hobonichi presents
うわさのシャッターチャンス・ガール うめかよ参上!うわさのシャッターチャンス・ガール うめかよ参上!
02


糸井 『男子』も『うめめ』もよかったけど、
やっぱり、こんどのやつがノーベル賞だよね。
うめ それを言ってもらえると、ほんとに嬉しいです。
糸井 俺がノーベルじゃないのが
残念なくらい
だわ‥‥いや、ほんとに。
うめ あははははっ!
糸井 そうですか、梅勝二さんですか‥‥。
うめ はい。
糸井 恐れいったなぁ、93歳。
うめ そうなんです。
糸井 (再び写真集に目を落とし)
そもそも「梅」ってバラ科だからねぇ‥‥。
うめ え、そうなんや? なんだかすてき!
糸井 (ページをめくりながら)
「梅佳代」っていうのも、
冗談みたいに語呂のいい本名だしなぁ‥‥。
うめ ほんとよね。
糸井 ねぇ‥‥あははは、いいなぁ、これ。


梅佳代『じいちゃんさま』より

うめ それ、お気に入りのやつです。
糸井 このポーズ、お得意みたいだけど。



うめ そうそうそう、じいちゃん、よくやる。
「よっ!」って感じで。
糸井 トラクターの上からも「よっ!」と。



うめ 荷物はこぶ用の一輪車の上からも「よっ!」と。



糸井 あ、コケた(笑)。



うめ これは、ちょっとよく見て、一輪車の端のとこ!
かすかに、じいちゃんの手が写っとるから。
糸井 ああ、ほんとだ(笑)。はあぁー‥‥。

ところでさ、たまに入ってる
「2006」とか「2007」ってのは何?

撮影した年?



うめ そう、そこから後ろが、2007年の写真て意味。

はじめはなかってんけど、
祖父江さんが「つけよう」って言って。
糸井 ああ、年代順になってるんだね、この本。
ぜんぜん意識しなかったけど。
うめ そう、そういうことなんです。
10年間、ずっと撮ってきたんです。
糸井 へぇ‥‥「ほぼ日」も創刊10年だけどさ、
その時間って、すごいことだよ。
うめ うん、だって「10年」っていったら、
撮りはじめたころは
まだ妹のハルカは小学生だったんやけど、
さっきの写真の時点で、成人式。
糸井 いや、ほんと、すごいことだと思う。
それだけ撮り続けるってのは。
うめ 最初は、年代なんて書かんでもいいと
思っとったんやけど、
あまりにもじいちゃんの「見かけ」が
変わってなさすぎて。
糸井 ああ、書かないとわかんないんだ(笑)。
うめ そう、どんだけ時間が経ってるかが。
糸井 ほんとは10年も経ってるのに。
うめ うん。
糸井 ‥‥でも、こう見てきて思ったんだけど、
これって、梅佳代のセルフポートレイトだね。

写ってるのは、じいちゃんなんだけどさ。


梅佳代『じいちゃんさま』より

うめ ああ、そうかもしれないです!

だって、この写真集を出すの、
すっごい恥ずかしかったんですけど、
それって、
セルフポートレイトだったからかー‥‥。
糸井 もっといえば「梅佳代のヌード」だね。
うめ わ、なるほど!
糸井 つまり「わたしの素顔」なわけですよ。
うめ そうですそうです、たしかに。
糸井 ね。
うめ あたしは、はじめは、いつか発表しようなんて
思ってたわけじゃなくて
自分のじいちゃんだから撮ってただけで‥‥。

だから、その写真を発表してることとか、
いま目のまえで、糸井さんが見ていることとか、
ちょっとヘンな気持ちになるんです。

そっか、それはだから、
セルフヌード写真みたいだからなんやね‥‥。
糸井 自分のことすぎるから、恥ずかしいんだよ。
うめ しかもね、あんな都会の原宿の展覧会場に
じいちゃんの写真を飾ったら、
都会の人たちが、いっぱい見にきてくれて。
糸井 なんでみんなで
わたしのじいちゃんを見てるんだ、と(笑)。
うめ そうそうそうそうそう!

他人のひとが
うちのじいちゃんの写真見てどうするんやろって
ほんとに思う。われながら。
糸井 まぁ、そうだよね(笑)。
うめ ていうか、『うめめ』も『男子』も、
「みんな、これ見てどうするんやろ?」って疑問は
同じなんやけど、
今回の場合、あまりにも自分のことすぎちゃって。
糸井 だからさ、この写真集、
いい「お見合い写真」になると思うよ。
うめ え! お見合い写真!?
糸井 いや、これはお見合い写真として、
大成功してるね。
うめ え! ほんとですか?
糸井 うん、してるしてる。
うめ え! じゃあ、カッコイイ人に
どんどん送りつけてもいいんですか?
糸井 だってさ、「あなたの素顔」が写ってて、
しかもそれが、すばらしい出来なんだから。

こういう写真って
撮ってる人を好きになれる写真だと思う。
うめ うわー、じゃ、でもいける?
糸井 ‥‥うーん(笑)。



梅佳代『じいちゃんさま』より

<続きます!>



2008-09-30-TUE
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