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土曜日は土っち!?〜あいまいサタデー〜

「読めるけど、いつもどっちか迷うんだよね」
「ことばは知ってるけど、書けといわれると自信がない」
あいまいなことばをクイズでお楽しみください。





おいしいものを食べたときに、
舌を鳴らすことを言う、
「舌鼓を打つ。」
「舌鼓」の読みかたは、どっち!?



したづつみ

したつづみ


クリックすると答えが下に表示されます。





   
アロハ え、そうなんですかー。
っていうか、
こういうふうに書くんですね。

りか
ええ、そうみたいですね。
っていうか、
いままで書けてなかったんかーい。
アロハ んー、ことばとしては使ってましたよ。
「てんぷファイルが開けませーん」
みたいな。

りか
そうそう、それですね。
でもじつは、「貼付」のほうは
慣用読みで「てんぷ」になったんです。
正しくは「ちょうふ」と読みます。
アロハ 慣用読み?

りか
読みまちがいとかが、
ずっと使われているうちに
そういう読みかたもある、
って認められることです。
アロハ あー、「ヨメナ語」でもよく出てくる、
言葉が変わっていく例のひとつですね。
そういえばー、「韓流」ってことばを、
ヨン様ブームのころに、このヨメナ語で
とりあげましたよね?
で、そのころは「韓流」は
「はんりゅう」って読みます、って
いろいろな資料に書いてあったのに、
いまではふつうにみんな
「かんりゅう」って言ってますもんね。

りか
うん、日本語読みのほうが
わたしたちには自然だった、
ってことかな〜。
アロハ ふーむ。
で、話は戻りますけど、
「貼付」と「添付」は、
いつでもどっちでも使っていいの?

りか
いちおう、使い分けがありますよ。
「貼付」は正しくは「ちょうふ」と読みますし、
意味は「貼り付ける」ってことで、
実際にものとものを物理的にくっつけるときに
使うことばです。
「はがきに切手を貼付する」とか。
アロハ え、じゃあ、メールはものの形じゃないから、
「添付」のほうがよいのかしら。

りか
そうねー。実際、
「てんぷ」の正しい文字としても、
「添え付ける」という感じからも、
今回の設問には「添付」が正しいはず!
という考えも、正解だと思いますね。
アロハ 今見てみたら、わたしのメールソフトは、
「添付書類」って書いてありました。
でも、マークはクリップだから、
イメージとしては文書に写真やメモを
クリップでとめる、「貼付」にも
近い気がするー。

りか
今回は両方正解としましたけど、
将来はどちらか一方になるかも。
アロハ もしくはー、
違うことばになってる可能性も
ありますよね。
英語とかで。

りか
なるほど!
英語でなんていうの?



アロハ えっと、
「貼付」は「ペースト(paste)」、
「添付」は「アタッチ(attach)」かな。
そういえばメールには
「アタッチ(attach)」をつかいます。

りか
やっpりアロハっちは日本語より
外国語のほうが得意なのね。
やっぱりメールには「添付」が
しっくりくるのかな。
ま、とりあえずは、
「どちらでもよし!」
アロハ 次回はゴールデンウィーク明けで〜す。
●慣用読み?


ゆーないと
あー、これ、まえもちらっと
話にでましたよね。

りか
そうそう。
いきなり正解のあとに
アレなんですけど、
これって、どちらでもいい、
とも言われていますよ。

ゆーないと
えー、そうなんすか?
辞書には両方でてる?

りか
『大辞林』には、見出し語「舌鼓」に
読みは「したつづみ」のみで、
解説のところに
「〔「したづつみ」とも〕」って
書いてあります。

ゆーないと
ふーん。
いっそ、こっちしか使っちゃだめ!
って言われたほうが
楽って気もしますが。

りか
これはあれと一緒じゃないかしら。
「新た」を「あらた」と
読んでたのが、読みかたの転用で
「あたらしい」ができた、みたいな。
言いやすいほうへ変わっていくことば。

ゆーないと
100年とかしたらー、
「したつづみ」のほうが
辞書に載ってて、
「もとは“したづつみ”」なんて
書いてあるかもですね。

りか
そうねー、
そういえば「腹鼓」も
ふつうに「はらづつみ」って
聞くもんね。

ゆーないと
はらづつみ?

りか
ほら、タヌキがポンポコポンって。

ゆーないと
タンタンタヌキの?

りか
い、いや。
♪しょ、しょ、証城寺〜
証城寺の庭はー♪
のほう。
腹鼓と言えば、タヌキですよ。
『大辞林』にもでてる。

ゆーないと
ああ、わかった。
♪つ、つ、月夜だ、
みーなでーてー
ぶーらぶら♪

りか
‥‥まざってますよ。

【解説】 したつづみ 【舌鼓】
〔「したづつみ」とも〕
おいしい物を味わったときに鳴らす舌の音。

はらつづみ 【腹鼓】
〔「はらづつみ」とも〕
(1)満腹してふくらんだ腹を
鼓のように打ち鳴らすこと。
世がよく治まり、食が足りて安楽なさまにいう。
鼓腹(こふく)。
(2)月夜に狸(たぬき)が鼓のように腹を打つと
言い伝えられていること。

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2006-04-15-SAT

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