「ほぼ日」はワールドカップに
興味があります!

<緊急特別企画:今すぐ仙台へ行くのだ>

こんちは。
ROCK西本です。
先日のチュニジア戦以来、声枯れてます。
さて毎日11時30分より
ほぼ日編集部ではミーティングをしてます。
この時間は各自の報告であったり、
懸案事項を確認しあうという大事な時間であるため
この時間に電話があっても
「電話を折り返しかけなおす」というのが
暗黙のルールでありますが
昨日11時40分にかかってきた電話はちょっと違いました。
電話をとったモギちゃんが
ちょっとこわばった顔をして
「アッキィさんから電話だよ」と受話器を渡すのです。
アッキィさんとはもちろん、
ほぼ日のアートワークを手がける秋山具義さんのこと。
受話器をとると
「たった今、知りあいから電話があって
 今日の仙台での日本vsトルコの試合のチケットが
 3枚手にはいりそうなんだ。
 オレはこれからとりあえず東京駅に行くけど
 行くよね」

という電話。
ミーティング中であったが即答で行くことにし
一路、東京駅へ向かうためにタクシーに飛び乗る。
キックオフは15時30分。
とにかく時間が無いのだ。
東京駅への車中でもう一枚のチケットを
欲しがっているはずであろう
サッカー観戦友達の小泉さんに電話をする。
「キックオフには間に合わないかもしれないけど
 とりあえず東京駅に向かいます」
という小泉さんの返事を聞いたころに東京駅へ到着。
これで3人の仙台行きが決定。
東京駅には新幹線のチケットをもった
アッキィさんが待機していた。


宮城スタジアム観戦キップと印刷されていた。

12時36分発の新幹線に出発2分前に
飛び乗って仙台へ。
仙台到着が14時30分。
試合開始が15時30分。
仙台駅に到着しても1分1秒が無駄に出来ない。


なんとか列車に乗れた。(アッキィ画伯)

車中で仙台のスタジアムに連絡すると
仙台駅から地下鉄で15分行った所から
シャトルバスでの入場になるということ。
スタジアム近くは交通規制がかかっており
タクシーは通れないらしい。
こういう連絡をするときに携帯電話は非常に役に立つ。
アイラブ携帯電話。
先が見えてきた所で
お互いかばんの中から日本代表のユニフォームを取り出す。
「今日、事務所でユニフォームを着ながら観戦するために
 たまたま持ってきてたんだよねえ」
とアッキィさん。
「アッキィさん、ぼくもそうなんです
 しかしアッキィさん、他にも知りあいもいるであろうに
 なぜぼくに声をかけたんですか?」
と問い返すぼくに
「みんなこんな突然だと仕事とかで都合が悪そうじゃない、
 でも、にしもっちゃんは多分くるなと思って。」

アッキィさん、ありがとうございます・・・・。


新幹線でユニフォームに着替えた二人

ここで事務所にいるはずのあややから連絡は入る。
「私も行くことになりました」
どうやら小泉さんの元に
急に行けなくなった方のチケットが1枚
仙台にあるという情報があったらしい。
ここで小泉さんとぼくのサッカー妹である
あややが急遽名乗りを挙げた。

時間通りに仙台に到着。
ここでチケットを受け取り、
小泉さんとあややの分のチケットを預かってもらい
地下鉄に乗り込む。
ここまで我々二人の会話は皆無だ。


心持ち顔もしまってみえる

14時55分地下鉄泉中央駅に到着。
ここからシャトルバスにのってスタジアムに移動。
改札までダッシュする二人。
「君が代斉唱には間に合いたい」
これが二人の目標だ。
駅を出てシャトルバス乗り場を探すが遠い。
次々と脱落していく人を横目に
アッキィさんとぼくは走り続ける。
途中、「もうすぐキックオフに間に合うシャトルバスが出ます」
という係員の声がして雨の中さらにダッシュをする。
同じ地下鉄からスタートした中で
独走した二人がバスに乗り込んだ時点で
バスが発車。
この時、二人は
「トータルワークアウトで身体を鍛えておいて良かった」
と痛感する。


眼鏡が曇ってます

これからバスはスタジアムに進むのだが
これが一向にスタジアムらしきものが出てこない。
山の中を進んでいくうちに
時計はキックオフ15分前。
もう先発メンバーが発表されている頃だ。
バスが着く前に出口に移動する二人。
そんなことをしているのは
ぼくらだけのようだが
そんなことは気にしないのだ。
15時20分にスタジアムに到着。
ここからゲートを目指すが
これがまた遠い。
ここからさらに走る二人。
15時25分。
途中で国歌が流れ始める。
「にしもっちゃん、先に行ってくれ」
とここでアッキィさんが脱落する。
もう戦友のような気になっているぼくは
絶対キックオフには間に合わせてみせる!
とさらにスピードをあげた。


間に合った

席のチェックももどかしく
座席につく。
キックオフ直前。
アッキィさんも間に合う。
11時40分にスタジアムに行くことを決めてから
4時間で仙台につくことが出来た。
これはこれで快挙だっ!と
ここで喜びあうはずであるが
まずはゲームに集中する。
おおっサントスが先発じゃん!
おおっ西澤も。
と先発メンバーをチェックしていると
前半12分、相手のフリーキック。
スタジアムもキックオフ後の興奮が落ち着いて
ちょっと一段落した時だった。
「ああっっ!」


ハイってもうた。

ユミトダバラのヘディングシュートが決まる。
思いもよらなかった事態に
シーンとなるスタンド。
真後ろに座るトルコサポーターが
「トゥルキッシュ!」(そうきこえた)
と叫ぶ。
あんなに目立つモヒカンがフリーでシュートを
うっている姿が繰り返しビジョンで流れる。
これはいかんと気を取り直して応援するスタンド。
スタジアムは青一色だ。
青以外の服を着ている方が目立つほどである。



その後何度も決定的なシュートや
フリーキックのチャンスが続く。




サントスのフリーキックはクロスバーに阻まれる


西澤のシュートも枠を外れる

前半が終了。
しかしまだスタジアムには
なんとかしてくれるだろうという気持ちがあったりした。
ハーフタイム中にあややが到着する。


スタメンをチェックするあやや

どうやら小泉さんも別の席で観戦しているようで
二人はタクシーで日本の失点を知らされたらしい。
この時点で声がもう出なくなったのだが
アッキィーさんが買ってきたビールを飲むと
声が出るようになった。
ビールって飲み物は不思議な飲み物だ。
声も出るようになって気合いが入ったころ
後半がスタート!
鈴木と市川が投入されるが
事態は好転しない。
ビジョンに交代してベンチに下がった
稲本とサントスの姿が映し出される。
それからの展開は報道された通りだ。


大喜びのトルコイレブン

強くなった雨の中スタジアムを後にする我々。
傘は入場する時に会場に預けたまま
出てきたのでびしょぬれだ。


びしょぬれの一行

地下鉄の中でようやくゲームについて語りあう我々であるが
なぜかそんなに落ち込んでいないし、
悔しくもない。
スタジアムでの選手は結果は出なかったけど
気合いは感じられたし
なによりその場に立ち会えたということが
今回の場合非常に嬉しいことであった。
すでに我々の気持ちはドイツに向かいはじめた。
などと語り合いながら仙台駅に到着。


負けたけど気持ちは晴れた

日本代表が1位通過して決勝トーナメントを通過することを
想定して抽選にあたった準々決勝のチケットは
セネガルvsトルコというゲームになることが
決定したことに気づくが
そんなことよりも仙台駅は新幹線に乗る客で
えらい騒ぎになっていた。


新幹線に人を詰め込むのはあまりみたことが無い。

しかし、ここで上手く列に並んだ我々は
立ち席がめだつ
19時51分発の新幹線の自由席で運良く
席にも座れて、しかも仙台名物牛たん弁当も購入できた。


あったかくして食べれる牛たん弁当

車内ではこれまた準備のいい小泉さんによる
携帯テレビによる韓国vsイタリア戦の観戦が始まった。
当然、お客さんの9割5分がサッカーファンである
車内はこの小さな画面にくぎ付けだ。


これをみんなで観ていた。

韓国が同点に追いついた所で
ちょうど東京駅につく。


山手線にのりこむ

これから延長戦であるということで
急遽、明るいビルでの観戦が決定。
アッキィさんはご自分の事務所で観戦ということで
田町の駅でお別れ。

アッキィさん、今回の総括をお願いします!

「う〜ん。サッカーファンとして
 日本が負けたことってのは辛くて悲しいことではある。
 しかし、それよりもその場に立ちあえたということに
 対して満足している部分もある。
 今回はなにせ仙台で観戦できることが
 急であったのにかかわらずキックオフにも間に合うことができて
 こうやって家に帰れたことも非常に嬉しい」


確かに今朝電話をもらってから
これまでの動きはちょっと予想できなかった。
けど、事務所に戻ってから観た韓国戦!
すごかった〜ぁ。
韓国の選手の「あきらめない」って気持ちが
表に出てたし、何よりもサポーターの一体感が凄かった。
サポーターが勝ち取った勝利だなぁと思いました。
変わり身はやいぜっ!って突っ込みがはいるかもしれないけど
韓国頑張ってくれ!

2002-06-19-WED

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