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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第1001回

ほぼ日編集部様

12月24日のニュースから

大変だあ・・・・読者からのお祝いのメールが殺到、
まだ全部読み切れていない状況ですばい。
千回というのはそういうことなんだなあ・・・
としみじみ思いつつ、
日本中はおろか世界中から寄せられた
皆さんの心こもった言葉の一つ一つを
私の心で受け止めようとしています。
短い文章であれ長い文章であれ、
それを書いている人がいるんですね。
この人はどういう姿勢で、どういう部屋で、
ひょっとすると私と同じように
コーフィーカップ片手に、
時々キーボードの手を休めてちょっと苦めの
コーフィーに口を付けたりしているのかなあ・・・
なんて想像しながら・・・・
だから時間がかかるんですけどね。
でも楽しいんですよ。
贅沢な遊びですよねえ・・
そして、新しい発見がありますけんね。
面白い、めっちゃ!!!

さて、今日から1001回の
新しい世紀が始まるというような気分でスタートです。
今日は朝3時半に起きました。
で、今自分でスターバックスから買って来た
コーフィーメーカーで濃いめのヤツを淹れまして
そいつを飲みながらキーボードに向っています。
窓の外は勿論まだ暗いですね。
私はティーシャーツにパジャマのパンツという
ヘンテコリンな姿ですばい。
あ、そんな私を想像しながら読んで下さい。

24日はクリスマス・イヴの夜。
私は何の関係もなく、
早めに寝てしまいましたが、
街は少しは浮かれていたんでしょうか?
そんなウキウキ気分に冷や水を掛けるようで
気が引けますが。
毎日新聞夕刊24日付、社会面の3段見出しの記事。

「介護疲れから76歳父殺害 
 47歳息子に猶予5年
 宇都宮地裁判決」

  
記事中の中見出しにこういうのもある。

「元同僚ら2756人が減刑嘆願」

記事によると、今年6月、
宇都宮市の飲食店店長(47)が
「自宅1階の8畳間で、父(当時76歳)の承諾を得て
 首を洗濯ロープで絞めたうえ、
 包丁で左胸を刺して殺害した。
 自身も胸に包丁を突き刺したが、死にきれなかった」
これが判決で認定された父親殺害の実行行為である。
そしてこの殺人に対し、宇都宮地裁は
「懲役3年、執行猶予5年」
の有罪判決を言い渡した。
検察の求刑は懲役4年だったから、
執行猶予がついた分、
判決では相当に軽い刑になっている。
これだけ見ればどうってことはない事件と判決だけど、
記者が書き込んでいる記事を読むと、
裁判長が
「人の生命を奪うことは許されないが、
 (被告の)介護ぶりは周囲から高い評価もあり、
 精神的、肉体的に追い込まれていた」
という判断をした背景は見えてくる。
介護の実情を記した部分を引用しておこう。

「父はほとんど寝たきりだった。
 要介護4で週1回の通所介護、
 週3回の訪問介護を受けたほかは、
 妻と別居中だったため、
 3食の世話や父が室内をはいかいした後の
 汚物後の掃除、着替えや洗濯に追われた。
 事業に失敗した知人のために借りた消
 費者金融への返済や住宅ローンは
 約1500万円に上り、
 介護費用の負担に苦しんでいた。
 被告は今年5月ごろから、
 食事がのどを通らず、ほおがこけ、
 体重がみるみる減った。
 夜も眠れなくなった。
 長男(21)ら子供3人たちにも相談せず、
 精神的、肉体的にも追い込まれていった」
 
記事にはついに被告が自殺を決意し、
父に伝えると父は
「楽になりたいから殺してくれ」
と答えたため父に手をかけ、
自らも胸に包丁を刺したんだと記してある。

記事だけを見ると、
この47歳の被告が
一人ですべての問題を背負い込んでいるように
見えるねえ。
21歳の長男や子供たちはどうしたんだろう?
父が苦労しているのを見ていて
手を出さなかったんだろうか?
もっと家族で何とか解決する方法はなかったものか?
などと外部の人間は考えるが、
恐らく家の中は地獄だったんでしょうね。
自分もぼけてしまって、うちの家人に
そこまで迷惑をかけるようなら
楽に死ねるように出来ないかなあ・・・
と真剣に考えてしまう。
人間60を過ぎると、最後にもう一つ
これまでと違った仕事ができるかも知れない・・・
ということと、どうやってうまく死ねるか?
この二つですね。
脳裏を去らない考えは。
嫌なことなんだけど否応無しに迫ってくる問題。
色々思いながら書いてしまった。

ではまた明日・・・・



(※ここからは、ほぼ日編集部よりの、メール紹介です)

おはようございます。
25日朝10時半現在で、
鳥越さんの1000回お祝いのメールは、
すでに、300通を超えていますー。
たくさんのおたよりに、感謝しています。

今日は、その中でも、
「あのくさこればいの3年間で、
 この事件についてが印象に残った」
というメールを、いくつかご紹介してゆきましょう。


・仕事の合間に、「あのくさ、こればい」楽しみに
 毎日、拝見させていただいております。
 鳥越さんの本当に率直な感想、正直な意見
 他では、知り得ない情報や新聞の見方・・・・・
 2年ほど前に知ってから、病みつきになっております。
 最近は、朝の番組にご出演なされていて、
 大変だろうと思いますが、日記も「お休み」が
 多いのも仕方ない事だと思います。
 三井高検事件では、逮捕される直前
 大阪地裁で、取材をするために来られた
 鳥越さんを、偶然拝見し、その後、三井高検の
 逮捕となりましたから、次の日の「ほぼ日」を
 楽しみにしてました。
 検察庁という最高の権力にも臆することなく
 取材されて、「ほぼ日」で発表される鳥越さんに
 涙が浮かびました。
 (s)

・いつも更新されるごとに読んでいます。
 一番好きなのは千葉すずさん結婚のお話でした。
 日本料理屋での様子が温かく書かれていて
 ちょっとうれしくなりました。
 (k)

・特に印象に残っているのは、
 スクープがなくなってしまうころの第918回、
 「若いとき、例えば30代40代のころに
  夫から優しくされた記憶のない妻は
  高齢になって夫が体が不自由になっても
  心からその夫に優しくは出来ないと思うのです」
 というところなどです.
 報道でも科学でも世界には「当たり前」が溢れている。
 でも、我々は簡単に解釈できる当たり前に安心して、
 大切な真実を見過ごしてしまっているのだと思います。
 「あのくさこればい」(「ザ・スクープ」も)は
 そうしたことを気付かせてくれるのが素晴らしいです。
 スマステでは人生の残り時間を強調されていましたが、
 これからも2000回・3000回と続けていってください。
 楽しみにしております。
 (n)


みなさん、心のこもったメールを、ありがとうございます!
ひきつづき、メール&プレゼント応募をお待ちしております。

12月24日で、
 「鳥越俊太郎の、あのくさこればい」は、
 めでたく、第1000回をむかえました!

 3年前に開始したこのページは、
 いまや、毎日2万人ちかくのかたが読んでくださる
 大人気ページに成長しております。
 ひとえに、毎日のご愛読のたまものでして、
 ほんとうにありがたく思っています!
 これからも、どうぞよろしくおねがいいたします。

 鳥越さんのご厚意で、読者の方に各30人ずつ、
 『報道は欠陥品と疑え』『虚誕』
 計60冊の本プレゼントがありますので、お知らせです!
 プレゼント応募の件名は「あのくさ1000」として、
 postman@1101.com
 郵便番号、住所、氏名、電話番号、年齢を明記して、
 こちらまで、どしどし、メールをお送りくださいませ!
 あなたなりの、「あのくさこればい」の
 感想を添えてくださるとうれしいです。
 しめきりは、12月26日の23時までです。
 当選者は、12月27日のこのページで、発表いたします。

そして、今週は、明日から、
 「あのくさこればい第1000回突破企画」を、
 このページの下のほうで、しみじみとおこないますよー。
 今日の鳥越さんが書かれているように、
 桶川事件、耳で入院、足の骨折、海外出張などなど、
 「あのくさこればい」の続いているこの3年間、
 さまざまなできごとがありました。

 そこで、ゆっくりとふりかえりながら、
 今後へのたのしみを蓄積していくようなミニ企画を、
 明日からの4日間で、おこないたいと思うのです。

 題して‥‥「あのくさこればいとわたし」特集!

 「あのくさこればい」の愛読者のあなたは、
 いつも、このページをどういう所でどう読んでいますか?
 今までの1000回の「あのくさこればい」の中で、
 どういうことに、「あ、おもしろい」と思いましたか?
 そんなことを、ぜひ、メールでおしえてください。

 鳥越さんご本人も、あなたからのそういう声を聞いて、
 「あ、そういうところがおもしろいんだね。
  今後のニュースをとりあげる参考にしよう」
 と思うでしょうし、また、読者どうしでは、
 「へぇ、そういう読み方があるんだ」
 「バックナンバーで、その回を読んでみようかな」
 などと、このページの味わい方が深まることでしょう。

 そんな、1000回特別企画のメールの宛先は、
 件名を「あのくさ1000感想」として、
 postman@1101.com
 こちらまで、お送りくださいませ。
 プレゼント応募の中に、
 一緒に書いてくださってもうれしいです。
 
 (※「ほぼ日」スタッフ・メリー木村しるす)

2002-12-24-TUE

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