「ピヤノアキコ。」発売記念
純・トリビュート企画

矢野顕子感謝祭。

第5回:
今泉清保さんの、
みそ+つやつやごはんセット。


本日の矢野さまへの献上者は、こちら のコンテンツや、
先日は、こちらなどでも、
「ほぼ日」声部門でしじゅうご協力いただいている
アナウンサー、今泉清保さんの登場です。
しかし、ありゃりゃ?
今泉さん、今回はいつになく、あたふたしています。
ご本人からの、思いの分量たーーーっぷりの、
(つまり、長い)ルポタッチ報告をどーぞ。





なさーん、ホーメイってますかー?

あ、それはもう終わりましたね。
どうもどうも、
アナウンサーの今泉です。
メリークリスマス&よいお年を。

いかんいかん。
クリスマスや年の瀬のごあいさつを
している場合ではないのです。
矢野さま感謝祭なのだから
感謝しなければならないのです。
ありがたやありがたや。
そう、何を隠そうワタクシも
矢野さまの大ファンでございます。
思い返してみると、
あれは中学1年の夏のこと。
音楽室で先輩がかけた
「たいようのおなら」という曲を聴いて
「な、なにこれ?」と思って以来、
ずーっと
矢野さんのことが
大好き
なのです。

実は、以前にも一度、
矢野さんにプレゼントを手渡したことがあります。
10年近く前、
福岡のテレビ局に勤めていたときのことです。
当時、全国ネットの朝の番組を担当していた私は、
矢野さんが番組出演のため
局にいらっしゃるという情報を得たのです。
なんですと?
矢野さんが来る?
あ、会いたい!!

担当ディレクターにお願いして
スタジオ見学の許可をもらいました。
ひゃっほう。
せっかくだから何かプレゼントをお渡ししよう!
そう思った私は、
壺に入ったみそを差し上げました。
何と言ってお渡ししたのか
舞い上がっていたので
全然覚えていないのですが、
受け取った矢野さんが
「あらぁ、昨日
 きゅうりにみそつけて食べたいって
 言ってたのよねぇ」(サラリ)と
おっしゃったことだけ覚えています。

毎日のように通っていたごはん屋さんの
小さな壺に入った手作りの柚子みそが
千代紙の袋に入っていて、
おいしくてかわいいものだったのです。

でも。でも。
しばらくしてふと思いました。
ツアー中だというのに
壺に入ったみそを渡されて、
矢野さんは
ものすごく困ったのではないかと。
だって、トランクには入りづらい形だし
大きさの割に重いし、ワレモノだし。
あああああ。
なんてことをしてしまったんだろう。
私の中には
矢野さんに会えたという喜びよりも、
ヘンテコなものを
差し上げてしまったという
後悔が大きく残りました。
人生最大のトホホです。

この話を、「ほぼ日」のスタッフの方に
メールでお知らせしたところ
「このメール、ページに載せてもいいですか?」
というメールがきました。
ひええ。
恥ずかしいから書き直します、と
お返事したのですが、
そのお返事のお返事に
「どうです? 献上にエントリーしてみませんか?」
と書いてあるではないですか。

私の人生に
もう一度矢野さんにお会いできる機会が
やってくるだなんて!
よし、今度こそ
ちゃんとしたものを差し上げよう。
利便時です。
あ、変換しちゃった。
リベンジです。

意気込んだのはいいものの。
考えても考えても
「ちゃんとしたもの」が思いつきません。
あぁ困った。
3日ほど悩んだある日、
台所にあるみそのビンが目に留まりました。
渋谷のNHKの近くにある
小料理屋のおかみさんからもらった
「大葉みそ」です。

会津若松の会社が作っている
ひとビン250円という安いみそなのですが、
ごはんに載せたり、きゅうりにつけたりすると
おいしいのです。
またみそかよ!
自分でも思ったのですが、
きっとほかの皆さんは
オシャレなものを差し上げるでしょうから、
ぐぐっとイナカっぽいものでいくのも
よいのではないかと考え直しました。
よし、決定。
みそのカタキはみそで討つのです。
カタキって。

調べてみたところ、
大葉みその他にも
肉みそ、ねぎみそ、ゆずみそなど
いろいろあったので取り寄せてみました。
全部それぞれにおいしいので
セットにして差し上げることにしました。
そして思いました。
せっかくだから、その場で召し上がっていただこう!

早速、新しい炊飯器とおひつ、
お茶碗と小皿と箸、
それにお茶碗を載せるお盆を買いました。
あとお米と、便箋と封筒と大根も。
メインのみそはひとビン250円なのに
気合いが入りすぎ
のような気もしますが、
リベンジだからよいのです。

さて当日の朝。
緊張と不安で
よく眠れないまま朝を迎えた私は、
炊飯器のスイッチを入れ、
手紙を書き、
ふろふき大根を作り始めました。
ゆずみそは
ご飯よりも大根のほうが
合うなぁ、と思ったからです。
きものを着ていこうと思っていたので
羽織に紐をつけていたら
ごはんが炊けました。
うまく炊けたかな。

ぱかっ。(←炊飯器のふたを開ける音)
むしゃむしゃ。(←味見中)
むむっ?
ごはんがやわらかすぎる!
新米なので
水加減を調整したのですが
うまくいかなかったようです。
大ピーンチ!

幸い、念のために
水に浸しておいたお米があったので、
大慌てでごはんを炊きなおしました。
時間が無いので土鍋で炊くことにして、
きものは断念。
今度はなんとかおいしく炊けました。
ホッとする間もなく
おひつにごはんを移し、
全部を紙袋に入れて、家を飛び出しました。
時間はかなりギリギリです。
タクシーをつかまえて飛び乗った2分後。
もんのすごいことに気付きました。
ごはんセットにすっかり気を取られ
肝心のプレゼント(みそ)を
忘れてきてしまったのです。
なんということでしょう!

「う、運転手さん、Uターンしてくださいっ」
「あー、でも反対の車線が渋滞してるからねぇ」
「じゃあその先の角を曲がってくださいっ」
家の近くの信号まで戻ったのですが
やはり渋滞していたので、
タクシーを待たせて
200メートルほど全力で走りました。
往復で400メートル。
吐きそうになりました。
「運転手さん、大至急でっ」
「まぁねぇ、急がば回れっていうしねぇ」
アンタねぇ、回ってる場合じゃないっつの。
後ろから首絞めてやろうかと思いました。
「ほぼ日」のスガノさんから、
矢野さんは日本にいる間
とてもお忙しいので、
お会いできる時間は10分だと聞いていました。
間に合わなかったら
お会いできないかもしれない。
焦って焦って
泣きそうになりました。
でも、神様は私を見捨てなかったのです。
なんとかお約束の1分前に着きました。


「ゼーハー!」わけがわからなくなっている今泉さん。

とにかく慌てていて、
心の準備が無いまま
気付いたら部屋の前にいました。
ドアを開けたら
中に矢野さんが!
まぁいらして当たり前なんですが。
ああああ。二度目のホンモノだ。ああああ。


私はとにかく、大慌てで
ごはんとみその支度をしました。
ものすごく舞い上がっていたのに
この支度だけは手早くできました。
日頃料理番組をやっている成果が
こんなところで出るなんて。

自己紹介をしたあと、
「覚えていらっしゃらないと思いますが…」と
10年前のみその話をしました。
すると矢野さん、
「あ、それ、覚えてるよ」(サラリ)
「…ほんとですか?」
「だって、他にそんなやついないもん(笑)」


「覚えてるよ」「ええええ?」

なんということでしょう!
しかも矢野さんは
壺のみそをちゃんと持って帰ってくれたそうです。
あぁ夢みたい。
夢だったりして。
夢でもいいです。


「ププー(笑)、またみそ! うれしい!!」

用意したごはんセットに、
いそいそと手をつけてくださる矢野さん。
これだけでも、涙モノです。
さて、お味はどうでしょう? ドキドキ。


「んまい!!」「うぁーありがとうございます」

「これはぜーったい、ニューヨークでは
 手に入りません」
と、矢野さん。うぁーい、うぁーい。
では、矢野さんの召し上がるようすを、どうぞ。




「このみそ、一個あるととても重宝するんですよ。
 レシピ集もおつけしときますね」
「ごはんもすごくおいしく炊けてるよね」
「はい、ありがとうございます。
 私じつは、出身が青森なんですけど」
「んだがー! どごだのー?」
 (あら、そうなの? 家はどの辺?)
「むがしは○○さいだんですけど
 いまは△△さうづってます」
 (以前は○○町に住んでいましたが
  今は△△町に引っ越しました)」

矢野さんと
津軽弁でお話ができるなんて。
青森に生まれたことを
これほど嬉しく思ったことはありません。
お母さん
産んでくれてありがとう。
ビバ青森!


それにしても、
矢野さんの声は
ほんとうに、天から降ってくるようです。
なんでこんなに暖かいんだろう。
あぁ幸せ。
お忙しいのに、ごはんとみそを
すっかりたいらげていただいた矢野さん、
ありがとうございました。

今泉さんが献上したおみそは、
こちらのページ
入手できます。



というわけで、

献上品#005
今泉清保さんより
「みそ


でございました!!

次回もおたのしみに!!



このごろの矢野さん。

 ピヤノアキコ。

過去発売されたピアノ弾き語りアルバム
「SUPER FOLK SONG」(92年)
「PIANO NIGHTLY」(95年)
「Home Girl Journey」(00年)
から選んだベスト盤。
新録として「ばらの花」「電話線」を収録。
ボーナストラックとして、
デビュー時の'76年に行われた
新宿ロフトの貴重なライブ音源も!

『ピヤノアキコ。』
2003.10.01 RELEASE
ESCL10004
¥3,059(TAX IN)

ライブ・ピヤノアキコ。

この10年の矢野さんの
ピアノの弾き語りのライブ映像を収録したDVD。
六本木ピットイン、ニューヨーク、
パリ、ロンドンから、
日光、沖縄での出前コンサートなどの
貴重な映像が収録されています。

『ライブ・ピヤノアキコ。』
2003.10.01 RELEASE
DVD
ESLB 2104
¥4,935(TAX IN)

あたしンち。
テレビ朝日開局45周年記念作品
映画「あたしンち」
(12月6日全国東映系ロードショー)
主題歌を矢野さんが担当しました。
ニューシングル「あたしンち」は
12月3日リリースです!

『あたしンち。』
2003.12.03 RELEASE
ESCL-2468
¥1,020(TAX IN)

2003-12-25-THU

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