その3 イタリア・アルビニ社
エンリコ・デ・ピエリさんのはなし。

素材の良さとかたちのよさ、しっかりとした縫製、
そして着ていくほどになじんでいく服づくりで、
デニム好きの人たちのあいだではもちろん、
カジュアルファッションの世界で
よく知られているカトー(KATO`)デニム。
5つのかたちのデニムからスタートしたブランドは、
いまやライフスタイル全体を見据えた
提案にまでひろがっています。

そのひとつとしてつくられたのが、
「グランマ ママ ドーター」。
カトーデニムのレディースラインというだけでなく、
独立したカジュアルブランドとしても、
幅広い人気をもっています。

京都の北山にあるショップとアトリエを訪ね、
ブランド立ち上げからずっと
デザイナーとして活躍してきた
宇和川恵美子さんにお話をききました。
おお、さすがに、白いシャツ、決まってますね!

グランマ ママ ドーターのウエブサイト

ランマ ママ ドーターを立ち上げる前から、
カトーデニムの女性用のラインに携わってきました。
あるとき加藤(=加藤博さん。カトーデニムの
創設者であり、宇和川さんとは夫婦)から
「レディースラインを独立させるから、任せる」
ということになり、専任になりました。
ブランド名は、女性が三世代着続けられるような服を、
という思いをこめてつけています。

一番最初は、それこそ、シャツとデニムだけでした。
そのシャツが、今回、選んでいただいた
丸襟シャツの原形となったものです。
デニムもシャツも、その頃の時代の流行を反映して、
デニムは股上が浅く、
シャツもウエストがキュッとくびれていましたが、
徐々に変化をしてきて、
シャツに関して言えば、
いまのほうがボーイッシュになっています。

基本的には、デニムに合う、というのが
私たちのつくっているシャツのコンセプトです。
デニムに合うというのは、
「洗いざらし」というイメージにもつながります。
洗った時に風合いが出るとか、
何度も着て、くたくたになっても、
ちゃんとそれが様になる、ということですね。
デニムの持っている思想みたいなものと近いシャツ、
というふうにも言えるかもしれませんし、
もちろんコーディネート的な意味合いもあります。
白いシャツに関しては、生地を選ぶ段階だったり、
ボタンを選んだりしてる時に、
ボーイッシュなアイテムとの相性を考えています。

っぽうで、グランマ ママ ドーターといえば、
と、みなさんが思い描いてくださるアイテムがあって、
それがチノ素材のプリーツスカートです。
丸襟のシャツと、このスカートがヒットしたことで、
ブランドのイメージが固まっていきました。
それを機に、女性らしい服づくりの方向に舵を切り、
アイテムのバリエーションを増やしてきました。
シャツとデニムだけというところから、
スカート、ワンピース、カットソー、ニット。
そんなふうに広がってきています。
さらにいまは、すこしきれいめというか、
いろんなオケージョンに対応できるような
グランマ ママ ドーター・トロという
ラインも、もつようになりました。

丸襟シャツとスカートのヒットで、
知らず知らずに背負っていたデニムの殻を、
すこし破って、開くことができたかもしれません。
いつも「定番になったらいいな」と考えながら
ものを作っていますが、
ほんとうに定番と言えるまでになったのは
この2つのアイテムです。

▲右は、5年ほど前から、デザインに参加している秋吉孝信さん。もともと学生時代からカトーデニムのファンだったそう。ニットやカットソーなどの得意分野で、宇和川さんをサポートしています。

襟は、一般的なものに比べると、
少し小さめの襟になっているのが特徴のひとつです。
大きめだと女の子らしさが強くなりすぎるのですが、
このくらいだとシャキッとするというか、
ちょっとメンズライクでありながらも、
かわいらしさが残りますよね。
これからの季節は、ニットから
襟をちょっと出すっていうのもかわいい着方だと思います。
生地は柔らかなオックスフォードです。

▲定番の丸襟シャツ。今回販売するものは、襟にステッチがないので、より「きちんと感」が強い印象になっていますよ。

サイズ感は、オーバーサイズではなく、
ジャストサイズで着ていただけたらと思います。
どこで合わせるのがいいかというと、肩幅です。
肩のラインがぴったりか、内側に入っているくらいが、
カッコよく着ていただけるサイズ感だと思いますよ。

▲「ほぼ日」のももが着ると、こんな感じです。

裾は‥‥これは、お好みでどうぞ。
入れても大丈夫なように、少し長めに作っていますが、
外に出して着ていただいても大丈夫。
ボタンは一番上まで留めて、パリッとした感じか、
あるいは、思い切って前のボタンをすべて開けて、
羽織って着るような形でもいいですよね。

アクセサリーをシャツと合わせるときは、
これは個人的な意見ですけれど、
金のチェーンにダイヤとか、パールだったりと、
シンプルなものが多いです。
上質でシンプルなもののほうが合うように思います。

宇和川さん、ありがとうございました。
併設されている「LIFE LABO」もとてもすてきで、
カトーデニムとグランマ ママ ドーターの世界観が、
より理解できるショップになっています。
こんどはまたゆっくり遊びに行かせてください!

▲京都・北山に、お店があります。

▲グランマ ママ ドーターのショップもあります。

▲「MUSEUM OF YOUR HISTORY」はカトーデニムはもちろん、関連するブランドと、セレクト商品を置いている旗艦店。

▲「LIFE LABO」。生活雑貨もありながら、よりシンプルな服をセレクト。カトーデニムの加藤さんと、宇和川さんが夫婦2人だけでつくっているお店です。

2015-09-03-THU