣客(けんかく)商売』
(新潮文庫)
『殺しの4人〜仕掛人・藤枝梅安シリーズ』
(講談社文庫)

ではないでしょうか。

池波さんといえば、食べ物の描写にも定評があります。
決してグルメではありませんが、
今はなくなりつつある四季折々の
食べ物の絶妙な表現。
もし時代小説を読むのに
二の足をふんでいらっしゃる方ならば、
ためしに『池波正太郎・鬼平料理帳』(文春文庫)
なぞをさらっと読んでみてはいかがでしょうか?
「おっ・・・うまそう・・・読んでみるか」
となること請け合いです!

sawa


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

シリーズものと、料理!
時代小説だけでなくて、
料理のエッセイもたくさんあるんですよね。

じゃあ、今日はまず、
剣客商売をすすめられてみましょう。


剣客商売
新潮文庫
池波正太郎 (著)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

あぁ!池波正太郎様!(以下、敬省略)
好きな作品が多過ぎて、ほんとうに困ってしまいます。
池波の文章は、まさに「池波正太郎」の顔をしていて、
どこで見てもすぐ分かります。
それってすごいことだな、と。
また、食べ物についての描写がほっんとに美味しそうで。
作中に登場する料理について書いた本もあるくらいです。
そして何よりも社会性のある、
苦いも甘いも噛み締めたというか、
清濁あわせのむような考え方。
私は池波本から、
大袈裟にいうと生きる姿勢のようなものを
学んだような気がします。

さて、どれを紹介したらいいのか、
たいへん悩むところですが、
まず「剣客商売」(新潮文庫)。
これは絶対にはずせません。
様々な年代・職業のレギュラーメンバーが活躍し、
剣豪小説(?)でありながらホームドラマでもあり、
また人情物ともいえる、
とてもふくらみのある作品だと思います。
毎年、年末年始休暇中に読みかえしていますが、
読んでいると、脳内劇場で秋山小兵衛
(キャストはもちろん中村又五郎丈!)や大治郎、
おはる、傘徳たちが生き生きと動き始めるのです。
あぁ・・秋山小兵衛は私の理想だわ。
といいつつ、飯田粂太郎少年や、鰻売りの又六も
お気に入りだったりするのですが。
また、私はこの小説を読んで、
田沼意次に対する認識を新にしました。

SATOYO

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

こんにちは。笹木と申します。

ついに来ましたね、「池波正太郎を推す」!
私はこれを待っていたんですよ。
池波先生の小説は他の方とは全く違っていて
日本人では私が一番好きな作家です。

池波先生の文章は最初は、
特に若い人には物足りないくらいサラッとしています。
でも、何度か読み返していると
その味わいがしみじみ解ったりします。
季節感の出し方、雰囲気の描写が
シンプルな言葉でフッと頭に響きます。

私が彼の本を読み始めたのは中学生の時ですが、
今読んだ方が面白いです。
作者の方が年配の方だからでしょうか。
もっと年をとれば、もっと面白くなるかもしれません。

私の一番好きなシリーズは「剣客商売」。
後半になると暗めの話が多くなります
が、それでも基本的に明るくてのどかな感じが好きです。
と、言っても、毎回のよう
に誰かが斬ったり斬られたりしているのですが。
主人公の秋山親子だけでなく、
周囲の登場人物も皆、それなりに味があります。

吉田 美雪

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

やはり『剣客商売』でしょうか。
秋山親子の活躍に胸のすく思いがしたり、
少し苦い気持ちが残ったり、
涙したり、クスリと笑ったり。
清濁併せ呑む感じが、グッときます。
そして、食べ物のうまそうなことと云ったら。
読んでいると、
「食べたい!!」の前に「作りたい!!」
という衝動が襲ってきます。
気をつけてください。

せきゅ

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

私のイチオシは、「剣客商売」シリーズなのですが、
これはもう他の方が推してくださっていると思うので、
私は敢えて番外編の
「ないしょ ないしょ」を推したいと思います。
池波氏の女性の描き方は、
「牛蒡のような女」がシリーズ中に登場するように、
個性的に描かれることが多いのですが、
この作品は池波作品の中でも
「女性」を主人公とする小説です。
出来ればこの作品は、
剣客商売シリーズを読んでから読まれると
いっそう面白いもの
となると思います。
なぜなら、この物語は剣客商売の主人公でもある
秋山小兵衛の若き日の物語でもあるからです。
是非一度、池波作品を読んでみて下さい。

それと、最後に注意をひとつ。
池波作品をダイエット中に読むことはお勧めしません。
というのも、池波氏は食べ物の描き方が絶妙であり、
ちょっとした食べ物の文章でもヨダレが出そうになります。

そういうちょっとした部分も楽しんで読んでみて下さい。
小太郎

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

以上おすすめの本はすべて新潮文庫にあるそうです。
本屋さんをまわった感じだと、
結構な確率でおいてあります。
シリーズものなので、全部がきっちりそろってる
というわけには行かないみたいですが。

久しぶりに、わたくしも本棚からひっぱりだして、
お風呂でよもうかなあ。

というわけで、次回は、
「藤枝梅安」のおすすめであります。

2002-01-14-MON

BACK
戻る