横尾さんのインターネット。
横尾忠則さんが相談があるって?

明日、テキスト中継です!


ほぼにちは。シェフ武井です。
突然ですが、このコンテンツにお邪魔して、
明日、『横尾忠則作・暗夜光路』展の準備の様子を
テキスト中継でお届けすることになりました。
この展覧会は、東京・品川の原美術館で
10月20日(土)から2002年1月14日(日)まで
開催が予定されている、横尾忠則さんの新作展です。
(タイトルの意味するところなど、
 展覧会に関する詳しい情報は、
 原美術館のサイトを訪ねてくださいね。)


「展覧会を設営する日」の中継というのは、ひょっとして、
大勢のひとの興味をひくものではないのかもしれません。
ある意味、地味ですもん。
開店前のバーの看板に灯が点くところを
中継するようなものかも……ちょっと違うかな、
えーと、消防士さんが緊急出動するのに
2Fからバーを伝って降りてくるのを中継するとか?
でも、どうしても、やりたいなあ、と思った理由があります。
もちろん「横尾さんの仕事現場」を見たい!
という気持ちもあるんですが、もちょっと拡大して、
いま、ぼくら、「アートに向き合ってみたい」、
という気持ちがあるんです。
毎日ほぼ日を更新してて、
たくさんの方に読んでいただいてて、
紙ぶくろやTシャツ、手帳のようなものを
“たくさん”つくっているぼくらですから、
「大勢のひとに、たくさん」というようなことを
とても素敵だし、すっごく面白いことだと思っています。
でもその反面、アートって、その人にしかできない、
誰にもマネすることができない唯一無二のもの。
「ひとりのひとに、ひとつだけ」の世界に
とても惹かれても、いるんです。
そういう(アートの)現場が、見たい!
という、すごく単純な気持ちから、
原美術館さんの協力をいただいて、
この中継をさせていただくことになりました。

さて、この中継の主役は「横尾忠則さん」ですが、
じつはダブルキャストでもうひとりの主役がいます。
それは、横尾さんを受け入れる側の
「原美術館のスタッフのみなさん」。
展覧会を支えているかたがたです。
先日、中継の打ち合わせのため原美術館に行ったとき、
スタッフのみなさんは
「壁を塗り替え、窓を塞ぎ、階段を鏡張りに」
といった、大工事の真っ最中でした。
そこまでするのか!? というくらいの大工事。
聞けば、そのくらい「あたりまえ」なんだそうです。
その気構え、凄いでしょう!?
そのときずうずうしくも、学芸員の方やデザイナーの方、
広報の方などの手を止めて
いろいろ話をお聞きしていますので、
そのお話や、撮影した「事前の会場の様子」も、
もちろん明日の中継のなかで紹介いたします!

でもその前にひとつだけ。
(これは、デリバリー版でちょこっと紹介したお話です)
ぼくは、今まで、学芸員という仕事を
「過去の作品をアレンジしたり、
 現存の作家のものでも、集めて展示する」
というような仕事だと勘違いしてました。
しかし、彼らの言葉によると、こうなんです。
「同時代に生きている作家と仕事をすることは、
 その時にしかできない、
 とてもエキサイティングなことなんです。
 とことん話しあって、お互い力いっぱいボールを投げて
 やりとりをしていくんです。
 そう、完全に対等な関係なんですよ」
うーん、なんていうんだろう、かっこいい!
そういうふうにして作家と美術館のみなさんが
「展覧会という“場”をつくっていく」
という感じ、明日、うまくお伝えできたらと思ってます。

では明日の中継で!

2001-10-17-WED


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