2006.11.8, Wed


本日より、SAKEROCK星野源さんのインタビューを
おとどけします。
「インストバンド」PVのこと、
そしてタムくんについて、
ご自身のクリエイティブとも関係づけながら、
真摯に語ってくださいました!


ほぼ日 星野さんから送っていただいた
「インストバンド」のプロモーションビデオを見て、
もう、糸井をはじめ、「ほぼ日」のスタッフが
ものすごく感動してしまって。
「とにかく、これを応援しよう!」
ということにすぐにページを
つくることが決まったんです。
星野 ありがとうございます!
よろしくお願いします。
ほぼ日 こちらこそ、よろしくお願いします。
まず、この曲のプロモーションビデオを
タムくんに依頼することになった
経緯について教えていただけますか?
星野 はい。
この「インストバンド」が入っている
『songs of instrumental』というアルバムで、
「木陰」というタイの曲のカバーをやったんですが、
最初はこの曲をタイの人に
歌ってほしいなと思っていたんです。
でも、日本でタイ人の歌手を
見つけるのってなかなか難しくて、
知り合いを通じていろいろと探していくなかで、
木村和博さん(タムくんのマネージャー)と
知り合ったんです。
そこで、タムくんのマンガとDVDをいただいて。
ほぼ日 そこではじめてタムくんのことを?
星野 タムくんの存在自体は知ってたんですけど、
きちんと作品を見たりしたことはなかったんです。
でも、DVDを見終わったあとは、すぐに
「プロモーションビデオを作ってもらったら
 面白いだろうなあ」っていう、予感というか、
勘みたいなモノを感じたんです。
ほぼ日 ちなみに、そのときご覧になった作品は
なんだったんですか?
星野 『hesheit』です。
『hesheit』のマンガとDVDをもらって見ました。
たぶん、当時はまだ、それぐらいしか
出ていなかったと思うんですよ。
マンガのほうもすごかったですね。
『hesheit』の最後に入っている「部屋」を
電車の中で読んでいたんですけど、
もう興奮して(笑)。
「これ、みんなに見せたいんだけど、
 どうしよう、どうしよう」
ってなっちゃって。
電車の中でウロウロしながら、
「もう、そこのサラリーマンの人、見てよこれ」
って言いたいのをすごい堪えましたもん(笑)。
なんだか、突き動かされるものがありますよね。


「部屋」(『hesheit』より)

で、『everybodyeverything』もすぐ買って読んで、
後に出た『タムくんとイープン』
本当にすばらしくて!
ものすごくアホな言い方ですけれども
「もう、この人は殿堂入り!」みたいな。
「この人のやることは全部OK!」っていう感じ。
といっても、盲目的な感覚ではなくて、
「この人は絶対にいいものを作ってくれる」
という勘が働く感じ。何かの作品に触れて、
そういうことを確信する瞬間が
ときどきあるんですけれども
タムくんの場合はまさにそれでしたね。
ほぼ日 うん、うん。
ありますよね、そういうこと。
星野 『タムくんとイープン』が出る
ちょっと前なんですけれども、
木村さんを紹介してくれた方に
「タムくんが福岡でピアノを弾く
 イベントをやるから、参加しませんか?」
と誘っていただいたんです。
もちろん、「やりますやります!」と(笑)。
タムくんはピアノの弾き語りで
僕がギターの弾き語りで、一緒にやったんですよ。
その時にはじめてタムくんに会って、
いろんな話をしたんです。
そんな流れから、プロモーションビデオの件を
タムくんにちょっと提案してみたんですね。
それで、まずは録音したばっかりの
「インストバンド」を聴いてもらったんです。
気に入らなかったらあきらめよう、
頼むのをやめようと思ってました。
そうしたらタムくんが
「やりたい」って言ってくれて。
「じゃぁ、お願いします!」と、
とんとん拍子で話が進んだんです。
ですから、昔からタムくんのファンだったというよりは、
急激に好きになって、
お願いしたという感じだったんですね。
ほぼ日 あぁ、そうだったんですね。
星野 人の出会いの流れがすごくうまくいって。
その流れにのって
実現できたような感じだったんですよ。

(続きます!)
もどる
© wisut ponnimit / HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN