からい

【鹹い】



‥‥‥からい
 塩とか入れすぎ! ってときの、
からい、なんですか?
‥‥いや。‥‥いやいやいやいや!
それは「辛い」って字がありますしー、
「塩辛い」なんて、よく見かけますよ。
えー違うんですか?
‥‥‥‥‥‥。ほう、なんと!
これも「からい」と読んで、
とくに「塩気が強い」つまり「しょっぱい」の
意味のときはこちらを使うそうですよ。
はぁ。言われてみればねえ、
唐辛子の「ひー! 辛い!」っていうのと、
「味つけ失敗! 塩入れ過ぎた! からい!」のときの
からさって、違いますよね。
なんだか今となっては、違う字があって
ほっとしたような気すらしますよ。
調べてみますと、「辛い」も間違いではなくて、
「鹹」の字は「辛」の古い字らしいです。
刺激的な味ってことで、意味も実は同じとか。
つまりまとめますと、
唐辛子やチリペッパーのToo Hot! な味には
「鹹」よりも「辛」。
塩入れ過ぎたー! のときは、
どちらでもいいけどあえて書くならば、
「鹹」と。
おぼえておきまーす。

【解説】 からい 【辛い/鹹い】
(1)舌が刺激を受けるような味だ。
   胡椒(こしよう)・山葵(わさび)
   ・芥子(からし)などの
   舌がひりひりするような感じの形容。
(2)塩のきいた味だ。
   塩からい。しょっぱい。《鹹》
(3)(処置や評価が)情け容赦がない。
   苦痛を感じるほど厳しい。
(4)心や体が痛むような状態だ。苦しい。
   堪え難い。残酷だ。
(5)差し迫った状態にある。危ない。
(6)いやだ。気に染まない。
三省堂『大辞林 第二版』より

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