したたる

【滴る】


例文 したたる汗をぬぐいもせず、オレは走った。
なにも考えず、ただひたすらに、
走るという行為を続けるためだけに走った。
そうするうちに手足はオレの意識から離れていき、
ただ規則的にサイクルを続ける
馴染みの道具のようになっていく。
意識はクリアーだが、現実感は薄い。
ふわふわとした感覚がオレの体を包む。
気持ちいいな、と思うころ、
背後から誰かが叫ぶ声が聞こえた。
「食い逃げだーーーーっ!」

とじる