「だれでもつくれる永田野菜」通信。

永田農法によるホテル農園第2号が誕生!

前回までのあらすじ。
日光金谷ホテルでも始まった
「だれでもつくれる永田野菜」DVDを
インストラクターにして行う「ホテル農園」。
北海道ニセコにある
「ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ」
でも、「ほぼ日」読者である
広報担当の青木さんの発案により
同様の試みがはじまることになった。
早速、DVDプロデューサーである
諏訪さんをともなって
ニセコに向かった「ほぼ日」取材班。

早速、トマトの苗を植え付けるようとする
青木さんに諏訪さんは
「苗の根は洗わず、そんなに切らなくていい」
と、プロデューサー自らDVDの内容を
否定するかのような発言に困惑する現場。
その続きをご覧ください。



「これはニセコ仕様なんです」
諏訪さんは苗をポットから
取り出して説明を続けます。

北海道の夏は短いです。
とりわけニセコは涼しい場所です。
実は学生時代、ニセコの山荘で
アルバイトをしてたので
ここの気候はよく知ってるんです。
暖かい気候であれば
苗の根を洗い、切って
4月くらいから9月くらいまで
じっくりトマトを育てることができます。
ここではそんなに長い時間を
かけて栽培することができません。
さらに今年は日照時間が極端に少ない年。
まずは苗を順調に育てることを優先させます。
このように野菜づくりは自然のゆらぎに
左右されるものなのです。
根を洗わないからといって
この野菜がまずくなるわけじゃない。
極力水分をカットして
液体肥料を希釈して与えるというのが
永田農法の根幹ですから
そこは問題ないですよ。



栽培期間の短さと涼しい気候
さらに日照時間の短さを考慮した
ニセコ仕様の永田農法。
諏訪さんのわかりやすい説明に
一同、おおいに納得して
苗の植え付け作業にとりかかったのでした。


苗をポットから出して
土を払い落としてから


根を切る!


そして植える!
さらに寒さから苗を守るために
「行灯」をかぶせます。

こうして作業をはじめて
2時間ほどしたところで
トマトの苗の植え付けが完了しました!
あとはDVDをもとにニセコ仕様で
植えていけばオッケーということで記念撮影。

その夜、青木さんをはじめとする
ホテルのスタッフと「永田野菜談義」に
盛り上がっていると
諏訪さんの携帯が鳴りました。

おっ、永田先生から電話だ。
そういえば、先生も来たがっていたからなあ。
あっ、先生どうも。
ええ。ニセコにいるんです。
うん。うん。えっ、本当ですか
ぜひ、伺わせてください!



諏訪さんのテンションがちょっとあがってます。
電話を切るなり諏訪さんが
すこし興奮気味に話しはじめました。



永田先生が指導をして
トマトを作っている
余市の中野さんという方の畑を
見学できるように
永田先生が手配をしてくださったので
『明日はぜひ、
みなさんで行ってみてください』
とおっしゃってます。


余市の中野さんのトマトジュースといえば
この永田野菜プロジェクトに関わった人
全てが絶賛するトマトジュース。
糸井重里だけでなく、
諏訪さんも
このトマトジュースを一口飲んで
「なんだ!この味は!」と驚き
永田農法にのめり込むきっかけとなった
トマトジュースです。
一般には公開はされない
そのトマト畑を見学できるチャンスに
一同が湧きました。

翌日、青木さんも連れ立って
余市に向かいましたよ。
もともとサクランボ農家だった中野さん。
トマトを育てるのに最適な環境を求めて
日本全国を探していた永田先生が
突然、現れて
「ここでトマトを育ててみませんか?」
ともちかけたのが
トマト栽培を始めたきっかけだといいます。

その最適な環境とは余市湾に面した
風通しの良い場所。
夕日の眺めがすばらしい場所なんだそうです。

畑の前で中野さんが
「遠いところからわざわざどうも」と
我々の到着を待っていてくれました。
「野菜が旨いかまずいかは
 育てている人の人柄によるんだよ。
 そういう意味でも中野さんは
 いいトマトを作る人だとすぐわかるよ」
と以前、糸井重里が言っていたことを
思い出しましたが
一目みて「その通りだ!」
と本当に思いました。

畑の全景はこんな感じ。
ここでは2万株のトマトが栽培されています。

永田トマトの最高峰ともいわれる
トマトを育てる中野さんは
腕前はプロ級とはいえ
家庭菜園をされている諏訪さんにとっては
アイドルのようなものなのでしょう。
諏訪さんは興奮気味に
「ビニールハウスの中を見せてもらえますか」
とお願いしました。
企業秘密もいっぱい詰まっているであろう
ビニールハウスを中野さんは
「どうぞ、どうぞ」と案内してくださいました。
帰り道に諏訪さんが話していたんですが
「マネしようとしても
 野菜作りのセンスは
 マネできるものじゃないから
 みせてくれたんでしょうね」

中野さんの案内でビニールハウスの中に
入れてもらいました。

すでにトマトを栽培されている方は
ここからの写真と自分のトマトを
見比べてみるといいかもしれませんね。

まず土はこんな赤土です。

からっからに乾いた土。
トマト栽培をはじめるにあたって
それまでのサクランボ農園をつぶし
赤土をわざわざ入れるところから
この畑づくりは始まったのだそうです。
もっとトマトによってみると
こんな感じ。

茎はこんな感じ。

「諏訪さん、
 たぶん、思ったほど緑が濃くないと
 思ったんじゃないですか?」
とそれぞれの苗に興味津々の諏訪さんに
話しながら説明をしてくれます。

中野さん:

 

「特徴をお話しすると
 この葉をみてください、
 葉がまいているでしょ。
 こうなってくるといいんです」


この状態にもってくるまで
水をカットしていくのだとか。

「ぼくらはプロだから
 トマトの糖度をあげるために
 ここまでもってきますが
 家庭で育てる方には
 ちょっとおすすめしませんね。
 トマトへのダメージが強すぎるし
 収量がかなり少ないですから」

今は2万株におよぶ
トマトの「芽かき」に追われる中野さん。
永田農法をはじめたばかりの頃は
連日、徹夜続きだったのだとか。
農業と徹夜という言葉は
いっけん、結びつきが薄そうですが
今でも
2万株という規模になると
「芽かき」のいたちごっこが続くんですよ。
と笑いながら話してくれました。

最後に中野さんのトマトジュースを
みんなでいただいたのですが
その味にびっくりした青木さん。
「ま、またここにうかがってもいいですか!」
実は趣味がスキーだという中野さんと
趣味が野菜作りだという青木さんが
余市とニセコで行ったり来たりしながら
これから北海道で
面白いことが生まれそうです。

2006-07-29-SAT