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土曜日は土っち!?〜あいまいサタデー〜

「読めるけど、いつもどっちか迷うんだよね」
「ことばは知ってるけど、書けといわれると自信がない」
あいまいなことばをクイズでお楽しみください。





体があまり丈夫でないことをいう、
「蒲柳の質」。
読み方は、どっち??



ほりゅうのたち

ほりゅうのしつ


クリックすると答えが下に表示されます。





●これはこういうものだから。

りか
なんでかわからないけど、
こうなんですよねえ。

アロハ
えー。
じゃあ、間違えてもだいじょうぶ?

りか
だいじょうぶってことは
ないですけどー。
ていうかアロハっち、
「蒲柳」は読めたの?

アロハ
読めないですよー。
「かばやなぎ」?
「かばやき」?
って考えてました。
やっぱり違いましたね。

りか
読めないのに
慣れちゃってるなあ。
それもどうかと思うわ。
じゃ、この「蒲柳の質」ってことばは
知ってた?

アロハ
えっと、下にもある解説を見たら、
聞いたことあるの思い出しました。
わたしのことですよね。おほほ。

りか
‥‥フラダンスで、
40分も踊り続けられるアロハっちは、
違うと思うよ。

アロハ
わたしには柳より、
南国のヤシの木の方が似合いますよね、
やっぱり。きゃはは。

りか
‥‥ほっとこう。
えーと、「質」は「しつ」とも
「たち」とも読んで、
意味もほぼ同じです。
でも、「蒲柳の」ときたら、
「質(しつ)」。
なんでかっていうと、
これでひとつの慣用句なのです。

アロハ
慣用句って、
決まり文句みたいなものですよね。

りか
うん、そう。
「犬も歩けば棒に当たる」とか。
「棒にぶつかる」みたいに、
意味が同じでも、
言い方を変えないのが
慣用句と言えますね。

アロハ
あー、そういうのありました。
「道草を」と言えば、
「食う(くう)」。
「食べる」でもよさそうだけど、
「道草を食べる」とは
言わないんですってね。

りか
そうそう!
そんな感じ。

アロハ
でも、「蒲柳の質」は
あんまり言わないからおぼえにくいかも。

りか
そうですねえ。
「質(しつ)」と「質(たち)」って、
使い分けてる?

アロハ
うーーーーん‥‥あ、
「質(しつ)」がいい、悪いっていうと、
物質そのものに対してだけど、
「質(たち)」がいい、悪いっていうと、
それの性格に対してってイメージがあります。

りか
なるほどー。
「蒲柳の」っていうのも、
肉体に対して、その質(しつ)を
指しているってことで、
「質(しつ)」って読みかたなのかしら。

アロハ
あれ? でも、
「頭痛が起こりやすい質(たち)で」、
なんて言ってた人、いましたよ。
どちらとは分けられないんじゃないですか。

りか
ありゃ。そうですねー。
もうこうなりゃ、
おぼえるしかないかな。

アロハ
わたしはもうだいじょうぶ!
今日何回も
「蒲柳の質」! って聞いたから、
おぼえた気がしますぅー。

りか
その気になりやすい
質(たち)だね‥‥。

【解説】
ほりゅう-のしつ ―りう―【蒲柳の質】
体がほっそりしていて病気になりやすい
弱々しい体質。

ほりゅう ―りう【蒲柳】
〔「蒲柳」はカワヤナギの意。
 カワヤナギの葉は早く落ちるところから〕
ひよわなこと。虚弱。

しつ【質】
(1)もちまえ。生まれつき。
(2)内容の良否。価値。
(3)(ア)〔哲〕事物について
   さまざまに述べられる側面の一つで、
   ことに量に対するもの。
   「どのような」という問いに対応する
   事物の在り方。
   (イ)〔論〕判断が肯定判断か
   否定判断かということ。判断の質。

たち【質】
(1)人の生まれつきの性質・体質。
(2)その事柄の性質。

三省堂『大辞林 第二版』より

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2006-08-12-SAT

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